こんなものも対象!? 知っていると得する医療費控除の対象6選
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月14日 10時40分
「医療費控除の対象となるものって、なにがあるの?」 「医療費控除の算出方法や具体的な金額も知りたい」 ご本人や親族のために医療費を支払ったときに、「医療費控除」を利用できるか検討している方のなかには、このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。 特に昨年、病気やけがで例年よりも医療費をたくさん支払った方にとっては、どのような医療費が控除の対象になるのか、気になるかと思います。 そこで本記事では、医療費控除の対象になるものを6つ紹介します。世間ではあまり知られていない意外な医療費も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
医療費控除額を算出するための計算式
医療費控除とは、病気やけがで医療費を支払った際に受けられる所得控除であり、200万円までと上限が決まっています。
医療費控除の計算式はこちらです。
「(1)実際に支払った医療費の合計額-(2)保険金などで補てんされる金額-(3)10万円(年収200万円未満の方の場合は総所得の5%)」
計算式だけだと分かりづらいので、所得合計金額が700万円以上と仮定して、具体例で紹介します。
●実際に支払った医療費:100万円と仮定
●保険金などで補てんされた金額:10万円と仮定
●所得金額が200万円以上なので、医療費合計額から差し引く金額は10万円
上記の金額で、計算式を基に計算すると「100万円(1)-10万円(2)-10万円(3)=80万円」となります。
所得合計が200万円以上の場合は、支払った医療費(100万円)から「医療費の合計から保険金などで補てんされる金額」と「10万円」が引かれるため、医療費控除額は80万円です。
こんなものも⁉ 医療費控除の対象になる6つの費用
医療費控除の対象になる費用には、意外なものが含まれています。知らないと損をしてしまう可能性もあります。以下に、6つの費用について解説しますので、それぞれみていきましょう。
治療のために薬局で購入した薬代
風邪薬をはじめ、治療や療養のために自分で薬局に出向いて購入した医薬品は、控除の対象になります。
しかし、ビタミン剤などのサプリメントは対象外のため、控除を申請する際には注意しましょう。
治療に必要な松葉づえや義手の代金
治療に必要な松葉づえや義手、眼鏡、義歯などの医療器具も、控除の対象になります。
ただし、控除の対象になるには条件があり、きちんと医師の診察を受けて、「医療通知書」を受けとる必要があるので注意しましょう。
治療のために行ったマッサージの施術代金
交通事故のけがなど、治療目的のマッサージや整体、整骨院の施術は控除の対象として認められています。
しかし、疲れを癒やすリラックス目的で施術を受けるマッサージは、控除の対象外です。
出産の介助代金
自宅・病院問わず、出産のときに助産師から分娩(ぶんべん)の介助をしてもらったときの費用は、控除の対象になります。
さらに、出産で入院する際、電車やバスなど通常の交通手段が難しく、タクシーを利用した場合は、タクシー代も控除の対象になるので、忘れずに申請しましょう。
歯列矯正の代金
子どもの歯やあごの成長を正しく発育させる「不正咬合(こうごう)の歯列矯正」のような、治療目的で行う歯列矯正も控除の対象になります。
そのため、小学生や中学生の歯列矯正は、控除の対象となるケースが多いようです。
ただし、最終的には歯列矯正を受ける方の年齢や矯正の目的をみて、税務署が判断するため、気になる方は事前に税務署に問い合わせてみましょう。
寝たきりの方のおむつ代
病状が悪化し、寝たきりとなってしまった方のおむつ代金も、控除の対象になります。
ただし、控除を受けるには二つの条件があり、傷病によりおおむね6ヶ月以上寝たきり、かつ医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要になってきます。
医療費控除は5年間もさかのぼれる
初めて医療費控除を知った方のなかには「もっと早く、医療費控除について知っておけばよかった」と、後悔している方も少なくないはずです。
医療費控除は5年間さかのぼって申告可能なので、5年以内に支払った医療費ならば控除の対象となるため、安心してください。
過去の医療費をさかのぼって控除を受ける際は「還付申告」として確定申告を行い、控除を受けましょう。
すでに確定申告は済ませたけれど訂正したい方は、確定申告書類の内容を更正する手続きである「更正の請求」を行ったうえで、控除を受けてください。
医療費控除を駆使して、うまく節税しよう
本記事では、医療費控除の対象となる医療費や、計算方法について解説しました。
本記事で紹介したように、一見同じような薬品や医療器具でも、医療費控除の対象になるものとならないものがあるため、申告の際には注意が必要です。
申告前に慌てないためにも、控除の対象となるものについて学ぶところから少しずつ準備を始め、うまく節税していきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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