59歳の母が定年後も「再雇用」を選ぶ予定ですが、年金面で心配したほうがいいことはありますか…?
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月30日 0時10分
定年後も生活資金を稼ぎたいなら、再雇用を希望して働き続けるという方法があります。定期的に給料を受け取れる分だけ老後の見通しを立てやすいですが、一方で年金が減ってしまうリスクも生じるので注意しましょう。 そこで今回は、定年を迎える59歳の母親が再雇用を選択する場合、年金面にどのような懸念があるのか詳しく紹介します。
65歳以降に年金を受け取るようになっても働き続けると、年金の一部もしくは全部の支給を停止される場合が
65歳まで年金を受け取らない間は大丈夫ですが、定年後65歳になってからも、老齢厚生年金を受給しながら働く場合、年金額の一部や全部の支給を停止される可能性があります。これは在職老齢年金と呼ばれる制度で、厚生年金保険に加入している人が対象です。
適用の判定には、老齢厚生年金の基本月額および総報酬月額相当額が使われます。両者の合計が47万円以下なら全額の受給が可能です。
一方、47万円を超えている場合は、合計から47万円を引いた金額の半分が支給されなくなります。よって、母親が厚生年金保険の加入者で、受給額を減らしたくないなら、この基準を常に意識することが必要です。
なお、支給を停止されても、その状態がずっと続くわけではありません。あくまでも上記の合計が47万円より多くなる期間だけが対象です。総報酬月額相当額に増減がある月は、支給されない金額も実情に合わせて変更されます。
厚生年金保険に加入しなければよい?
在職老齢年金の制度で支給を停止されるリスクがあるのは、厚生年金保険の被保険者だけです。それなら、母親が再雇用される際に、加入しなければよいと思う人もいるでしょう。
しかし、加入するかどうかは本人が決められるわけではなく、労働時間や労働日数などの条件に照らし合わせて決定されます。
具体的には、正社員の1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数をベースとして、4分の3以上であれば加入しなければなりません。よって、フルタイム勤務をしていた人が、再雇用後も同じ働き方を希望するなら、もちろん加入することになります。
また、上記の4分の3未満でも一定の条件を満たしていると、被保険者になる義務があるのです。よって、再雇用後に母親が短時間勤務をする場合でも、加入が必要になる可能性もあります。
安易な繰下げ受給に要注意
老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計を47万円以下に抑えるために、繰下げ受給を選択しようとする人もいます。
繰下げ受給とは、受給開始を遅らせることで年金が増額される制度です。そして、支給を停止されるぐらいなら、後で多く受け取ろうと考えて、この制度を利用しようとするわけです。
しかし、そうしても本来の基本月額で合計が算出され、支給を停止されるはずだった分は増額の対象になりません。よって、再雇用される母親がやみくもに繰下げ受給を選ぶと、年金を受け取り始めてから後悔する可能性があります。
受給が遅くなって不便なだけでなく、思ったほど増額されないという結果になりやすいです。年金を減額されないように、事前にシミュレーションをしっかり行って、受給額の見通しを立てておくことが大切です。
在職老齢年金のリスクを知って対策を考えておこう!
定年後の収入を増やすために、再雇用されて働くことは有効な手段です。ただし、年金面にマイナスの影響が出る可能性があることも知っておく必要があります。
特に在職老齢年金の制度が要注意であり、年金の減額を避けたいなら、どれくらいまで稼いでいいのか把握しなければなりません。リスクを理解したうえで、あらかじめ対策を検討しておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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