40歳で退職し「収入ゼロ」に…!「全額免除」でも年金は受け取れる?
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月13日 10時20分
今まで問題なく年金を払ってきたけれど、退職することが決まり収入がなくなるので年金保険料の納付が難しくなる。仮に今後経済的な理由で納付が困難になり、保険料の免除を60歳になるまで認められたらどうなるのだろうか。そのように疑問を抱く人もいるのではないでしょうか。本記事では、40歳から60歳まで年金を全額免除された場合の年金額について解説します。
免除されても将来の年金額に反映される
会社員などの場合は厚生年金に加入し、保険料は源泉徴収によって給与から天引きされますが、退職すると、原則「国民年金第1号被保険者」となり、保険料を自分で納付します。ただし、経済的な理由で保険料の納付が困難になった際は「猶予」や「免除」を申請できる場合があります。会社員を退職した場合は、「失業等による特例免除」が適用される可能性があります。
免除を希望する場合は、「免除申請書」を住民票のある役所の担当部署(国民年金課など)に提出しましょう。郵送や電子申請で手続きすることもできます。
「年金手帳」や「基礎年金番号通知書のコピー」と「雇用保険受給資格者証」、「雇用保険受給資格通知」または「雇用保険被保険者離職票のコピー」など、雇用保険の被保険者だったことが分かる証明書を提出する必要があります。免除申請をして承認された期間も、年金の受給資格期間に算入されます。
仮に20歳からの2年間は学生納付特例を利用して追納をせず、22歳で就職して40歳まで18年間働いた場合、最低限必要な「10年以上の受給資格期間」を満たしているため、将来全く年金を受け取れないということはありません。
ただ、今後60歳までの20年間全額免除されると、将来反映される年金額は減ってしまいます。
減額されるとはいっても全額免除の場合、保険料を満額払った場合に比べて半分受け取ることができます。保険料を問題なく払っている人からは「たとえ半額でも年金を払っていないのにもらえるなんてずるい! 真面目な人間ほど損をするのか!」といった声が出てくるかもしれませんが、それには誤解があります。
全額免除で保険料を払わなくても、将来半額を受け取れるのは、国民年金保険料を国も半分負担しているからです。年金制度は加入者が払う保険料だけで成り立っているわけではなく、国庫負担金や年金積立金も含めて支えられています。
このような仕組みがあるため、年金を全く払えなくても免除申請して承認されると、その期間分についても半分受け取れるようになっています。
今後20年免除されたら老後いくらもらえる?
では40歳から60歳まで残りの全期間、保険料を全額免除された場合、将来の年金額にはどのくらい影響があるのでしょうか。
老齢基礎年金の部分で考えてみましょう。
年金額は令和5年度時点で「79万5000円×{「保険料納付済月数+(全額免除月数×4/8)+(4分の1納付月数×5/8)+(半額納付月数×6/8)+(4分の3納付月数×7/8)」÷(40年×12月)}」で計算されます。
これまでに納めた期間は22歳から40歳までの18年間で、保険料納付済月数は216月です。今後20年間は保険料を全額免除されるため、全額免除月数は240月になります。
これを上記に当てはめて計算すると「79万5000円×{216月+(240月×4/8)}÷480月=55万6500円(月額約4万6375円)です。
保険料を満額納付した場合は月額6万6250円なので、約2万円減ることになります。減るとはいっても今回の事例では極論、今後年金保険料を全く払えなかったとしても将来年金を受け取れます。そう考えると無視できない存在ですね。
まとめ
現在40歳会社員の人が退職することになり、経済的な理由で年金を払えなくなって仮に今後20年間支払いを免除されたらどうなるのか、年金は受け取れるのかについて解説しました。制度上は受け取れますが、申請手続きを怠ると年金額に反映されなくなる恐れがあります。また、申請して却下された場合は、保険料を納める必要があるので注意しましょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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