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保険料が高い理由かも? 生命保険料の「予定利率」って何?

ファイナンシャルフィールド / 2023年3月27日 8時0分

保険料が高い理由かも? 生命保険料の「予定利率」って何?

「生命保険料が高いのは、予定利率と関係があるって聞いたけど本当?」「予定利率が変わると、保険契約者にどんな影響があるの?」といった疑問を持つ人もいるでしょう。   予定利率は生命保険料を定める指針の1つであるため、保険料に大きく関わってきます。   本記事では、予定利率と生命保険料の関係や、利率の決め方について解説をします。また、生命保険料を左右する予定基礎率についても知っておき、保険の見直し時に役立てましょう。

生命保険料の予定利率とは

予定利率とは、保険会社が保険契約時に定めた運用利回りの利率を指します。どれくらいの利回りで運用できるかを予測するもので、保険料や返戻率が決められる重要な指針です。
 
予定利率が高い・低いことによる保険料や返戻率の関係は図表1を参照してください。
 
【図表1】

予定利率 保険料 返戻率
高い 安い 高い
低い 高い 低い

 
予定利率が高いと運用による利益が生まれるため、保険料は安く返戻率が高い保険商品となります。しかし予定利率が低い場合は、保険料が高い上に返戻率が低くなるでしょう。
 
保険会社は契約者から集めた保険料を責任準備金とし、資産運用でお金を増やします。つまり、予定利率が高ければ、少ない責任準備金であっても契約者にお金を支払えるため、保険料が安く済むのです。
 
しかし予定利率が低い場合は、資産運用で増やせないために責任準備金を多く積み立てなくてはなりません。責任準備金を多く積み立てるには、保険料の値上げによる対応がとられます。なお、責任準備金は、主に株式、債券、不動産などで資産運用されます。
 

生命保険料と予定利率の関係

予定利率は生命保険料を左右する重要な要因ですが、保険会社が自由に決められるものではありません。また、生命保険料は予定利率以外にも、予定死亡率や予定事業費率と合わせた複合的な要素で決められます。
 
本項では、生命保険料と予定利率の関係について解説しました。相互関係を知り、保険商品を選ぶときの参考としてください。
 

予定利率は標準利率が参考にされる

予定利率は自由に設定できるものではなく、標準利率によって決められます。標準利率とは、金融庁が定めた利率の目安です。
 
標準利率は、金融庁が国債の利回りを基に定め、各保険会社に伝えられます。標準利率を基に予定利率を定めることが義務付けられています。
 

予定利率の影響が少ないのは掛け捨て型

予定利率の影響が少ない保険商品は、掛け捨て型です。掛け捨て型は解約払戻金がほとんどないため責任準備金が少なく、保険料は最初から低く設定されています。そのため、予定利率が変動したとしても影響を受けにくいでしょう。
 
一方で、終身保険、学資保険、個人年金保険などの貯蓄型保険は影響が大きいです。金融庁が標準利率を下げた際、保険料の値上げのみならず販売していた貯蓄型保険の販売を停止することもあります。
 
また、予定利率が低いと、貯蓄性の高い保険であっても元本割れするリスクが高まります。貯蓄性の高い保険に加入する際は、より注意が必要です。
 

あわせて知りたい予定基礎率

生命保険料を定める手だてとして予定基礎率があります。予定基礎率は予定利率のみならず、予定死亡率と予定事業費率を合わせて保険料を算出する際に使用されます。
 
予定死亡率は、性別や年齢などを加味して予測される死亡率です。予定事業費率は、保険会社が事業を運営する上で想定される諸経費の割合を指します。これら3つの要素を組み合わせて予定基礎率とし、生命保険料が定められます。
 

生命保険の見直しの際は予定利率をみてみよう

予定利率とは、契約時に取り決めた運用の利回りを指します。予定利率が高いほうが保険料が安く返戻率が高いため、保険契約者にとっては条件のよい保険商品だといえるでしょう。
 
生命保険料が高いからと見直しを考える人は、予定利率をチェックしてみてください。見直しをしない場合であっても、契約更新時に生命保険料が高くなる可能性があるため、慎重に選びましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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