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夫婦における子どもの数は、3人以上の割合が減り、0人や1人の割合が増えている

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月5日 4時30分

夫婦における子どもの数は、3人以上の割合が減り、0人や1人の割合が増えている

少子化対策や子育て支援策などの話題が広く取り上げられるようになっていますが、なぜ少子化となっているのか、少子化を止めるにはどうすればいいのか、人それぞれ、さまざまな意見があると思います。   そこで前回に引き続き、政府の「こども政策の強化に関する関係府省庁会議」において参照された資料として、どのようなデータが用いられているのかをみていきます。

出生率の推移

令和5年(2023年)2月28日、厚生労働省は令和4年(2022年)の人口動態統計速報を公表しました。報道などで話題にもなりましたが、出生数は前年と比べて4万3169人減少し、79万9728人と統計開始以来、初めて80万人を割り込みました。一方、死亡数は158万2033人で、前年から12万9744人増えて過去最多となったようです。
 
この結果、1年間の自然増減数は78万2305人と過去最大の減少、生まれた子どもの数に対して亡くなった方の数はおおよそ2倍になっています。
 
図表1のグラフは、出生数と合計特殊出生率の推移を示したものです。令和4年(2022年)の出生数は10月までのデータとなっていますが、先に述べたように、12月までの速報値では79万9728人です。
 
図表1
〇出生数、合計特殊出生率の推移
 

 
出典:内閣官房こども家庭庁設立準備室 「こども・子育ての現状と若者・子育て当事者の声・意識」
 
出生数の傾向としては、いわゆる第2次ベビーブームの1971年から1974年までの期間を境に減少していることが分かります。第2次ベビーブームで出生数が多かったわけですから、通常、その子どもも多いはずだと思いますが、第2次ベビーブーム世代が30代になった2000年付近の出生数をみても減少傾向が続いています。
 
そして、日本経済がバブル崩壊を経験した平成以降に生まれた子どもが親世代となり、出生数が統計開始以来の過去最少を更新して、初めて80万人を割り込んだというのが現状です。
 

夫婦における出生子ども数の分布

前回は、こども政策の強化に関する関係府省会議の資料から「家族の姿の変化」についてのデータを確認しましたが、今回は「夫婦の出生こども数分布の推移(結婚持続期間15~19年)」を参照します。
 
図表2のグラフは、結婚持続期間が15~19年間の夫婦について、子どもの数がどのように推移しているかを示したものです。
 
図表2
〇夫婦の出生こども数分布の推移(結婚持続期間15~19年)
 

 
出典:内閣官房こども家庭庁設立準備室 「こども・子育ての現状と若者・子育て当事者の声・意識」
 
1987年から2015年のデータですが、子どもがいない夫婦の割合は1987年以降、増加していることが分かります。また、子どもの数が1人の夫婦の割合も1987年は9.6%でしたが、2015年では18.6%に増えています。
 
一方、子どもの数が2人の夫婦の割合は、1987年は57.8%、2015年は54.0%とそれほど大きな変化はなく、子どもが3人、4人以上の夫婦はいずれも減少傾向がみられます。
 
子どもの数が0人、1人の夫婦は増加傾向、逆に3人、4人以上の夫婦は減少傾向にあり、子どもの数が2人の夫婦の割合はあまり変わっていません。
 

まとめ

上記グラフは、出生数が減っていることを示すデータとして、その因果関係を探るうえで有効かもしれません。
 
なぜ、子どもの数が0人や1人の夫婦が増え、逆に3人や4人以上の夫婦が減っているのか。また、なぜ子どもの数が2人の夫婦の割合は、それほど変わっていないのでしょうか。
 
価値観の変化なのかもしれませんし、制度上の変化、経済的な変化に影響を受けているのかもしれません。さらに、個々の夫婦を取り巻く環境、例えば、住環境や働き方といった暮らしに関わる要素が変化したことも考えられるでしょう。
 
少子化が進んでいることは、ここまでみてきたデータから一応は確認できますが、少子化の原因については一つではなく、複数の要素があるのではないでしょうか。
 
少子化という現象について、国の政策としては全体をみながら解決していくことになるかと思いますが、私たち一人ひとりにおいては、生き方、つまり、どのような人生設計を描くかによって子育ての対応が決まってくるのかもしれません。
 

出典

厚生労働省 人口動態統計速報(令和4年12月分)

内閣官房こども家庭庁設立準備室 こども・子育ての現状と若者・子育て当事者の声・意識

 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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