【3万円から3万7500円に!?】4月から「労働基準法改正」で60時間を超える残業の割増賃金率が「50%」に統一!
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月20日 10時20分
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労働基準法の改正により、2023年4月1日より60時間を超える残業代の割増賃金率が50%に統一されました。これまでは、大手企業のみが60時間超で50%でしたが、中小企業にも適用が広がり、統一される形となります。 今回の法改正により実際どの程度残業代が増加するのか、また、休日や深夜労働をした場合はどういった計算方法になるのかについて詳しく解説します。
60時間を超える残業の割増賃金率が50%に統一
2023年4月1日より、1ヶ月で60時間を超える残業代の割増賃金率が50%に統一されました。これまでの60時間超の割増賃金率は大企業の場合で50%、中小企業の場合は25%でしたが、これが統一される形となります。
つまり、2023年4月1日以降、60時間を超える残業をした場合は中小企業に勤務している人でも、割増賃金率が50%になります。また、60時間以下の部分は従来通り25%で統一されています。
図表1
残業時間 | 割増賃金率(中小企業) |
---|---|
60時間以下 | 25% |
60時間超 | 50% |
厚生労働省「中小企業の事業主の皆さまへ 月60時間を超える時間外労働の 割増賃金率が引き上げられます」を基に作成
例えば、時給換算1500円の人が80時間の残業をした場合、1ヶ月の残業代は以下のとおりとなります。
1500円×25%×80時間=3万円
A .1500円×25%×60時間=2万2500円
B .1500円×50%×(80-60)時間=1万5000円
A+B=3万7500円
上記の例の場合は、3万7500円が残業代として支払われる計算となります。なお、残業代の割増率である25%・50%は最低ラインです。各社によって、より多くの割増率が設定されている場合があります。
休日出勤をした場合の算定方法
今回の法改正では「1ヶ月60時間を超える労働をした場合」に割増賃金率が50%に統一されます。この「60時間」に含まれるのは、平日の時間外労働のほか、法定休日以外の休日出勤時間も含みます。
【法定休日以外の休日とは】
労働基準法では、1ヶ月に4日以上の休日を与えなければいけないと定められています。この休日のことを法定休日といいます。その他の休日のことを法定休日以外の休日といい、例えば、土曜日出勤などが該当します。
例えば、土日祝祭日が休みである中小企業に勤務する人が、土曜日に8時間労働をした場合、基準である「60時間」に土曜日労働分が含まれます。ただし、法定休日に出勤した場合は、法定休日の割増賃金として計算をし、給与が支払われます。
深夜労働を行った場合
深夜労働を行った場合は、深夜労働に対する割増賃金が支払われます。深夜割増賃金は25%であるため、月の残業時間が60時間以下の場合は、25%(深夜割増)+25%(60時間以下の割増率)=50%で計算をして、割増賃金が支払われます。
また、月の残業時間が60時間を超えた場合は、25%(深夜割増)+50%(60時間を超えた割増率)=75%の割増率で計算をして、賃金が支払われるようになりました。
なお、深夜労働の時間帯は22時~翌日5時までの7時間です。この時間帯に労働した場合は、無条件で25%増加となり、残業の場合は、さらに25~50%加算されます。
2023年4月1日からは残業代が統一される
今回は、2023年4月1日に改正された労働基準法の割増賃金率について解説しました。従来は大手企業と中小企業で割増賃金率が異なりましたが、すべて統一されることとなりました。
このことにより、これまで月に60時間を超える残業を行った人は、より多くの残業代をもらえるようになります。ただ、残業代の支払いが厳しい中小企業から見ると、残業時間の削減を目指す働き方を求められるかもしれません。
まだ改正が行われたばかりで、今後どのように運用していくか、決まっていない企業も多いでしょう。各社の指針に合わせて、柔軟な働き方をされるのはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 2 法定割増賃金率の引上げ関係
厚生労働省 中小企業の事業主の皆さまへ 月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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