「月約1万6000円」の負担あり! 配偶者以外の「家族」の扶養に入る場合の注意点とは?
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月22日 2時20分
![「月約1万6000円」の負担あり! 配偶者以外の「家族」の扶養に入る場合の注意点とは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_193508_0-small.jpg)
「社会保険の扶養に入れば、健康保険料も年金保険料も0円」と思っていませんか? しかし、それは扶養する人が「配偶者」である場合だけなのです。「配偶者以外の家族」の扶養に入る場合には、どちらも0円というわけにはいきません。また、これから自身が自営業者の扶養に入ろうと考えている場合は、特に注意が必要です。 本記事では、配偶者以外の家族の扶養に入る場合の注意点について解説します。
社会保険の扶養とは
社会保険の扶養に入れるのは、原則として以下のいずれにも該当する人です。
●被保険者(扶養する人)と同居している3親等以内の親族である
●被保険者に生計を維持されている
●年収130万円未満である
なお、2022年10月に行われた社会保険の適用範囲拡大によって、自身が働いている会社の規模によっては年収105万6000円未満でなければ扶養に入れなくなっているなど、被保険者となることもあり得ます。さらに、2024年にはさらに適用範囲が拡大されますので、今後、自分が扶養の要件に当てはまるかどうか、確認が必要です。
また、ひと言に「社会保険」といっても、「健康保険」と「年金」に分かれている点にも注意しましょう。
健康保険料:被扶養者は0円
被扶養者(扶養される人)は健康保険料を負担する必要がありません。扶養者(扶養する人)の給与から天引きされる社会保険料に含まれていると考えられますが、実際は被扶養者の人数に応じて社会保険料が増えるということはなく、金額は扶養者1人分のままです。
つまり、健康保険料0円で健康保険の保障を受けることができるのです。これは扶養に入った人が配偶者である場合、配偶者以外の家族である場合、どちらでも同じです。
国民年金保険料:第3号被保険者のみ0円
扶養によって国民年金保険料を負担しなくてよいのは、「第3号被保険者」のみです。第3号被保険者とは、会社員や公務員の「第2号被保険者に扶養されている、年収130万円未満の配偶者のこと」をいいます(130万円未満であっても、前述のとおり、社会保険適用要件に当てはまる場合は第3号被保険者にはなれません)。
つまり、「配偶者以外の扶養に入った20歳以上60歳未満の人は、第3号被保険者にはなれない」ため、自身で国民年金保険料を支払う必要があります。
国民年金保険料の金額
国民年金保険料は収入に応じて変動する厚生年金と違って一律の金額が設定されており、2023年度の国民年金保険料の月額は「1万6520円」となっています。配偶者の扶養になれば0円の国民年金保険料が、親や子など配偶者以外の家族の扶養になると年間19万8240円(1万6520円×12ヶ月)も発生することになります。
どうせ払うなら前納がお得
国民年金保険料は、最大2年分を前払いすることが可能です。その分、割引が適用されるようになっており、口座振替の場合には最大で1万6100円、ほぼ1ヶ月分の国民年金保険料の割引を受けることができます。
図表1
日本年金機構 国民年金保険料の前納
また、国民年金保険料は支払額の全額が所得控除の対象となっており、前納は節税対策としても有効です。さらに前納した金額全てを支払った年の所得控除にするのか、該当年での所得控除にするのかも選択可能となっています。扶養者に高額な税金が発生しそうな年は検討してみるとよいでしょう。
自営業に扶養はない
社会保険の扶養があるのは第2号被保険者であり、国民健康保険に扶養という考え方はありません。そのため、扶養者が自営業で国民健康保険と国民年金に加入している場合には、同一世帯で加入している人数分の保険料を支払う必要があります。
まとめ
「社会保険の扶養=社会保険料0円」と思いがちですが、配偶者以外の家族が加入している社会保険の扶養に入る場合には、国民年金保険料(月額1万6520円)の支払いは免れない点に注意しましょう。また、国民健康保険に扶養制度はありません。扶養に入ろうと考えている配偶者または家族が自営業の場合には、間違えないようにしてください。
出典
全国健康保険協会 被扶養者とは?
日本年金機構 国民年金の「第1号被保険者」、「第3号被保険者」とは何ですか。
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
日本年金機構 国民年金保険料の前納
国税庁 【確定申告書等作成コーナー】-2年分の国民年金保険料を前納した場合
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士
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