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投資信託で全世界株式へ投資するなら日本は含む? 除く?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月9日 23時40分

投資信託で全世界株式へ投資するなら日本は含む? 除く?

投資信託で世界の株式へ広く分散投資することを考えたとき、日本を含めた全世界とするか、それとも日本を除くか悩まれる方もいると思います。   両者の違いを説明するとともに、日本株をどうするか考えていきます。

全世界株式で日本株を含む場合と除く場合ではどう違う?

投資信託で全世界の株式に分散投資できる商品は、日本を含む全世界株式と、日本を除く全世界株式に分かれていることがあります。
 
例えば、つみたてNISAでも人気の高い「eMAXIS Slim全世界株式」シリーズの場合、日本を含む商品が「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」で、日本を除いた商品が「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」となります。
 
日本株を含めて投資すべきかどうか、ここでは取扱金融機関が多い上記の2つで比較して考えていきます。まず、主な違いを比較してみると次のようになります。
 
【図表】
●eMAXIS Slim全世界株式

オール・カントリー 除く日本
構成国・地域数 47ヶ国・地域 46ヶ国・地域
純資産総額 7391億円 1857億円
信託報酬率(年率) 0.11% 0.11%
トータルリターン(直近3年)
※2023年3月10日時点
16.65% 16.97%

※筆者作成
 
特筆すべき違いは純資産総額と、直近3年でのトータルリターンです。特にトータルリターンは、日本を除く全世界株式の方がわずかに高く、この点に魅力を感じる方も多そうです。純資産総額に関してはオール・カントリーの方がかなり大きな金額となっており、人気の高さがうかがえます。
 

結局のところ、日本を含むべき? 除くべき?

全世界株式への投資は日本を含むオール・カントリーとするか、日本を除くかは、結局のところ「個人の考え次第で、どちらも間違いではない」といえます。
 
上記表のとおり、純資産総額以外に両者に大きな違いはなく、どちらを選んでも投資によるリスクは排除し切れないのも理由です。また、オール・カントリーの国・地域別構成比率で占める日本の割合は5.4%と、その影響自体も限定的なものです。
 
実際、2023年3月10日時点においては運用利益に大きな差は出ていません。仮に100万円を投資していたとしても、日本を除いた方が3200円多く利益が出ているという程度の差です。
 
これらを踏まえ、自分にとってどちらを選ぶのがいいのかは、例えば下記の2点を軸に決めることが考えられます。

・日本という国の未来をどう捉えるか
・分散投資をどう捉えるか

 

日本という国の未来をどう捉えるか

全世界株式(オール・カントリー)と全世界株式(除く日本)の決定的な違いは、日本株が含まれるかどうかで、将来的に差がついていくとすれば日本の未来によるところが大きくなるでしょう。
 
今後、日本が経済成長していくと考えればオール・カントリーを、その未来が見えなければ日本を除く全世界株式を選択するというのも有効です。
 
日本の現状から未来を見据えると、例えば少子高齢化で人口が減少していくこと、また日経平均株価が30年ほどほぼ横ばいであることから、今後は思うような経済成長が見込めず、日本を除く全世界株式を選ぶ方が将来的に利益を多く得られる可能性も十分あります。
 

分散投資をどう捉えるか

全世界株式の投資信託に投資する理由が、広く世界に分散投資するためであれば、オール・カントリーで日本にも投資するべきでしょう。
 
将来についてはどうなるか分からず、少子高齢化問題が解決したり、経済状況が好転して日経平均株価が右肩上がりとなったりする可能性もあります。また、諸外国の株価が大きく下がる場面において、日本の株価の下落が緩やかで損失が抑えられるということもあるでしょう。
 
ただし、日本円で給与を受け取り、日本円で貯蓄しているということは、日本に投資していると考えることもできます。貯蓄を元本が減少しない投資の一つと捉えた場合、日本株を除いた全世界株式への投資でも分散投資はできていると考えられます。
 
分散投資を意識し、日本株を含めた全世界株式への投資を重視するのであればオール・カントリーが、貯蓄も含めて分散投資と考えるのであれば日本を除く全世界株式が選択肢となるでしょう。
 

まとめ

投資信託で全世界株式へ投資する場合、日本を含む商品と除く商品、どちらを選んでも間違いではないです。
 
投資における選択に絶対はなく、自己責任かつリスクの許容範囲で行わなければなりません。日本を含むか、それとも除くか、全世界株式への投資で悩んだときは両者の違いについて比較し、納得のできる方を選んで投資するようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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