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40歳になったら手取りが「3000円」減った→正体は「介護保険料」!? 全然介護なんて必要ないのに、払う必要はあるの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月13日 2時30分

40歳になったら手取りが「3000円」減った→正体は「介護保険料」!? 全然介護なんて必要ないのに、払う必要はあるの?

40歳を迎えて初めて受け取った給料明細。手取りの金額をみると、なんだか違和感。先月よりも手取りが少しだけ少ないような……? そう思って給料明細を見比べてみると「健康保険料」の控除額が増えています。一体なぜでしょう?   実は増えた健康保険料の正体は、「介護保険料」。満40歳を迎えると新たに介護保険料を納付する義務が生じます。「介護なんてまだ全然関係ないのに、なぜ今から払わなければいけないの?」と感じる人もいるかもしれません。そのような人のために、本記事では介護保険料の仕組みについて解説します。

そもそも介護保険とは?

介護保険とは、高齢者や障害者など介護が必要な人たちが少ない自己負担額で介護サービスを受けられるよう、社会全体で支える仕組みのことです。
 
高齢者自身から徴収する介護保険料の他、40歳から64歳までの人が納める介護保険料により、介護サービスに必要なお金をまかなっています。
 

介護保険料の支払いは満40歳からスタート

介護保険料の支払いは、満40歳になった月から始まります。介護保険料は、健康保険料と一体的に徴収され、国や地方自治体が管理しています。
 

誕生日が1日の人は誕生日の前月から

ただし、誕生日が1日の人は、誕生日が属する月の前月から介護保険料の徴収が始まるので注意が必要です。介護保険料の徴収の開始は「満40歳に達したとき」とされていますが、それは誕生日当日ではなく、誕生日前日を指します。
 
例えば10月2日が誕生日の人は10月から介護保険料の徴収が開始されますが、10月1日が誕生日の人は9月からになります。
 

介護保険料はどうやって払うの?

介護保険制度には、65歳以上の「第1号保険者」、40歳から64歳の「第2号保険者」があり、それぞれ介護保険料の計算方法や徴収方法が変わります。ここでは40歳から64歳の第2号保険者のみについて説明します。
 

会社員の場合

会社員で社会保険に加入している場合、介護保険料は健康保険料と一体的に徴収されます。「労使折半」といって、被保険者と会社で介護保険料を半分ずつ負担するかたちで給与から天引きされます。
 

国民健康保険加入者の場合

自営業や無職の人などで国民健康保険に加入している場合、介護保険料については国民健康保険の保険料と一体的に徴収されます。所得に応じて決まる介護保険料全額を、国民健康保険料とともに納付書などで自分で納める必要があります。
 

介護保険料はいくら払うの?

会社員の場合、納付する介護保険料は、「標準報酬月額」に応じて決まります。「標準報酬月額」とは、報酬区分を等級ごとに分けたもののことで、健康保険や厚生年金の保険料や支給額を決定する際に用いられます。
 

協会けんぽの場合

例えば、協会けんぽの場合、令和5年3月分からの介護保険料率は1.82%です。
 
政府統計調査によると、40歳から44歳の平均標準報酬月額は31万5505円です。協会けんぽが公表している保険料額表によると、東京都の場合、健康保険料は図表1のようになります。
 
図表1
 

 
協会けんぽ 健康保険・厚生年金保険の保険料月額より筆者作成
 
介護保険料がかからない40歳未満の場合、健康保険料の個人負担分は1万6000円です。しかし、40歳を迎えて介護保険料が上乗せされると健康保険料の個人負担分は1万8912円になります。
 
その差は月額2912円なので、手取りにして1ヶ月あたり約3000円減ることになります。
 

介護保険料は将来のための備え

「高齢になってからならまだしも、若いうちから介護保険料なんて払いたくない」と感じる人もいるかもしれません。しかし、高齢化がどんどん進む日本において、介護が必要な人のために必要な財源を確保する必要があります。介護保険料はそのために徴収されるものです。
 
また、いざ自分が高齢になって介護が必要になったときに、少ない自己負担額でサービスを受けるためには、過去に介護保険料を納めている必要があります。
 
負担は増えてしまいますが、将来の備えであることをしっかりと理解し、納得して介護保険料を支払うようにしたいものですね。
 

出典

公益財団法人生命保険文化センター 公的介護保険への加入はいつから? 保険料はどのように負担する?

厚生労働省 介護保険制度について

全国健康保険協会 令和5年度保険料額表(令和5年3月分から)(東京都)

総務省統計局 健康保険・船員保険被保険者実態調査 令和3年10月

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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