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大学時代に年金未納「あり」。将来の年金はどのくらい減る?

ファイナンシャルフィールド / 2023年3月21日 7時10分

大学時代に年金未納「あり」。将来の年金はどのくらい減る?

日本では、20歳以上60歳未満の国民は国民年金制度に加入して、毎月、国民年金保険料を納めることが定められています。しかし、学生の中には「学生納付特例制度」を利用して、保険料納付を猶予されている人もいるでしょう。   ただ、この制度を利用した場合、猶予期間の国民年金保険料を追納しないと将来もらえる年金が減る恐れがあります。将来、どれぐらい年金が減ってしまうのでしょうか。

学生納付特例制度とは?

学生納付特例制度とは、20歳以上の学生で前年の所得が一定額以下の場合、申請をすれば国民年金保険料の支払いが猶予される制度です。
 
制度を利用できるのは、大学生や大学院生に限らず、短期大学や高等学校、高等専門学校、特別支援学校など、日本にあるほとんどの学校の学生となります。専修学校や各種学校についても、修業年限が1年以上のところであれば、基本的に対象です。また、定時制課程や通信制課程の学生も制度を利用できます。
 
申請は、住んでいる地域の年金事務所や市区町村役場の年金窓口のほか、在学中の学校を通じて行うことも可能です。また、書類は窓口に直接持ち込むほか、郵送や電子申請で提出できます。
 

学生納付特例制度の注意点

学生納付特例制度の注意点は、「免除」ではなく「猶予」という点です。
 
「免除」も「猶予」も、10年以内であれば、払わなかった年金保険料を追納できる点は同じです。しかし、追納しなかった場合、「免除」は免除額に応じて老齢基礎年金の一部を受け取れますが、「猶予」は猶予期間の老齢基礎年金を受け取れません。
 
2023年3月時点で、老齢基礎年金を満額受け取った場合、年間77万7800円(1ヶ月あたり6万4816円)を受け取れます。しかし、「学生納付特例制度」を24ヶ月利用した場合、1年間に受け取れる年金額は
 
77万7800円×456÷480=73万8910円
 
となり、1ヶ月あたり6万1575円しか受け取れなくなります。
 
会社員や公務員として働き、老齢基礎年金だけでなく老齢厚生年金を受け取る予定の人にとっては、大きな差ではないかもしれません。しかし個人事業主や自営業者のように、老齢基礎年金しか受け取らない場合、将来もらえる年金が5%も少なくなってしまうのです。
 

学生の国民年金はどうしたらよい?

学生時代に学生納付特例制度を利用して支払わなかった年金は、10年以内に追納するのが望ましいです。追納する場合には、住んでいる地域の年金事務所に「国民年金保険料追納申込書」を提出すると、後日、納付書が送られてきます。
 
しかし、中には収入が少なく、約2年分の国民年金保険料を後で用意するのが難しくなる人もいるかもしれません。
 
もしも、学生の親に国民年金保険料を支払う余裕があれば、代わりに親が支払うというのも1つの方法です。親が子どもの代わりに国民年金保険料を納めれば、その分、親は社会保険料控除を受けられるので、節税につながります。
 
なお、国民年金保険料を支払う銀行口座やクレジットカードが親名義でない場合は、確定申告に必要な親名義の社会保険料控除証明書が出ないので、注意が必要です。
 

学生時代の国民年金保険料は必ず納めよう

学生時代の国民年金保険料は、学生納付特例制度を利用して猶予してもらえますが、10年以内に追納しないと、将来もらえる老齢基礎年金の額が減ってしまいます。仮に、24ヶ月の未納期間があると、将来もらえる老齢基礎年金が5%減ることになります。
 
学生時代の国民年金保険料は、代わりに親が支払うと親の節税対策にもつながります。家族でよく話し合って、国民年金保険料の支払い方法を考えなければなりません。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
日本年金機構 学生期間中の納付が猶予されていた保険料は、後で納めることが出来ますか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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