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現在45歳で、平均年収400万円。定年まで給料が上がらない場合、将来の年金受給額は?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月5日 3時10分

現在45歳で、平均年収400万円。定年まで給料が上がらない場合、将来の年金受給額は?

日本の総人口1億2471万人(2022年9月時点推計)に対し、65歳以上の人口は3627万人、総人口に対する高齢者率は29%と、今の日本は10人中約3人が65歳以上の高齢者という状況です(※1)。   長寿社会を迎え、何歳まで生き、誰とどのような生活を送るのかなど不安が募ります。また、老後の生活費はどのくらいかかるのか、どのくらいの貯蓄が必要かなど心配ごとは尽きません。   今回は、老後の生活費を支える公的年金について、会社員の年金はどのくらいもらえるのかについて、具体例を用いながら説明します。

公的年金制度の仕組みは

公的年金制度は「国民皆年金」で、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2階建て構造になっています(※2)。
 
また、公的年金制度は「世代間扶養(賦課方式)」となっており、現役世代が支払った保険料(+年金積立金+税金)を、高齢者などの年金給付に充てるという考え方で運営されています。
 
公的年金の保険者は、
 

(1)第1号被保険者(毎月定額の保険料を納める自営業者やフリーター、学生など国民年金の加入者)
 
(2)第2号被保険者(毎月定率の保険料を会社と折半で負担し、毎月の給料から天引きされる厚生年金・共済年金の加入者、会社員や公務員等)
 
(3)第3号被保険者(個人としては保険料を負担する必要のない専業主婦など扶養されている人)

 
に3分類されます。
 
そして原則65歳より、要件を満たしたすべての人が「老齢基礎年金」を、厚生年金に加入していた人はそれに加えて「老齢厚生年金」を受け取ることができます。
 

厚生年金の内容は

厚生年金保険の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に同様の保険料率(18.3%で固定)をかけて計算され、事業主と被保険者で折半します。
 
「標準報酬月額」は、1等級(8万8千円)から32等級(65万円)までの32等級に分かれ、毎年9月に4月から6月までの報酬月額(通勤手当などを含む)を基に「定時改定」が行われます。
 
平成15年4月以降は標準報酬月額と標準賞与額が合計され「標準報酬額」となり、65歳から老齢厚生年金として「平均標準報酬額」で計算された金額を受給することができます。
 
※平均標準報酬額=被保険者であった期間の標準報酬額の合計/その期間の月数
 

厚生年金の受給額は

老齢厚生年金の受給額は、65歳から受け取った場合、次のようになります。
 
老齢厚生年金の受給額=報酬比例部分(+経過的加算+加給年金額)
 
「報酬比例部分」の計算式は、
(1)平成15年3月以前の加入期間については
平均標準報酬月額(給与)×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数
(2)平成15年4月以降は
平均標準報酬額(給与+賞与)×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数
となり、(1)+(2)の合計が「報酬比例部分」の年金額になります(※3)。
 
※昭和21年4月1日以前に生まれた方は、給付乗率が異なります。
 
なお、「経過的加算」は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分と厚生年金に加入していた期間における老齢基礎年金との差額で老齢厚生年金に上乗せされます。
 
また「加給年金」とは、厚生年金の被保険者期間が20年以上あり、65歳に到達した時点で被保険者に扶養される子(18歳に到達した直後の3月31日までの間)や配偶者(65歳未満)がいる場合に支給されます。
 

厚生年金の受給額の具体例として

会社員Aさんは、20歳でB社に入社しました。65歳の定年まで45年間(540ヶ月)勤務し、平均年収は400万円(月収約34万円)とします。この場合、年金がいくら受給できるのか計算してみましょう。
 
「平均標準報酬額」を34万円として平成15年4月以降の計算式で計算してみると、老齢厚生年金の「報酬比例部分」の年金額は概算で、平均標準報酬額(34万円)×5.481/1000×540ヶ月で約101万円となります。
 
単純に計算しましたが、実際は毎年の再評価率の違いで標準報酬額が異なります。
 
この年金額が「従前額保障(平成6年の水準の標準報酬を再評価し、年金額を計算)」の年金額を下回る場合は、従前額保障の年金額が「報酬比例部分」になります。
 
報酬比例部分の101万円に合わせて、国民年金を40年掛けて、満額約78万円受給すると、合計の年金額は179万円(月額15万円)となります。仮に男性の平均寿命(82歳)まで17年間受給したとすると、合計で3043万円受給することになります。
 

まとめ

思ったより受給額が少ないと思われるかもしれませんが、保険料を企業が半分負担し、終身でもらえ、インフレにも対応している公的年金は大切な老後の生活資金です。
 
年金の受給額などの情報は、毎年送られてくるねんきん定期便でチェックし、分からないところやおかしな点があれば年金事務所に問合せしましょう。
 

出典

(※1)総務省統計局 「敬老の日」にちなんで-/1.高齢者の人口

(※2)厚生労働省 公的年金制度はどのような仕組みなの?

(※3)日本年金機構 は行 報酬比例部分

 
執筆者:小久保輝司
幸プランナー 代表

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