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65歳以降の「賃貸暮らし」は厳しい? 夫婦2人の「年金受給額」の平均をもとに検証

ファイナンシャルフィールド / 2023年3月29日 11時10分

65歳以降の「賃貸暮らし」は厳しい? 夫婦2人の「年金受給額」の平均をもとに検証

65歳からは年金だけで生活することを考えている人も多いと思います。その際、賃貸で暮らすことを考えている場合は、年金だけで生活できるのでしょうか?   そこで本記事では、65歳以降で年金暮らしをした場合に賃貸で暮らすのは可能なのかを解説していきます。

一般的な年金額について

日本年金機構では、令和4年度の標準的な年金額について公表しています。
 
夫婦2人分の年金としては、月額21万9593円です。この金額は満額の老齢基礎年金2人分と老齢厚生年金1人分を合計したものとなっています。
 
単身世帯の場合は、老齢基礎年金のみだと月額6万4816円、老齢厚生年金も受け取れる場合は月額15万4777円です。これらの金額を収入として、主な消費支出と平均的な賃貸料から年金のみで生活できるのかを見ていきます。

65歳以上夫婦のみ世帯の消費支出

総務省が公表している「家計調査報告(家計収支編)2021年(令和3年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみ世帯の消費支出は平均で22万4436円となっています。
 
この内、住居費は7.4%で1万6608円(小数点以下四捨五入)です。これは持ち家の世帯も合わせて平均値を出しているので、低くなっていることも考えられます。22万4436円から1万6608円を引いた20万7828円が住居費を除いた消費支出と考えられます。
 

65歳以上単身世帯の消費支出

65歳以上の単身世帯の消費支出の平均は、同調査によると13万2476円となっています。この内、住居費は9.9%を占めており1万3115円(小数点以下四捨五入)です。夫婦のみ世帯と同じように計算すると、13万2476円から1万3115円を引いた11万9361円が住居費以外でかかる消費支出となります。
 

年金のみで賃貸暮らしは難しい


総務省の「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」では、借家の平均賃貸料は5万5675円と公表しています。
 
65歳以上夫婦のみ世帯の住居費を除いた消費支出は20万7828円、受け取ることができる標準的な年金額は21万9593円です。その差額は1万1765円となります。これでは、賃貸料を支払うのは難しいといえるでしょう。
 
また、65歳以上単身世帯の住居費を除いた消費支出は11万9361円、受け取ることができる標準的な年金額は15万4777円(老齢厚生年金も受け取れる場合)です。
 
こちらの差額は、3万5416円となっています。借家平均賃貸料である5万5675円は払えませんが、夫婦のみ世帯よりも賃貸で暮らすことが可能に見えます。賃貸料をできるだけ抑え、消費支出を見直すことができれば、単身世帯の場合は賃貸でも暮らしていけそうです。
 
しかし、病気や介護状態になった場合はさらに費用がかかるので、年金以外の備えも必要だと考えられます。
 

65歳以降の生活のために今から備えておきましょう

本記事では、65歳以降で年金暮らしをした場合に賃貸で暮らすのは可能なのかを解説してきました。標準的な年金額と平均的な消費支出から考えると、年金のみで賃貸で暮らすのは厳しいです。そのため、65歳までに貯蓄などで生活費を備えておくか、65歳以降も働くことも考えなければいけません。
 
また、実際に受け取れる年金額は家庭によって異なります。今後の生活のためにも、自身のねんきん定期便などで、いくら受け取れるかを確認してください。また、令和5年度は標準的な年金額も変わる可能性があるので、標準的な年金額がいくらになるのかも注視していきましょう。
 

出典

日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
総務省 家計調査報告(家計収支編)2021年(令和3年)平均結果の概要
総務省 平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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