世界の主要17カ国と比べてわかった!日本の遅れたサラリーマンの小遣い事情
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月15日 10時30分
「また値上げのニュースか……ただでさえ、小遣いを減らされてきついのに……」 「今月、小遣いピンチなのに、部下の送別会があるのか……」 毎月の小遣いをやりくりしている会社員にとって、上記のような悩みはつきないのではないでしょうか? 本記事では、日本人の小遣い事情を紹介し、世界との違いを比較します。最後には、世界の状況をヒントにした小遣いの増やし方を提案します。小遣いにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
日本人の小遣い事情
新生銀行の「2022年会社員のお小遣い調査」によると、男性会社員の小遣い額は昨年比微減の 3万8642 円、女性会社員は昨年比減少の 3万3278 円です。
物価上昇が続いている中、小遣いは男女共に減っているのが現状です。昼食代を節約したり、飲み会の頻度や金額を抑えたりして耐えている姿が見えてきます。
ちなみに、内閣府男女共同参画局の男性にとっての男女共同参画コラム「男女共同参画の男性にとってのメリット」 によると、1991年の小遣い事情は、平均月額約7万6000円と、現在の約2倍の金額です。この30年で驚くほど減少しています。
男性の小遣い事情でいうと、先進国の中では最低水準にあるとの国際比較調査の結果があります。なぜ日本の小遣いは最低水準なのかを調べていくと、財布のひもの握り方に違いがあることが分かりました。
世界の財布のひもを握っているのは誰なのか? 17ヶ国と比較する。
岡本政人「世界と日本の家計管理の実態と動向」(季刊 家計経済研究 第107号)によると、下記の17ヶ国で、家計管理に違いがあると示されています。
オーストリア、オーストラリア、ブルガリア、チェコ、旧西独、旧東独、グレートブリテン、アイルランド、イスラエル、日本、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、ロシア、スウェーデン、スロベニア、アメリカ
この資料を読み解いて、財布のひもの握り方が違うことについて考察します。
日本では妻が管理、世界では共同管理
家計管理の形態として、妻が管理する割合は、日本で55.9%であり、17ヶ国平均の14.9%を大きく上回ります。一方で、17ヶ国平均で最も多い管理形態は、共同管理で52.1%です。日本では、共同管理は世界とは大きな差があり11.2%です(2012年)。
言い換えると、日本では財布のひもは妻が握っており、世界では二人で握っています。国により家計管理の形態は異なりますが、世界的には、それぞれが管理する個別管理の割合が増える傾向にあります。
自由に使えるお金を増やすなら、妻の管理から共同管理へ
共同管理の場合、双方の視点で家計管理を行えます。妻一人の視点で支出が決められるのではなく、二人で相談をして、何が必要で、何が不要かを決めましょう。結果的に、不要なものを排除して、自分の小遣いに充てられるでしょう。
妻に管理を任せていると、夫側からは家計がブラックボックス化され、何にいくら使われているかが分からなくなってしまいます。家計管理に積極的に関わり、世界基準の共同管理を目指してみるといいでしょう。
自由に使える額を増やすにはこの方法!
少し古いデータではありますが、総務省の全国消費実態調査2009年のデータによると、家計に占める小遣いの金額は、夫婦の働き方により異なります。夫婦とも正社員の場合が9万4403円、妻が非正規社員の場合は7万2834円、妻が専業主婦の場合は6万2294円となっています。
家計管理を共同管理にしていくとともに、妻の働きやすい環境が小遣いアップにつながるといえるでしょう。家事や育児に積極的に関わり、妻の働く時間を捻出する努力が求められます。
世界的には、先述したとおり、個別管理に向かっているため、私は私、あなたはあなたと、自立した家族関係になっています。役割分担から、役割共有の家族像へと変化してきているのかもしれません。
まとめ
ここまで、日本の小遣い事情について世界の17ヶ国と比較しながらまとめてきました。小遣いが足りないとお悩みの方は、本記事を参考に、家族会議を開くなどして、どのように家計管理をするかを話し合ってみるとよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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