家計の「エンゲル係数」は平均どれくらい?
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月26日 22時30分
エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める食費の割合を表した数値です。エンゲル係数がどのくらいなのかを参考にすると、家計の見直しが必要かどうかを判断しやすくなります。 また、昔と比べて給与がなかなか上がらない、物価高といった世の中で、エンゲル係数がどうなっているのか気になる人もいるのではないでしょうか。 本記事では、エンゲル係数の意味や計算方法、世帯主の年齢別、年収別、世帯人員別のエンゲル係数をまとめたので確認してみてください。
エンゲル係数とは?
エンゲル係数とは、家計の消費支出に対して食費の割合がどれくらいなのかを表した数値です。エンゲル係数は以下の計算式にて算出します。
・エンゲル係数(%)=食費÷消費支出×100
エンゲル係数から、家計の消費支出のうち食費にお金をかけすぎているかどうかの判断が可能です。家計の見直しにもつながる数値といえるでしょう。
世帯主の年齢別・年収別・世帯人員別のエンゲル係数
2022年の2人以上の世帯について、世帯主の年齢別、世帯年収別、世帯人員別に、消費支出と食費、エンゲル係数をまとめたものをみてみましょう。まずは、世帯主の年齢別です。
【図表1:世帯主の年齢別(2022年)】
世帯主の年齢別 | |||
---|---|---|---|
世帯主の年齢 | 消費支出 | 食費 | エンゲル係数 |
平均 | 29万865円 | 7万7474円 | 26.6% |
~34歳 | 25万8471円 | 6万3331円 | 24.5% |
35~39歳 | 27万7788円 | 7万6739円 | 27.6% |
40~44歳 | 30万6598円 | 8万3398円 | 27.2% |
45~49歳 | 33万3195円 | 8万3368円 | 25% |
50~54歳 | 36万7076円 | 8万3894円 | 22.9% |
55~59歳 | 35万2056円 | 8万3894円 | 23.9% |
60~64歳 | 31万1478円 | 8万2527円 | 26.5% |
65~69歳 | 28万9003円 | 7万9334円 | 27.5% |
70~74歳 | 25万4815円 | 7万4855円 | 29.4% |
75~79歳 | 23万7366円 | 7万1498円 | 30.1% |
80~84歳 | 22万59円 | 6万6371円 | 30.2% |
85歳~ | 20万7772円 | 6万2835円 | 30.2% |
50~54歳までは消費支出と食費は増加しているのに対し、55歳以降になると減少していく傾向です。エンゲル係数については、40~44歳までが高く45~49歳でいったん低下しますが、その後60~64歳から再び高くなり、最高水準は80歳~の30.2%となります。
次の世帯年収別でみてみましょう。
【図表2:世帯年収別(2022年)】
世帯年収別 | |||
---|---|---|---|
世帯主の年収 | 消費支出 | 食費 | エンゲル係数 |
平均 | 29万865円 | 7万7474円 | 26.6% |
200万円未満 | 16万1170円 | 5万2569円 | 32.6% |
200~250万円 | 18万7295円 | 5万8698円 | 31.3% |
250~300万円 | 19万6911円 | 6万1679円 | 31.3% |
300~350万円 | 22万3809円 | 6万6504円 | 29.7% |
350~400万円 | 23万6584円 | 6万9892円 | 29.5% |
400~450万円 | 25万5079円 | 7万3157円 | 28.7% |
450~500万円 | 26万2172円 | 7万4711円 | 28.5% |
500~550万円 | 26万8083円 | 7万3146円 | 27.3% |
550~600万円 | 26万9749円 | 7万4793円 | 27.7% |
600~650万円 | 28万4780円 | 7万6287円 | 26.8% |
650~700万円 | 29万7988円 | 7万8337円 | 26.3% |
700~750万円 | 30万3956円 | 8万1772円 | 26.9% |
750~800万円 | 30万6489円 | 8万3517円 | 27.2% |
800~900万円 | 34万7923円 | 8万8056円 | 25.3% |
900~1000万円 | 38万4580円 | 8万9512円 | 23.3% |
1000~1250万円 | 42万2121円 | 9万7141円 | 23% |
1250~1500万円 | 45万476円 | 10万2045円 | 22.7% |
1500万円以上 | 53万7898円 | 11万5072円 | 21.4% |
年収が高くなるほど消費支出と食費は高いですが、エンゲル係数は年収800万円を超えるあたりから低くなっている傾向です。
最後に、世帯人数別でみてみましょう。
【図表3:世帯人員別(2022年)】
世帯人員別 | |||
---|---|---|---|
世帯人員 | 消費支出 | 食費 | エンゲル係数 |
平均 | 29万865円 | 7万7474円 | 26.6% |
2人 | 25万5318円 | 6万7573円 | 26.5% |
3人 | 30万4339円 | 8万554円 | 26.5% |
4人 | 33万355円 | 8万8102円 | 26.7% |
5人 | 35万7187円 | 9万6968円 | 27.1% |
6人以上 | 36万1307円 | 10万7578円 | 29.8% |
世帯人員が2~4人のエンゲル係数は26.5~26.7%となっており、それぞれに大きな差が出ていない状況です。5人で27.1%、6人以上で29.8%と、世帯人数が増えるごとにエンゲル係数が高くなっていきます。
エンゲル係数を確認して食費の見直しにつなげよう
総務省統計局の「家計調査家計収支編」によると、2022年の2人以上の世帯のエンゲル係数は、平均26.6%となっています。
世帯主の年齢別でみると、エンゲル係数は一定の年齢まで上昇した後に低下し、その後また高くなる傾向がみられ、世帯年収別でみた場合、世帯年収が800万円を越えたあたりからエンゲル係数が低下していく傾向がみられます。また世帯人員別では、世帯人員が5人以上になると、人員数が増えるごとにエンゲル係数が高くなるようです。
自身の家庭の食費はどのくらいなのか、エンゲル係数はどのくらいなのかを一度計算してみて、一般的な平均数値と比較してみましょう。その上で、食費や家計の見直しを行ってみてください。
出典
総務省 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(2022年)より 表番号 2-3、3-1、3-2
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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