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住宅ローンの今後の「金利動向」が気になる! 早めに繰り上げ返済すべき?

ファイナンシャルフィールド / 2023年3月19日 11時20分

住宅ローンの今後の「金利動向」が気になる! 早めに繰り上げ返済すべき?

2022年12月の日本銀行による金融政策の修正をきっかけに、長期金利(10年国債利回り)が大きく上昇し、1月には住宅ローンの固定金利が0.1%~0.2%程度上昇しています。   変動金利への影響も不透明な中、住宅ローンの契約者にとっては「金利上昇=利息負担の増加」とのイメージが強く、できれば負担増だけは避けたいとの考えが先に立ちます。   ここでは、利息負担軽減につながる繰り上げ返済の方法やその効果について、改めて考えてみたいと思います。

繰り上げ返済の2つの方法

繰り上げ返済とは、通常の返済とは別に、手元資金を住宅ローンの返済にあてることをいいます。このとき繰り上げ返済した資金は全て借り入れの元金に充当されるため、減少した元金部分に対応する利息の負担も軽減されることになります。繰り上げ返済の方法には以下の2つがあります。
 

(1)期間短縮型

毎月の返済額は変えず、元金への充当分によって残りの返済期間が短縮される方法です。その結果、短縮された返済期間に対応する利息について負担が軽減されます。
 
元利均等返済の場合、毎月の返済額に占める利息の割合は契約当初が最も高く、元金残高の減少に伴い徐々に逓減していきます。そのため、期間短縮型での繰り上げ返済は、できる限り早い段階で実行した方が利息軽減効果が大きいことになります。
 

(2)返済額軽減型

返済期間は変えず、毎月の返済額を減少させる方法です。繰り上げ返済実行後、毎月の返済額が減少するため、月々の家計負担が軽減するという効果をすぐに実感できる点でメリットがあります。諸事情の変化により、毎月の住宅ローン返済額の負担が大きくなったと感じている場合には、即効性のある対応策として選択肢となります。
 
2つの方法を比較すると、その他の条件(残高、繰り上げ返済の金額、時期など)を同一とした場合、繰り上げ返済による利息軽減効果は期間短縮型の方が大きくなります。つまり、利息軽減効果のみに着目すると、ある程度のまとまった余剰資金の使い道として、早期の繰り上げ返済(期間短縮型)への充当が有効であるといえます。
 

住宅ローン控除との選択肢

繰り上げ返済による利息軽減効果が有効であることは事実ですが、住宅ローンの金利によっては、住宅ローン控除の適用時期を考慮して繰り上げ返済の実施時期を考えた方がお得になる場合があります。これについては、住宅ローンの条件(金利、借入額、借入期間、住宅要件など)を基にシミュレーションして判定する必要があります。
 
住宅ローン控除は、令和4年度税制改正により年末ローン残高の1%から0.7%に控除率が変更されています。併せて、適用期間は10年間から最大13年間となっています。
 
ごく単純な目安として、住宅ローンの金利が住宅ローン控除の控除率より高い場合(例えば固定金利の場合)には、早い段階で繰り上げ返済を実行する方が効果が大きくなり、逆に金利が控除率より低い場合(例えば変動金利の場合)には、住宅ローン控除の適用期間終了後に繰り上げ返済を実行しても全体の軽減効果が大きくなる傾向にあります。
 
つまり、金利と控除率の大小の比較によって、繰り上げ返済の有利な実行時期が決まるということです。
低い金利で借りたお金を通常どおり返済し、その最大の残高で住宅ローン控除を最大期間受けることが、最も有利な方法となる場合もあります。
 

投資との選択肢

一定のまとまった余剰資金がある場合に、住宅ローンの繰り上げ返済に充当するか、あるいは投資資金として運用するかの選択では、どちらがより大きな経済効果が得られるかという点が1つの判断基準となります。
 
このときも住宅ローン控除の場合と同様に、詳細にはさまざまな条件を加味したシミュレーションが必要となりますが、ごく単純にとらえれば、両者の金利の大小を比較して有利な方に資金を投入するという選択が1つの答えとなります。両者は借り入れと投資という違いはありますが、一定の資金を一定の金利、一定の期間で複利運用して得られる経済効果という点では同じものであるといえます。
 
仮に、固定金利の金利以上に投資運用で得られる運用益が見込まれるのであれば、焦って繰り上げ返済に充当するのではなく、投資運用に資金を投入した方が有利であるといえます。ただし、運用益には原則税金が課税される点も考慮しなければなりません。
 

まとめ

筆者自身貧乏性ですので、借りたお金(ローン)はできる限り早く完済したいとの意識が強く生じます。ローンの利息軽減効果だけに着目すると、早い時期に期間短縮型で繰り上げ返済する方法が最も効果が大きいとされています。ただし、もう少し広い視野で一定のまとまった資金の使い道、経済効果の最大化を考えた場合には、違う使い道の方が有利となるケースもあるでしょう。
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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