同じバイト内容でも時給は「100円以上」違う場合も!? 最低時給・最高時給はどうやって決まるの?
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月22日 10時20分
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バイトをする際に、時給を重視する人は多いでしょう。求人サイトなどをチェックしていると、同じ業種や仕事内容にもかかわらず、時給が異なるケースも珍しくはありません。同じバイト内容でも時給に100円以上の差がある求人も多く、その理由が求人からは見えてこない場合もあります。 そもそも、最低時給や最高時給はどのように決められるのでしょうか。今回は、時給の決め方や地域別の最低賃金について解説します。
最低賃金法をもとに定められる時給の下限
仕事内容や雇用形態にかかわらず、労働者の時給の下限は国により定められています。日本には「最低賃金法」と呼ばれる法律があり、これに基づき時給の下限、つまり「最低賃金時間額」が決定されます。企業などの使用者は、労働者に、この最低賃金以下の時給で働かせてはいけない決まりとなっています。
・最低賃金は地域ごとに異なる
最低賃金は国が定めていますが、その額は地域により異なります。地域ごとに、労働者の生活費や生活環境などが異なるためです。
具体的には、労働者や使用者の代表などで構成される「中央最低賃金審議会」で議論され、最終的に都道府県労働局長が決定します。中央最低賃金審議会の意見が、そのまま採用されるわけではないものの、各地域の事情も考慮しながら時給の下限が決定されています。
令和4年度の地域別最低賃金
実際に、各地域の最低賃金はどの程度に定められているのでしょうか。厚生労働省が発表している「令和4年度地域別最低賃金改定状況」をもとにみていきましょう。令和4年度の最低賃金は、令和4年10月発効となっています。
これによると、全国でもっとも最低賃金の高い都道府県は東京都で1072円です。それに、神奈川県の1071円が続きます。3番目に高いのは大阪府で1023円となっています。時給の下限が1000円を上回るのは、以上の3つのみです。一方で、最低賃金がもっとも低いのは、沖縄県、鹿児島県、宮崎県、熊本県、愛媛県、秋田県、青森県などで、853円となっています。
同じようなバイト内容でも時給が異なるのは、上記のように、地域ごとに最低賃金が大幅に異なることが原因であることが多いのです。最低賃金のみでみても、東京都や神奈川県と沖縄県や鹿児島県、秋田県、青森県などとでは、約220円もの差があります。関東圏でみた場合でも、東京都の1072円に対し、千葉県や埼玉県は980円台であり、最低賃金の差は約100円です。
電車で数十分程度で移動できる距離であっても、最低賃金にこれほどの差があります。そのうえで、企業や店舗が独自に時給を決定しており、それが最終的な時給の差となっています。業種や仕事内容が同様で、かつ交通費が支給されるのであれば、最低賃金の高いエリアでアルバイトをすることも検討する価値がありそうです。
時給の上限は使用者が決定
最低賃金は国や都道府県の労働局長が決定していますが、時給の上限は特に定められてはいません。最高時給は使用者側、つまり企業や店舗がそれぞれ決定しています。仕事内容が同じでも、年齢や経験、資格の有無などにより時給に差をつけている企業も多いでしょう。
アルバイトの時給の上限をあらかじめ決定している企業もあれば、成果によって最低賃金にインセンティブを上乗せし支給している企業もあります。アルバイトをする際には、まずは地域ごとの最低賃金を下回っていないかの確認が不可欠です。そのうえで、仕事内容とのバランスをみながら、応募先や勤務先を決定しましょう。
同じバイト内容でも時給に差があるのは、地域ごとに異なる最低賃金が影響している場合が多い
日本における時給の下限は、国や都道府県労働局長が決定しています。そのため、地域ごとに異なり、高いエリアと低いエリアでは200円以上もの差があります。これが、同じバイト内容でも時給が異なるケースがみられる理由の一つです。
時給の上限は国により定められているわけではないため、企業や店舗ごとに決定されます。バイト先を探す際はエリアにも注目すると、より多くの収入が得られる可能性があるでしょう。
出典
厚生労働省 令和4年度地域別最低賃金改定状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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