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年金が絶対に破綻しないのは「国が損する」から? 理由を解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月8日 1時40分

年金が絶対に破綻しないのは「国が損する」から? 理由を解説

世界に類を見ないスピードで進む日本の少子高齢化。このまま進むと、現在の公的年金制度は破綻するのではないかと、不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。   現在の公的年金制度は、現役世代が高齢者の年金を負担する財政方式(賦課方式)であるため、少子高齢化は今後の年金制度へ多大な影響を与えます。しかし、年金制度はほぼ100%の確率で破綻しないと考えられます。今回は、年金制度が破綻しないと言われる理由について解説します。

破綻するほうが国にとって損なため

そもそも、公的年金制度への加入は国民の義務です。万が一、滞納が発生すれば差し押さえを行って必ず納めさせています。つまり、強制的に公的年金保険料を徴収している仕組みです。
 
しかし、いざ年金を受給する年齢になった際に破綻してしまっていたら、多くの国民は許さない思いを抱き、集団訴訟により強制的に年金の請求を行うなどの行動に出るでしょう。また、年金制度の破綻により生活ができなくなる人が増えれば、生活保護受給者も増加します。
 
結果的に年金制度の破綻以上に苦しい状況になり得ます。そのため、年金制度を破綻させないように国が動くのは当然です。
 

年金積立金があるため

現在の年金制度は、現役世代が納めた保険料を高齢者などの受給世代に支払うことを基本とした、財政方式(賦課方式)です。もしも、賦課方式のみでの支払いが厳しくなった場合は、積み立てを行っていた積立金を基に年金の支払いを行います。
 
少子高齢化が著しい現代は、現役世代複数人で1人の高齢者を支えている状況が続いています。今後、さらに少子高齢化が進めば、一段と現役世代の負担が増えていくことになり得るでしょう。
 
それでもなお、年金が破綻しない理由は「積立金」があるためです。積立金は、現在発生している過剰分を基に運用を行い、財源を増やしています。
 

マクロ経済スライドによる安定

少子高齢化が進むと、保険料を支払う現役世代が減る一方で年金を受給する高齢者が増えます。その結果、賦課方式のバランスがとても悪くなってしまいます。現役世代の負担が一定以上に増えないよう、賃金スライド・物価スライドのスライド率を調整する仕組みがあり、これが「マクロ経済スライド」です。
 
マクロ経済スライドにより長期的な年金制度の見通しを立て、制度そのものを維持できるようにしています。また、長期的な見通しも5年おきに行い(財政検証)、年金制度の維持を行っています。
 

年金制度の今後の展望

現在、年金を納めている世代は10年以上の加入によって受給権を得ます。その人たちは、ほぼ100%の確率で年金を受給できると考えて良いでしょう。
 
しかし、今後は年金制度が破綻する可能性も否定できません。これから生まれてくる世代は、年金制度をあてにできない時代が訪れるかもしれません。また、年金こそ受給できても、満足な生活を送れるほどの金額を得られない時代がくるかもしれません。
 
年金制度において「支払ったのに支払われない」となる可能性は限りなく低いです。とはいえ、貯蓄や投資、私的年金の利用などでの備えも行っておいたほうが懸命でしょう。
 

出典

厚生労働省 知っておきたい年金のはなし
厚生労働省 教えて!公的年金制度 公的年金制度はどのような仕組みなの?
日本年金機構 マクロ経済スライド
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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