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「高卒」での就職を考えていますが、やっぱり「大学」って行ったほうがいいんですか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月10日 2時20分

「高卒」での就職を考えていますが、やっぱり「大学」って行ったほうがいいんですか?

日本では、大学を卒業してから就職する人も多いです。しかし、経済的な余裕がないなどさまざまな理由で、高校卒業後に就職しようと考える人もいるでしょう。そのような人でも、大学は行っておいた方がよいと周囲に言われるケースもあるようです。   今回は、高卒と大卒とでは、賃金の面などにどのような違いがあるのかを、統計を用いながら解説します。

学歴による賃金の違い

厚生労働省の公表している「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、高卒の人の1ヶ月の平均賃金は27万3800円となっています。一方で、大卒の人の平均賃金は36万2800円です。高卒と大卒とでは、毎月の給料が10万円近くも違うことになります。
 
男女別では、高卒の男性の1ヶ月の平均賃金は29万7500円と平均と比べ2万円ほど多くなりますが、女性は22万2900円と5万円ほど低くなっています。また、大卒の男性は39万2100円と月収40万円に迫る金額です。大卒の女性は29万4000円と高卒の男性とほぼ同額となっています。
 

・専門学校や高専・短大の賃金

高校卒業後の進路は、4年制の大学に限定されません。同調査によると、専門学校卒の人の1ヶ月の平均賃金は29万4200円となっています。また、高専・短大卒の人は29万2500円となっており、専門学校卒と高専・短大卒との間には、賃金に関してはさほど大きな差はないようです。
 

生涯賃金も大きく異なる

独立行政法人である労働政策研究・研修機構では、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 結果の概況」をもとに生涯賃金を求め「ユースフル労働統計」として公表しています。これによると、1人の労働者が生涯にわたって得る賃金の総額である生涯賃金は、高卒の男性は2億1000万円、女性は1億5000万円と算出されています。
 
一方で、大学・大学院卒の男性の生涯賃金は2億7000万円、女性は2億2000万円です。また、高専・短大卒の男性は2億2000万円、女性は1億8000万円となっています。いずれも、学校卒業後、フルタイムの正社員で60歳まで働き続けた場合の生涯賃金です。
 
これらのデータから、一生で稼げるお金に関しても、やはり、高卒よりも大卒の方が多いといえるでしょう。
 

賃金以外の違いとは

高卒は、大卒と比較して、早く働き始められるメリットがあります。しかし、正社員として働き続ければ、高卒の生涯賃金は大卒と比べると低くなる傾向は否定できません。
 
ただし、早めに社会へと出て経験を積み独立することで、結果的には大きな収入を得られる可能性があるでしょう。独立志向が強いのであれば、高卒で働き始めることが、むしろ有利に働くケースも多々あります。
 
一方で、進学には選択肢の幅を広げられるメリットがあります。高校卒業後、2~4年ほどの期間を使い、勉強をしながら将来について考えることで、より世界が広がる可能性があるでしょう。
 
将来どのようになりたいのか、人生設計をどのように描いているのかにより、高卒での就職か、それとも進学を選ぶのかが変わってくるといえそうです。
 

賃金は大卒が有利だが高卒はいち早く社会人となれるメリットもある

毎月の給料や生涯賃金に関しては、高卒よりも大卒の方が有利である点は、統計からも否定はできません。毎月の賃金は10万円ほど、生涯賃金は6000~7000万円ほども差があります。
 
しかし、高卒の人は大卒の人と比べて、早くに就職や自立が可能です。経験を長く積めることから、将来的な独立には有利に働くケースもあるでしょう。自分の将来設計やビジョンを明確にすることが、適切な選択へとつながります。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
独立行政法人労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2021 生涯賃金など生涯に関する指標
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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