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【公的介護保険】小規模多機能型居宅介護ってどんなサービス? 料金は?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月9日 9時0分

【公的介護保険】小規模多機能型居宅介護ってどんなサービス? 料金は?

地域密着サービスの「小規模多機能居宅介護」をご存じでしょうか。このサービスは、通いや訪問、宿泊などを組み合わせて、居宅介護を支えるために必要な支援をします。   本記事では、この便利なサービスを解説します。

小規模多機能型居宅介護とは

「小規模多機能型居宅介護」は、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への随時「訪問」を組み合わせ、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで入浴や排せつ、食事などの介護や日常生活上の世話、機能訓練などのサービスを提供します。
 
このサービスは地域密着型のサービスに位置づけられていますので、事業者が所在する市区町村に居住する要介護者だけが原則利用できます。要支援者の人は「介護予防小規模多機能型居宅介護」を利用できます。
 
3つのサービスに利用回数の制限はありませんが、1事業所の登録定人数は29名以下、通いサービスの定員数(1日あたり)は原則15名以下、宿泊サービスの定員数(1日あたり)は9名以下となっています。そのため、利用したいときにサービスの定員数を超えていると利用ができませんので注意しましょう。
 
小規模多機能型居宅介護は「訪問看護」「訪問リハビリ」「福祉用具貸与・購入」「住宅改修」と併用できますが、「通所介護」「通所リハビリテーション」「訪問介護」「訪問入浴」「短期入所生活介護」「短期入所療養介護」は併用できません。
 
これらの併用できないサービスを利用している方は、サービス事業者と契約を解除する必要があります。また、なじみのあるケアマネジャーも、小規模多機能型居宅介護のケアマネジャーに変更することになります。
 
料金は1ヶ月単位の定額制です。サービスの利用回数が少ない場合、通所介護(デイサービス)や短期入所生活介護(ショートステイ)などと、個別に契約したときより費用が高くなる可能性がありますので注意しましょう。
 
なお、体調が不安定で、医療ケアが必要な方(要介護1以上)は、訪問看護を組み合わせた「看護小規模多機能型居宅介護」の利用をおすすめします。
 

小規模多機能型居宅介護を利用するメリット

居宅介護サービスの「訪問介護」や「通所介護」「短期入所生活介護」を利用する場合、異なった事業所の異なったスタッフからサービスを受けることになります。
 
一方、小規模多機能型居宅介護では、「通い」「訪問」「泊まり」のすべてのサービスを顔見知りのスタッフが行うため、利用者は安心して支援を受けることができます。環境の変化を嫌う認知症の方も安心かもしれません。
 
また、365日、24時間いつでも心身の状況や希望に応じてサービスを受けることができます。決められた曜日や時間でなくても利用できます。通所介護・訪問介護と違って回数や時間の制限もありません。利用者の定員数が少ないためきめ細かいサービスが期待できます。
 
また、少人数のため家庭的な雰囲気のなかでスタッフやほかの利用者と顔なじみの関係を築くことができ、リラックスしてサービスを受けることができるかもしれません。
 
契約が1回で済みますし、本人の状況や家族の希望に合わせて臨機応変にサービスが利用できることで、介護者の負担を減らすことができる点もメリットです。仕事と介護の両立に役立ちます。
 
ただし、サービスに不満があっても、その部分だけの変更はできない点は知っておきましょう。
 

小規模多機能型居宅介護の料金

小規模多機能型居宅介護の料金は要介護度による月単位の「定額制」です。「通い」「訪問」「泊まり」のサービスを何回利用しても料金は変わりません。これ以外の滞在費、食費、おむつ代などは保険給付の対象外ですので自費(全額自己負担)になります。
 
なお、サービス付高齢者住宅、養護老人ホーム、軽費老人ホームに住んでいる方が、同一建物に居住する方が利用する場合と、それ以外の方に対して行う場合で料金が異なります。

〈介護サービス費の利用料金例〉

小規模多機能型居宅介護費(ひと月につき)の1割負担の目安
 
・同一建物に居住する者以外の者に対して行う場合
要介護1:1万423円
要介護2:1万5318円
要介護3:2万2283円
要介護4:2万4593円
要介護5:2万7117円
 
*1単位:10円で計算
*食費、宿泊費、日常生活費などは全額自己負担

以上はあくまで目安です。利用を検討している方はぜひご自身で確認してみましょう。
 

出典

厚生労働省 小規模多機能型居宅介護
厚生労働省 介護報酬 4.介護報酬の算定構造
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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