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65歳で定年を迎えて退職金は「2000万円」。「住宅ローン返済」と「資産運用」のどちらに活用すべき?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月15日 10時40分

65歳で定年を迎えて退職金は「2000万円」。「住宅ローン返済」と「資産運用」のどちらに活用すべき?

長年企業に勤めていた人が定年を迎えると、多くの企業で退職金が支給されます。その退職金をこれからの老後生活の資金作りのために資産運用に充てる方がよいのか、または住宅ローンの完済に充てた方がよいのか、迷う人も多いでしょう。   本記事では、退職金を「資産運用」または「住宅ローンの返済」に使う場合それぞれのメリットとデメリットについて解説します。

退職金の使い道

まとまった額の退職金を受け取ると、何か大きな買い物に使いたくなる人もいるかもしれません。しかし退職金は、収入が減る老後生活において貴重な資産となるため、安易に取り崩さず使い道をしっかりと考えることが大切です。
 
貯蓄する場合などを除いて退職金の使い道には大きく2つがあり、老後生活費を増やすための資産運用と、住宅ローンの完済です。それぞれにメリットとデメリットがあります。
 

退職金で資産運用するメリットとデメリット

65歳で定年退職、または60歳で定年退職を迎えて65歳まで再雇用で働いた後、65歳時点の平均余命は、男性で19.85年、女性で24.73年、つまり男性が約85歳、女性が約90歳までを示しており、20年以上は残されています。
 
また、2019年に金融庁に設置されている金融審議会による市場ワーキング・グループが公表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」では、定年退職を迎えて夫婦がともに仕事を辞めて生活を続けた場合、公的年金だけでは生活費が足りず、その不足額は2000万円になると指摘され、「老後2000万円問題」として話題になりました。
 
このような定年後の生活資金不足への不安から、退職金で資産運用する人も多いでしょう。しかし資産運用にはメリットとデメリットがあります。
 

メリット

新卒から定年まで同じ会社で勤めた場合、退職金の平均額は大企業で約2000万円、中小企業で約1000万円です。これだけまとまった金額ならば、定期預金や生命保険、個人向け国債といったローリスク・ローリターンの投資でも安心してお金を増やすことができます。
 

デメリット

投資には少なからずリスクがあります。株式やFXはハイリスク・ハイリターンといわれるように、高い利益を期待できるものの、大きな損失が発生する可能性も高いです。退職金で大きく増やすというよりは、そのお金を温存しつつ少しでも増やせるように運用した方がよいでしょう。
また資産運用によるリスクが低い場合でも、資産運用している期間にお金が必要になったとしても引き出せなかったり、引き出す際に大きな手数料が発生したりすることがあります。病気になって入院費や治療費などでお金がかかることもあるため、注意が必要です。
 

退職金で住宅ローンを返済するメリットとデメリット

定年退職を迎えても住宅ローンが残っていることは少なくありません。老後生活に影響させないために、退職金を使って住宅ローンの返済を考えることがあるでしょうが、メリットとデメリットがあります。
 

メリット

退職金で住宅ローンを返済することで、完済できれば公的年金などで返済する必要がなくなるため老後生活に影響が出なくなります。また完済できなかったとしても、月々の返済額や利息を減らせるため、家計の負担は軽くなるでしょう。
 

デメリット

退職金の多くを返済に充ててしまうため、今後の老後生活に影響をもたらすことがあります。手元にお金がなく、医療費が支払えないことや、生活費が足りないといったことも起こる可能性があるため、老後のライフプランを考えた上で返済に充てるようにしましょう。
 

退職金はどのように使えばよいか

退職金は老後生活に向けてさまざまな使い道があります。しかし安易に使ってしまうことで、その後の老後生活に悪い影響を与えてしまうこともあり得ます。
 
退職金を使って資産運用や住宅ローン返済を検討している人は、住宅ローンを完済した上で一部を資産運用、一部は予備費として備えるなど、自身の老後のライフプランを考えた上で退職金を活用するとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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