子育ての悩みの1つ「お金」。大学卒業まで必要な教育費の目安を把握していますか?
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月4日 6時0分
子育ての悩みで大きなものの1つに、教育費などの「お金の不安」があるのではないでしょうか? 子どもが成長するにつれて出費が増えていくことは、多くの人が知っている事実かと思いますが、具体的にどれくらいの費用が必要となるか把握できているでしょうか? 本記事では、大学卒業までに必要な教育費の目安を紹介します。貯蓄方法についても具体的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
大学卒業までの教育費目安
文部科学省では、令和3年度の幼稚園~高等学校までの学習費総額(1年間)について調査を行っています。その結果は以下のとおりでした。
【幼稚園】
・公立…16万5126円
・私立…30万8909円
【小学校】
・公立35万2566円
・私立166万6949円
【中学校】
・公立53万8799円
・私立143万6353円
【高等学校】
・公立51万2971円
・私立105万4444円
また、株式会社日本政策金融公庫では、令和3年度の高専・専修・各種学校の2年間と、私立短大2年間、大学4年間にかかる教育費用の調査を行っています。文部科学省の調査と同じように1年間の平均で計算すると、以下のような結果となっています。
●高専・専修・各種学校… 116万 9000円
●私立短大…145万円
●国公立大学…103万5000円
●私立文系大学…152万円
●私立理系大学…183万 2000円
校種が上がっていくにつれて教育費も上がっていくため、目の前の教育費だけを考えていては、年を重ねるごとに生活が苦しくなってしまいます。そうならないためにも、先を見据えた貯金が重要となってくるでしょう。
教育費を貯めるおすすめ手段
教育費を貯める方法として重要なのが「積み立て」です。数ある商品の中から、定期預金・学資保険・つみたてNISA をおすすめします。特に、運用して増やしていける性質を考えると、つみたてNISAは重要な積立先となります。
それぞれの商品の特徴
積み立てをする上で、最も手軽に始められるのが「定期預金」です。現金化しやすく、いつでも引き出せる点がメリットとなります。運用をするわけではないので増やすことはできませんが、減る心配もありません。
「学資保険」は名前のとおり保険商品で、親が契約者となり、子どもが被保険者となります。親に万が一のことがあった場合は、それ以降の保険料支払いが免除になる点が大きなメリットです。
ただし、途中解約すると払い込んだお金より低くなる可能性が大きいため、解約せず持ち続ける必要があります。
「つみたてNISA」は2023年末までは年間40万円、2024年から始まる「新しいNISA」の「つみたて投資枠」では年間120万円まで積み立てて運用できる制度です。
一般的な投資では、利益が出ると20.315%の税金が引かれますが、つみたてNISAの枠で運用すると運用益に税金がかからない点がメリットです。ただし、あくまで「投資」なので運用成果には変動があり、リスクを伴います。リスクを軽減させるためにも「長期目線」での運用が重要なポイントです。
教育費の貯蓄方法
教育費を積み立てして始めるタイミングは、「今すぐ」です。当然のことですが、同じ金額を貯めるのであれば早ければ早いほど、積み立てられる金額は大きくなります。
積み立て先は、必要となる期間に合わせて「定期預金」と、「学資保険・つみたてNISA」の2つに分けましょう。
具体的なシミュレーション
具体的にどれくらいの資金が必要になるのか、今の子どもの年齢から大学卒業までに、総額いくら資金が必要かを計算します。
もし、子どもが3歳で中学まで公立、高校から私立に通うと仮定すると、約1400万円必要です。大学卒業の 22 歳までの19年間で考えると、現金の積み立てであれば年間約74万円、毎月約6万2000円の積み立てが必要となります。
学資保険とつみたてNISAは、最低でも10年は引き出さないお金の積み立てがおすすめです。つまり、上記の例であれば、小学校卒業までの教育資金は定期預金での積み立てがいいでしょう。それ以降に必要な教育費分は、学資保険やつみたてNISAでの積み立てを考えてみてください。
つみたてNISAの重要性
学資保険とつみたてNISAを比較すると、安全性が高いのは学資保険です。しかし、期間を長く取れるのであればリスクも軽減できるため、収益性が期待できるつみたてNISAがおすすめです。特に、大学で必要になる教育費分は金額も大きくなるため、早いうちから運用して資金を膨らませておきましょう。
金融庁の資産運用シミュレーションで計算すると、仮に大学の教育にかかる費用を700万円として15年間・5%で運用した場合、毎月約26000円の積立金額になります。もし700万円を15年間現金で積み立てたとすると、毎月約39000円が必要になるので、その差は大きいです。
まとめ
今回は教育にかかるお金の不安について、どのように考えていったらよいのかを解説しました。漠然と不安を抱えるのではなく、必要資金から逆算してコツコツ対策していきましょう。
出典
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します
株式会社日本政策金融公庫 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少 ~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」~
金融庁 資産運用シミュレーション
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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