令和5年度の主な「税制改正」をまとめてみた! 子育て・福祉・年金にかかる税負担はどう変わる…?
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月8日 2時40分
令和5年度も、さまざまな部分で税制改正がなされます。この改正は、さまざまな面から私たちの税負担に影響を及ぼします。 そこで、令和5年度税制改正の中から、厚生労働省の管轄である、私たちの子育てや福祉、年金に関する部分について簡潔にまとめてみました。
国民健康保険税の見直し
令和5年度の改正で最も気になる点に、国民健康保険税の見直しがあります。国民健康保険税は、課税限度額と軽減判定所得が見直されます。具体的には、これまで年間で102万円だった限度額が、2万円引き上げられて104万円となります。
また、軽減判定においては、保険税の5割軽減の対象について、被保険者などの数に乗ずべき金額が、現行の28万5000円から29万円に引き上げられます。2割軽減の対象については、被保険者などの数に乗ずべき金額が、現行の52万円から53万5000円に引き上げられます。
特別法人税の停止期間の延長
企業年金などの積立金は本来、特別法人税によって1.173%課税されます。しかし、金融市場の動向や景気の動向などを鑑み、平成11年度より特別法人税は適用が停止されていました。
今現在の停止期間は令和4年度末までだったのですが、それが3年間延長されて令和7年まで、特別法人税の適用は停止されることになりました。
多くの方が「iDeCoは受け取り時まで課税されない」と思っているかもしれませんが、個人が加入するiDeCoは、特別法人税による課税対象です。今回は停止が継続されましたが、いつか特別法人税が復活して、勤務先の企業年金から受け取れる年金額が予定より減少したり、iDeCoの税負担が増えたりするなど、老後の年金の手取り額が減少する可能性があります。
ひとり親世帯への支援
ひとり親世帯への支援として、母子父子寡婦福祉法に基づく高等職業訓練促進給付金について、引き続き非課税とし、差し押さえも禁止とする予定となっています。
また、ひとり親家庭住宅支援資金貸付金制度によって居住費の貸し付けを受けた場合、1年間の就業継続で返済免除がなされるのですが、その際の免除額については非課税措置が継続されることになりました。
これらは変更ではなく継続になりますが、ひとり親で子育てを行う世帯への重要な支援といえます。
自立支援資金貸付事業における債務免除額への非課税を継続
児童養護施設退所者等自立支援資金貸付金制度によって、児童養護施設などを退所し就職や進学する方に対しては、居住費や生活費、資格取得費の貸し付けがされています。
居住費と生活費については5年間の就業継続で、資格取得費は2年間の就業継続で返済が免除されるのですが、その免除額に関しては引き続き非課税とされます。
認可外保育施設の利用料の消費税に対する非課税措置の拡充
これまで指導監督基準を満たす認可外保育については、その利用料の消費税が非課税とされていました。その非課税の対象範囲が拡充されました。
これにより、認可外保育施設への選択肢が多少広まることが期待されます。
生活困窮者住居確保給付金の非課税と差し押さえ禁止
住まいを失うおそれのある生活困窮者に対して給付される生活困窮者住居確保給付金について、引き続き非課税扱いとし、差し押さえを禁止することとされました。
また、職業訓練給付金との併給が恒久化され、児童扶養手当など特定の目的のために給付される手当は給付金の基準となる収入から除外されるなど、制度がより広く利用できて、困窮者の生活再建に資するようになりました。
令和5年度は子育てや福祉、年金の税負担が一部軽減されます
令和5年度も社会情勢の変化に応じて、子育てや福祉、年金の分野で税負担が軽くなるように税制が改正される見込みです。
税制の改正について知ることで、日々生じる税の負担が軽くなったり、生活が楽になったりすることもあります。税制については、自ら学ばなければ知ることができないことも少なくありません。
今回紹介したこと以外にも、税制改正の内容は多岐にわたります。知らず知らずのうちに損をしないよう、税制改正の内容については毎年、可能な範囲でチェックをしておくようにしてください。
執筆者:柘植輝
行政書士
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
一人暮らしで月6万8000円の年金から天引きされるお金はいくら?
オールアバウト / 2024年11月21日 20時30分
-
「食費1日700円」まで切り詰めても国保料6万8000円が払えない…6人家族を苦しめる「国民健康保険」の重い負担
プレジデントオンライン / 2024年11月21日 16時15分
-
来年50歳、退職してフリーの営業代行を始める予定です。国民年金のみになるので年金が減るのが心配…… 年金を増やすために、iDeCoと国民年金基金どちらが有利ですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月18日 9時20分
-
定年まであと10年。金銭面で老後の生活に不安を感じています。今から将来の年金受給額を増やす方法はありますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月13日 22時0分
-
控除可能な範囲を超えるとただの支出になる…? 住宅ローン控除、iDeCo、ふるさと納税、税制優遇制度を併用する場合の優先順位
MONEYPLUS / 2024年11月1日 11時30分
ランキング
-
1ローソンストア100「だけ弁当」第12弾は「イシイのミートボール」とコラボした「だけ弁当(イシイのミートボール)」
食品新聞 / 2024年11月23日 20時40分
-
2副業を探す人が知らない「看板広告」意外な儲け方 病院の看板広告をやけにみかける納得の理由
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 19時0分
-
3【独自】所得減税、富裕層の適用制限案 「103万円の壁」引き上げで
共同通信 / 2024年11月23日 18時57分
-
4「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月24日 8時0分
-
5《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン / 2024年11月23日 16時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください