【最大84%増額!】年金繰下げ受給のメリットは? 年齢別の割合を解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月13日 22時30分
定年後も働く予定だから、年金の受け取り時期を遅らせたいと考えていませんか? 年金の受け取りは原則65歳ではあるものの、本人の希望によって繰上げと繰下げをおこなえます。繰下げれば大きなメリットを得られるため、申請前に確認しておきましょう。 本記事では、年金の繰下げ受給によって得られるメリットに加え、年齢別の増額割合についても解説していきます。
繰下げ受給のメリットは?
繰下げ受給のメリットは、年金受給額を増やせることです。令和5年度の年金受給額は国民年金加入者で1人当たりの満額が月額6万6250円、厚生年金加入者は夫婦2人分で月額22万4482円です(平均標準報酬43万9000円で40年間就業した場合)。
総務省統計局が発表した令和3年度の家計調査年報によると、無職世帯の消費支出月額は65~69歳で26万1123円、70~74歳で23万9704円、75歳以上で21万24円です。国民年金、厚生年金どちらを受け取っても、毎月赤字となってしまうでしょう。
繰下げ受給をすれば毎月の受給額を増やせるため、赤字なしで生活できるようになるかもしれません。黒字になった分は貯蓄に回したり、老後の趣味や娯楽費用に充てたりすることも可能です。働くことによって得られる収入がなくなる世帯にとっては、大きなメリットだといえるでしょう。
年齢別の増額割合は?
繰下げ受給をおこなった増額分は、繰下げ期間に応じて変わるため割合を確認したうえで、いつ受け取るかを決めるといいかもしれません。ここでは、年齢別の増額割合について解説します。
66~69歳の割合
66~69歳の増額割合は8.4~41.3%です。66歳0ヶ月で請求すれば8.4%増額、69歳11ヶ月のときに請求すれば41.3%の増額となります。
増える金額の計算は、「厚生年金の年額+(厚生年金の年額×増額割合)」で算出できます。平均標準報酬43万9000円で40年間就業した60歳0ヶ月の人と69歳11ヶ月の人を例に挙げてみましょう。厚生年金年額は、令和5年度に夫婦2人が受け取れる年金額を使います。
60歳0ヶ月の場合は増額割合が8.4%、厚生年金額の年額は269万3784円です。269万3784円+(269万3784円×8.4%)=292万61円となります。月々24万3338円となるため、月当たり1万8856円アップします。
69歳11ヶ月の場合は増額割合が41.3%で、「269万3784円+(269万3784円×41.3%)=380万6316円」です。月々の年金受給額は31万7193円で、9万2711円アップします。
70~75歳の割合
70~75歳の増額割合は、42.0~84.0%です。平均標準報酬43万9000円で、40年間就業した70歳0ヶ月の人と75歳の人を例に挙げてみましょう。
厚生年金の年額は、令和5年度に夫婦2人が受け取れる年金額を使います。
70歳0ヶ月の場合は増額割合が42.0%で、「269万3784円+(269万3784円×42.0%)=382万5173円」です。月々の受給額は31万8764円、9万4282円アップします。
75歳の人の場合は、増額割合が84.0%で、「269万3784円+(269万3784円×84.0%)=495万6562円」です。月々の受給額は41万3046円、18万8564円アップします。
年金額が不安な人にも繰下げ受給はおすすめ
年金の繰下げ受給を選択すると、受け取れる額が増えるため、貯蓄に不安がある方におすすめです。増額された金額は一生続きます。貯蓄がほとんどなくても、受け取れる額が多ければ毎月の生活で赤字が出る心配もなくなるでしょう。
75歳まで受給期間を繰下げれば上限の84.0%まで増額されます。働いている間は繰下げをおこない、後々の受給額を増やしましょう。
出典
日本年金機構 年金の繰下げ受給
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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