国民年金って脱退できるの? 脱退できる人ってどんな人? 脱退一時金とは?
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月20日 4時20分
![国民年金って脱退できるの? 脱退できる人ってどんな人? 脱退一時金とは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_193238_0-small.jpg)
「国民年金が将来支払われるかどうか分からないので、脱退してその分を貯金したい」と考える方もいるでしょう。しかし、国民年金は基本的に20~60歳までの日本に在住するすべての方に加入義務があります。ただし、特定の条件を満たせば脱退は可能です。 本記事では、国民年金を脱退できる条件やその際にもらえる脱退一時金について解説します。
国民年金脱退の条件
国民年金は、20~60歳までの日本に在住するすべての方に加入義務があります。会社に勤務で厚生年金に加入する場合は、国民年金は1号被保険者から2号被保険者に切り替わりますので、国民年金から脱退するわけではありません。
厚生年金の加入資格を失った場合、再び1号被保険者となり国民年金保険料を納付する義務が生じます。しかし、これからご紹介する事例は例外的に国民年金の脱退が可能です。
日本国籍を持たない方が日本を出国した場合は脱退できる
日本に長期滞在し、結婚したり働いたりしている外国籍の方も、日本の国民年金に加入しなければなりません。日本に生まれて外国籍を選択した方や、外国人と結婚して配偶者の国籍になった方も、日本に住んでいるかぎり国民年金の加入義務が生じます。
しかし、日本を出国して長期間帰国する予定のない場合などは、脱退できます。外国籍の方が母国に帰り、日本に再入国する予定がほとんどない場合は、脱退するケースが多いです。
日本国籍の方が海外に移住した場合は任意加入が可能
日本国籍の方が海外に長期移住する場合は、国民年金は強制加入被保険者ではなくなり、任意加入に切り替えることができます。
任意加入して保険料を納めると、外国で事故にあったり病気にかかったりして障害が残った場合、障害基礎年金の対象になるといったメリットがあります。また、将来日本に帰国して生活する予定の場合、保険料を納めておけば老齢基礎年金を満額に近づけることも可能です。
しかし、日本にもう戻ってこない可能性が高い場合や、外国で民間の保険に入る場合など、国民年金がなくても問題ない場合は、脱退を選ぶ方もいます。また、任意加入は申出した月からの加入となり、さかのぼっての加入はできませんので注意してください。
国民年金の脱退一時金とはどのような制度?
外国籍の方が日本を長期出国して国民年金から脱退する場合、「脱退一時金」を受け取れます。本項では、脱退一時金の制度や受け取れる金額の計算方法について解説します。
対象者が少ないのであまり知名度がない制度ですが、長年保険料を納めてきた外国籍の方にとってはメリットが多い制度です。ぜひ、仕組みを知っておきましょう。
脱退一時金を受け取れる要件
国民年金の脱退一時金制度は、日本滞在中に保険料を納めていた外国籍の方の制度です。日本国籍を持つ方の場合、任意加入をやめても今まで保険料を納付した分の年金は戻ってきません。そのかわり、年金の支給年齢になったときに「老齢基礎年金」として受け取れます。
一方、日本在住中に外国籍を取得して外国人になった方が日本を出国する場合は、脱退一時金を受け取れます。脱退一時金を受け取る資格があるのは、以下の要件に該当する方です。
・日本国籍を有していない
・公的年金制度(厚生年金保険または国民年金)の被保険者でない
・保険料納付済期間等の月数の合計が6ヶ月以上ある(国民年金に加入していても、保険料が未納となっている期間は要件に該当しない)
※日本年金機構「脱退一時金の制度」より
また、日本に本社がある企業に雇用されており、厚生年金に加入したまま出国すると脱退一時金は受け取れないので、注意してください。
脱退一時金の計算式
国民年金の脱退一時金の計算式は、「最後に保険料を納付した月が属する年度の保険料額×2分の1×支給額計算に用いる数」で求められます。支給額計算に用いる数とは、保険料を満額納め続けた場合は、月数を用いてください。上限は60ヶ月です。
なお、納付免除を受けていた場合は、免除の額によって月数を減らしていきます。詳しくは、日本年金機構「脱退一時金の制度」で確認してください。請求できる期間は出国してから2年間です。それ以上経過すると請求できなくなるので、早めに申請しましょう。
また、厚生年金の計算式は「被保険者であった期間の平均標準報酬額×支給率(保険料率×2分の1×支給率計算に用いる数)」で求められます。被保険者期間であった期間の平均標準報酬額や支給率など、詳しくは日本年金機構「脱退一時金の制度」で確認してください。
日本国外への長期移住や外国籍の方が帰国する際は年金の手続きを忘れずに!
国民年金は、基本的に日本国籍を持つ方は脱退できません。しかし、日本国外に移住した場合は任意加入が可能になります。幼少期から海外で生活している日本国籍の方も、20歳になったら国民年金を任意加入するかどうかを選べます。一方、外国籍の方は任意加入ができないため、帰国する可能性がない場合は、脱退一時金を受け取っておきましょう。
日本国内に居住している方の任意加入は、お住まいの市区役所・町村役場の国民年金担当窓口または、お近くの年金事務所で手続きができます。
また、脱退一時金は日本年金機構本部または各共済組合等に「脱退一時金請求書」などの必要書類を提出して手続きをします。詳しくは、日本年金機構のホームページで確認するか、ねんきんダイヤルに電話をして問い合わせをしてください。
出典
日本年金機構 脱退一時金の制度
日本年金機構 国民年金の任意加入の手続き(日本の年金制度への継続加入)
日本年金機構 脱退一時金を請求する方の手続き
日本年金機構 電話での年金相談窓口
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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