50歳以上は「ねんきん定期便」で受給額が分かる!? ハガキの見方を解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月13日 2時10分
自身の老後の収入を把握するために、毎年誕生月に届くねんきん定期便が役立ちます。ただ「ねんきん定期便の見方が分からない」「読まずに捨ててしまっている」という人もいるのではないでしょうか。 今回は、50歳以上の人に届くねんきん定期便について、必ず見ておくべきポイントを解説します。老後の資金計画を考えるための参考にしましょう。
ねんきん定期便で見るべきポイント
ねんきん定期便は、20歳以上のすべての国民年金・厚生年金加入者に、毎年誕生月に送付されます。35歳、45歳、59歳の人には封書が届き、それ以外の年齢の人にはハガキが届きます。
ハガキに記載される内容は、50歳以上と50歳未満で異なります。何が違うかというと、50歳未満の人は今まで支払った保険料のみで将来受け取ることができる年金額を記載しているのに対し、50歳以上の人は今のまま60歳まで同じ条件で保険料を支払い続けた場合に受け取ることができる年金額を記載していることです。
50歳未満の人は老後までまだ時間があり、本人の働き方や年金制度が変わる可能性も高いため、見込額を算出していません。一方、いよいよ老後が間近に迫ってきた50歳以上の人には、もう状況が大きく変わることはないだろうと仮定して、60歳まで同じ条件で保険料を支払った場合の見込み額を記載しているのです。
本記事では、図表1のような50歳以上の人向けのハガキ型ねんきん定期便について、必ず見るべきポイントを解説します。
【図表1】
日本年金機構 令和4年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方(50歳以上の方)
最近の月別状況
図表1のd、e、f「最近の月別状況です」には、最近13ヶ月分の保険料納付状況が記載されています。この部分に間違いがあると、正しい金額の年金が受け取ることができないので、毎年必ず確認し、万一間違いがあった場合は日本年金機構に問い合わせましょう。
受給資格期間
図表1のi「これまでの年金加入期間」の太枠部分「受給資格期間(a+b+c+d)」は、自身がこれまでに国民年金か厚生年金に加入していた期間を表しています。この期間が120ヶ月に満たないと年金を受け取ることができませんので、老後までに満たすことができるか確認しましょう。
受給資格期間は、保険料を納めていた時期に加え、第3号被保険者だった時期や任意加入だった時期(合算対象期間)も含まれます。
老齢年金の種類と見込額(年額)
ここまで確認できたら、いよいよ図表1のj「老齢年金の種類と見込額(年額)」で、老後に受け取ることができる年金の見込み額を見ていきます。表の右下の太枠の部分が、今後60歳まで同じ条件で加入していた場合に65歳から受け取ることができる国民年金と厚生年金の合計額です。
特別支給の老齢厚生年金は、60歳から64歳の間に受け取れる厚生年金のことです。男性は昭和36年4月1日以前生まれ、女性は昭和41年4月1日以前生まれで、受給資格期間の10年(120ヶ月)を満たし、かつ厚生年金に12ヶ月以上加入している場合に受け取ることができます。
今のままの加入条件であれば、65歳以降は生涯、太枠の部分の金額を受け取ることができる見込みと考えておきましょう。
年金受給を遅らせた場合の年金額
年金の見込み額を見て「思ったより少ない」と感じた人もいるのではないでしょうか。そんな人のために、年金額を増やす方法があります。
それは、年金の受給タイミングを遅らせることです。図表1のcのように、年金受給開始時期を遅らせると受け取ることができる年金額が増加します。最大75歳まで遅らせると、その場合は84%増額し、その金額は生涯続きます。
年金が少なく老後の生活に不安を感じている人は、受給開始時期の変更も検討しましょう。
ねんきん定期便をきっかけに老後の生活を考えよう
50歳以上の人向けにねんきん定期便の見方を解説してきました。まずは自身の年金受給額見込みを確認し、次に自身の1ヶ月あたりの生活費を調べ、受け取ることができる年金で足りるかどうか検討しましょう。
足りない場合、公的年金とは別で老後資金を準備したり、老後の生活費を減らしたりする方法を考える必要があります。先ほど説明したように、年金の受給時期を遅らせて受給額を増やすことも検討してみましょう。
出典
日本年金機構 令和5年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方(50歳以上の方)
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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