学生納付特例で猶予された国民年金保険料は追納したほうがいい? 10年過ぎた場合はどうする?
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月17日 1時0分
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日本国内に住む全ての人は20歳以上になると、国民年金保険料を払う義務が発生しますが、まだ学生で収入も少なく納付は難しいケースも多いでしょう。そこで活用されるのが、学生納付特例制度です。 しかし、学生納付特例制度では定められた期間内は保険料の納付が猶予されますが、卒業後は追納したほうがいいのでしょうか。 追納期間の10年を過ぎた場合はどうするのか含めて、本記事で解説します。
学生納付特例制度の概要
令和5年4月~令和6年3月の国民年金保険料(毎月納付)は、月額1万6520円です。保険料の納付は国民の義務ですが、学生で収入も少ない場合、毎月2万円近くの負担は大変です。
そこで活用されるのが、「学生納付特例制度」です。学生は申請することで在学中の保険料の納付が猶予されます。
猶予なので、保険料が免除されるわけではありません。また、老後にもらえるお金として有名な、老齢基礎年金の年金額の計算対象期間には含まれないので注意してください。ただし、年金の受給資格期間には含まれます。将来年金を受け取るためには、原則10年以上の受給資格期間が必要です。
学生納付特例制度は、毎年度手続きが必要です。何も手続きをせず未納のまま放置すると、受給資格期間に含まれません。将来年金を受け取れなくなってしまうので、学生で納付が厳しいという人は必ず納付特例制度を申請しましょう。
猶予された保険料は追納したほうがいい?
上述のとおり、学生納付特例制度はあくまで保険料の納付を猶予するものです。納付自体を免除されるわけではありません。
老齢基礎年金の年金額の計算対象期間には含まれないため、保険料を全額納付した場合に比べると年金額が低くなります。そのため将来年金を満額受け取るためには、追納制度を活用して保険料を後から納める必要があります。
年金はもらえても金額が少ないから払い損などといわれることもありますが、そんなことはありません。社会保険料控除によって、所得税や住民税の負担が軽減されるからです。税負担が減るだけでなく、将来受け取れる年金額も増えます。
例えば、課税所得300万円、年間で追納した保険料が40万円だった場合、所得税と住民税は最大8万円減ります。税負担が軽減される分、実質32万円追納した形になります。
このようにメリットが大きいので、経済的に余裕がある場合は追納するほうがお得です。
10年過ぎた場合はどうする?
保険料の追納は、申請して承認された月の前10年以内の期間に限定されます。そのため、例えば35歳で15年前(20歳)に学生納付特例制度で猶予された分を払いたいと思ってもできません。
このように追納期限を過ぎてしまった場合は諦めるしかないのでしょうか。
過去の猶予分を納めることはできませんが、国民年金の任意加入制度を使うことで将来の年金額を満額に近づけることができます。国民年金の加入年齢は原則60歳までですが、保険料納付済期間が40年に満たない場合は申請することで引き続き加入できる制度です。
ただし60歳以降も働き続けて厚生年金に加入する場合、国民年金の任意加入制度は使えません。それでも厚生年金保険料を払うことで国民年金の老齢基礎年金の不足分をカバーできるので、働き続ける場合は大きな問題ではありません。
まとめ
本記事では、学生納付特例で猶予された国民年金保険料は追納したほうがいいのか、追納期限の10年を過ぎた場合はどうすればいいのかについて解説しました。
・学生納付特例制度はあくまで保険料の納付を猶予されるもので免除されるわけではない
・追納すると所得税や住民税の負担を減らせて将来受け取れる年金額が増える
・追納期限を過ぎたら国民年金の任意加入制度を利用する
・定年以降も働き続けて厚生年金に加入する方法もある
経済的に余裕があれば追納する、難しい場合は無理をしない、定年後も働き続けて厚生年金分でカバーするなど、ご自身の状況に応じて対策していきましょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 任意加入制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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