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娘が20歳に。学生の間は年金を肩代わりしようとしていますが、本人以外が年金を納めてもいいのでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月6日 0時20分

娘が20歳に。学生の間は年金を肩代わりしようとしていますが、本人以外が年金を納めてもいいのでしょうか…?

収入の少ない子に代わって、年金を肩代わりすることを考えている方もいらっしゃるかと思います。このとき、「本人以外が年金を納めてもよいのか」「手続きはどうすればよいのか」と悩まれることも多いのではないでしょうか。そこで今回は、本人以外が年金を納めることの可否やその手続きについて解説していきます。

国民年金の加入要件を確認

まだ学生であっても、国民年金に加入し、保険料を支払わなければならないものなのでしょうか。
 
この点、国民年金は日本に居住する20歳以上60歳未満の方に加入が義務付けられており、収入の有無や職業は要件となっていません。自身の子がまだ学生であっても、20歳になったら国民年金の保険料を納めなければなりません。
 

家族が本人の年金保険料を肩代わりしてもよい

意外に思われるかもしれませんが、国民年金保険料を家族が肩代わりして支払っても問題はありません。本人のみ支払い可能という規定や、親や家族は支払ってはいけないという規定は存在しないからです。したがって、まだ学生である娘の年金保険料を親が支払っても問題はありません。
 
なお、学生であれば学生納付特例制度によって支払いを猶予することも可能です。親が支払うことが難しい場合は、この学生納付特例制度を利用するのが有効です。
 

子どもの年金保険料を肩代わりすることで節税効果も

国民年金保険料は、支払った全額について社会保険料控除という所得控除を受けることができます。社会保険料控除は自身の分だけではなく、家族のために支払った分も含めて計算されます。大学生の娘の国民年金保険料を支払った場合、その全額が親の所得控除となり大変お得です。
 
仮に年収600万円で所得税20%の方が令和4年度の1年間分、子どもの国民年金保険料(1ヶ月あたり1万6590円)を代わりに支払った場合、所得税は4万円ほど、住民税は2万円ほどの節税効果を得られます。子どもの年金保険料を親が支払うことは親にもメリットがあり、前向きに検討していきたい節税策の一つになります。
 
ただし、所得控除を受けるためには親が子どもの分の国民年金保険料の控除証明書を添付し、年末調整ないし確定申告を行う必要があります。支払ったら自動で控除されるわけではありませんので、ご注意ください。
 

年金保険料の肩代わりは贈与に該当するのか否か

少し税金に関する知識がある方は、「子どもの年金保険料を肩代わりすることは贈与に当たるのではないか」と考えることでしょう。基本的に、年間110万円を超える贈与があれば、贈与を受けた側は贈与税を納めなければなりません。
 
この点、国民年金保険料の肩代わりは贈与に該当しないものと見なすことができます。親は子の扶養義務者であり、子が親から教育費や生活費を受け取っても、通常それは非課税とされるためです。国民年金は20歳以上の全ての国民に加入が義務付けられており、通常の生活に必要な支出といっても差し支えがありません。
 
このような理由から、子の国民年金保険料を親が肩代わりしても贈与税の対象とはならないのです。
 

親が子の年金保険料を肩代わりすることは積極的に行ってよい

親が子の年金保険料を肩代わりすることは、子の負担が一時的に減るだけでなく親の節税にもつながります。どの道支払うのであれば、一度親が肩代わりし、子どもが学校を卒業して就職した後に返してもらう方が、家計においては良い影響をもたらします。
 
これほど効率的に節税ができる手法は、他にそうそうありません。もし、子が学生で親の資金力に余裕があれば、節税も兼ねて子どもの年金保険料を親が代わりに納めることも検討してみてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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