「返済しなくていい」奨学金にはどんなものがある?
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月2日 9時0分
返済しなくていい奨学金には「給付型奨学金」があります。2020年4月にスタートした新たな給付型奨学金は返済が不要なだけでなく、大学や専門学校などの入学金と授業料などの免除・減免も可能です。ただし、給付型奨学金の対象となるためには、世帯収入などが支給要件に該当している必要があります。 本記事では、国による新たな給付型奨学金「高等教育の修学支援新制度」について解説します。
新たな「給付型奨学金」ってどんな制度?
文部科学省は、2020年4月から「高等教育の修学支援新制度」という新たな奨学金をスタートさせました。「高等教育の修学支援新制度」は、生活費などに使える給付型奨学金と入学金や授業料などの免除・減免(授業料等減免)を組み合わせた制度で、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が運営しています。対象となるのは、支給要件に該当する高校生と大学生や専門学校生などです。
「高等教育の修学支援新制度」の支給要件と支給額
高校生・大学生などが「高等教育の修学支援新制度」の対象となるための支給要件や支給額は以下のとおりです。
・対象となるための支給要件
高等教育の修学支援新制度には、「住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯であること」と「進学先で学ぶ意欲がある学生などであること」という2つの支給要件があります。
・給付型奨学金の支給額
住民税非課税世帯第1区分の給付型奨学金の支給額(月額)は次のとおりです。大学・短期大学・専門学校に自宅から通学する場合は、国公立が2万9200円、私立には3万8300円が支給されます。高等専門学校(4年・5年)に自宅から通学する場合の支給額は、国公立が1万7500円、私立が2万6700円です。
大学・短期大学・専門学校に自宅外から通学する場合は、国公立が6万6700円、私立には7万5800円が支給されます。高等専門学校に自宅外から通学する場合の支給額は、国公立が3万4200円、私立が4万3300円です。住民税非課税世帯の第2区分と第3区分の支給額は、それぞれ第1区分の3分の2と3分の1になります。
なお、生活保護世帯の人が自宅や児童養護施設などから通学する場合の支給額は、大学・短期大学・専門学校の国公立が3万3300円、私立が4万2500円、高等専門学校の国公立が2万5800円、私立が3万5000円です。また、進学先や在学中の大学などに申し込めば、入学金と授業料が免除・減額(最大年間70万円)されます。
「高等教育の修学支援新制度」の手続き方法
「高等教育の修学支援新制度」の手続き方法は、高校生の時点と大学生などの時点によって異なります。
・高校生の場合
高校生は、進学する前年の4月下旬から在学中の学校を通じて日本学生支援機構に申し込みます。入学金と授業料の免除・減免の申込先は進学先の大学などです。なお、入学金の免除・減免を受けるためには、入学後3ヶ月が経過するまでに申し込む必要があります。
・大学生などの場合
大学生などは、年2回(春と秋)に在学中の学校などを通じて日本学生支援機構に申し込みます。同時に、在学中の学校に入学金と授業料の免除・減免を申し込むことになります(受付期間は学校によって異なる)。なお、大学1年次の後期以降に当制度を利用する人は、入学金の免除・減免が受けられません。
奨学金が打ち切られないよう勉学に励むことが大切
給付型奨学金は返済しなくていい奨学金です。2020年4月からスタートした新たな奨学金制度「高等教育の修学支援新制度」では、要件を満たしていれば、奨学金の給付と入学金や授業料の免除・減免が受けられます。ただし、進学後は「社会で自立して活躍できるように勉学に励むこと」が要求され、成績によっては奨学金が打ち切られる可能性がある点には留意が必要です。
出典
文部科学省 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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