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年金受給者ですが、「扶養親族等申告書」ってなんですか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月13日 0時20分

年金受給者ですが、「扶養親族等申告書」ってなんですか?

定年を迎えたことなどから、年金を受給しつつ生活している方もいるのではないでしょうか。そして、状況によっては、扶養親族等申告書の提出が欠かせないこともあります。一方、この書類を送らない場合、人的控除が適用されないことから払う税金が増えてしまいます。   本記事では、扶養親族等申告書とはなにか、対象者などについて詳しくまとめました。

扶養親族等申告書とは

扶養親族等申告書とは、各種控除を受けるために必須な書類の一つです。具体的な使用場面は、公的年金の支払いを受ける際の基礎的控除や人的控除を受けるときなどです。
 
この書類の記入項目として、配偶者や扶養親族等の所得の見積額が挙げられます。ほかにも、配偶者の区分といった収入状況を記入する欄が設けられています。
 
また、扶養親族が海外に住んでいるケースでは、状況に応じて確認書類を添付することが必要です。戸籍の附票の写しなどといった親族関係書類や留学ビザを用いて親族であることの確認が行われます。申告書では、配偶者が国外居住の場合、国外居住の有無欄の非居住者に丸をつけておきましょう。また、配偶者以外の扶養親族で控除を受けるためには、一定の条件を満たすことが必要です。
 
なお、扶養親族等申告書は、毎年9~11月に申告書の提出義務が発生する方へ送られることになっています。提出が求められているのに11月になっても届かないときは、近くの年金事務所へ問い合わせましょう。なお、共済年金を受けている場合は、各共済組合へ書類がないことを相談する必要があります。
 

扶養親族等申告書の対象者

扶養親族等申告書の対象者は、まず、65歳未満で108万円以上の老齢年金を受け取る方です。なぜなら、雑所得としてカウントされる老齢年金は、所得税の課税対象となるからです。なお、老齢年金は、65歳からの老齢基礎年金やこれに上乗せされた老齢厚生年金を含みます。
 
一方、障害年金や遺族年金に税金はかからない仕組みです。所得税がかかる場合、扶養親族等申告書を送ることで、各種控除を受けられるメリットがあります。申告書に提出期限が記載されているので、なるべく早く送るようにしましょう。また、65歳以上で158万円以上の年金を受け取る方も対象者としてカウントされます。
 
一方、扶養親族等申告書を送らなくても問題ない場合もあります。
 
まず、年金をもらっている方が障害者や寡婦に該当していないことが必須です。そのうえで、控除対象となる配偶者または扶養親族がいないことは条件の一つです。ほかにも、退職手当などを受ける配偶者または扶養親族がいない方が当てはまります。上記のケースでは、各種控除を受けることができないため、未提出でも構わないといえます。
 

控除を受ける際、扶養親族等申告書を送ることが必須

医療レベルなどが上がったことから、平均寿命が昔と比べて伸びている日本。2019年に金融庁の報告書による、老後を過ごすためには2000万円の資金が必要という、「老後2000万円問題」が話題になりました。
 
年金受給者も扶養親族等申告書を送っていないと、手元に残るお金が減ってしまうこともあります。多くの老後資金を確保するためにも、扶養親族等申告書が必要かどうか、チェックしてみてください。
 

出典

企業年金連合会 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
日本年金機構 「令和5年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の送付
地方職員共済組合 扶養親族等申告書について
日本年金機構 扶養親族が国外に居住している場合はどうすればいいですか
国税庁 [手続名]公的年金等の受給者の扶養親族等の申告
日本年金機構 老齢年金
金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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