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新人は「朝イチで出社してみんなの机を拭くもの」って本当ですか? その分のお給料は出ないんでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月10日 2時30分

新人は「朝イチで出社してみんなの机を拭くもの」って本当ですか? その分のお給料は出ないんでしょうか…?

4月から新社会人になるにあたり、両親など上の世代から、「新人は誰よりも早く出社してみんなの机を拭くもの」と聞いたものの、実際はどうなのかと思っている人もいるのではないでしょうか。また、掃除とはいえ、始業前に出社してとなると、その分の給与は支払われるのかも気になるでしょう。   本記事では、始業前に出社して掃除する場合の給与の考え方やその他に想定される問題について解説します。

始業前の掃除が会社からの指示なら給与は発生する

新人が朝1番に出社してみんなの机を拭くという光景は、かつてはよく見られたものかもしれません。しかし、令和の時代では、さまざまな理由から、問題視される傾向にあるでしょう。
 
1番は給与の問題です。始業時刻前に職場のみんなの机を拭くのは、清掃という作業です。新入社員の立場からすると、業務とは違うのかもしれないと思ってしまうかもしれません。始業時刻前の清掃が、労働時間にあたるかどうかは、それが「会社からの指示かどうか」で決まります。
 
厚生労働省による「社会人として働き始めてからの労働法」では、労働時間=「明示・黙示を問わず、使用者の指揮命令下にある時間」と定義しています。また、「作業前の準備や作業後の片付け・掃除などしている時間」も、使用者の指揮命令下にあるならば、労働時間に含むのが通常です。
 
つまり、始業時刻前に出社してみんなの机を拭くことが強制やルールではなく、本人の自発的な意思で行っている場合には、労働時間には該当しません。しかし、上司から、「8時半には出社して9時の始業時刻に間に合うように、みんなの机を拭いておくこと」などと指示された場合には、それは実質会社からの命令ですので、掃除の時間も労働時間となり給与が発生します。
 
また、厚生労働省の資料には「明示・黙示を問わず」とありますので、明確な指示がなかったとしても、暗黙の了解として新人を始業前に出社せざるを得ない状況にしているのならば、同様に労働時間となります。
 

給与以外に想定される2つの問題

新人が始業時刻前に出社するのがルールとなっている場合、給与以外にも想定される2つの問題があります。
 
まず、会社がフレックスタイム制を導入しているときには、制度が使えなくなります。フレックスタイム制とは、簡単に言うと「会社が定めた、1ヶ月以内の一定期間(清算期間)の総労働時間の枠内で、労働者が1日の出退勤時間や労働時間を自主的に決められる制度」です。しかし、毎朝始業時刻の30分前に出社するように言われると、それが縛りとなりフレックスタイム制を使えません。
 
次に、新人の中でも机拭きを女性など、特定の性別だけに指示するのも問題です。男女雇用機会均等法では、配置(業務の配分及び権限の付与を含む)に関しても、性別を理由とする差別を禁止しています。すなわち、女性の新入社員にのみ、通常の業務に加えて、お茶くみや掃除当番などの雑務を行わせるのは均等法に違反します。
 

新人だからといって早く出社して机を拭く義務はない

新人だからといって、始業時刻前に出社して掃除をする義務は本来ありません。会社のルールとして指示された場合、掃除の時間も労働時間に含まれることを覚えておきましょう。
 
強制されているのに労働時間として扱われないなど、本記事で述べたような問題に悩んでいる場合には、我慢せずに先輩社員や人事部などに相談しましょう。
 

出典

厚生労働省 社会人として働き始めてからの労働法 第2章テーマ⑤労働時間
厚生労働省 男女雇用機会均等法のあらまし
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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