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住宅ローンの繰り上げ返済を検討中。どんなデメリットがある?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月21日 23時0分

住宅ローンの繰り上げ返済を検討中。どんなデメリットがある?

長期金利がマイナス金利政策導入以来の高水準となったことを受け、固定金利が上がったと話題になりました。ローンがある人のなかには、この先も金利上昇の傾向があるなら早いところ返済しなくては、変動金利で借りているから金利上昇する前に繰り上げ返済しなくては、などと考えた人も多いのではないでしょうか。   しかし、慌てないでください。繰り上げ返済をする前に、そのデメリットについて理解しておきましょう。

そもそも繰り上げ返済とは

住宅ローンの返済方法は、何年間かにわたって毎月(人によっては、それに加えて夏冬のボーナス時に)いくらずつ返済していきますよ、というものですが、これとは別に好きなときに好きなだけ返すことができる、これを繰り上げ返済といいます。
 
ローンは元金部分と利息分を返済していくものですが、繰り上げ返済には元金分の全てを返す「繰り上げ返済」と元金の一部を返す「一部繰り上げ返済」があります。一般的には後者が主流でしょう。
 
一部繰り上げ返済には、今後も同じ額を返していくけどその期間を短くしましょう、という「期間短縮型」と、返済期間は同じだけど毎月(またはボーナス時)の額を減らしましょう、という「返済額軽減型」があります。
 

「繰り上げ返済による資産形成」vs.「運用による資産形成」で考える

繰り上げ返済の効果の考え方として、「繰り上げ返済による資産形成」と「運用による資産形成」を比べてみましょう。手元の資金を減らして返済するよりも、手元の資金でローンの金利を上回る資産運用ができれば、そのほうがおトクといえます。
 
国のゼロ金利政策を受けて、住宅ローンの金利は低空飛行をしてきました。特に変動金利であれば、実情として、1%を下回る金利で借りられるのではないでしょうか(ゼロ金利政策から一転、世界の金利上昇の影響を受けて金利上昇傾向になったら、変動金利も上昇するかもと心配な方は、ちょっと落ち着いて考えてみましょう。
 
まず変動金利の仕組みとして、金利が変わるのは半年に一回であり、それも金利変更の前に必ず分かります。返済額も5年に一度しか変わりません。また、金利が上昇したとしても、それが住宅ローンの金利に反映されるまではタイムラグがあります)。そうなると、住宅ローンの金利を上回る資産運用ができれば、その差額は貯蓄に回せるというわけです。
 
運用といっても失敗するかもしれないし、と心配な方は、短い期間ではなく長期運用のことを想定してみてください。例えば、皆さんの年金資金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用実績は2001年以降で年率3.38%となっています。
 

手元の資金が減る危険性

「緊急の出費がかさんだら」「もしも収入が絶たれたら」、人生にまさかの坂は付き物です。不測の事態には、やはり現金が心強い味方になるため、無理に手元の現金や預金を減らすことはリスクを伴います。繰り上げ返済が多少おトクであっても、貯金を十分な額まで増やすことのほうを優先しましょう。
 

団体信用生命保険の保障の効果がなくなる

「団体信用生命保険」とは、住宅ローンを借りる際に、債務者(ローンを契約する人)が被保険者として加入する生命保険です。万が一、債務者(被保険者)が亡くなった場合や高度障害状態になった場合は、保険金でローンが完済されます。
 
そのため、繰り上げ返済でローンを減らしておくと、万一が起きた際、せっかく保険料を払って備えた意味がなくなってしまいます。
 
保険料は住宅ローンの金利に含まれており、別途支払う必要がないため、加入していることを忘れてしまいがちかもしれません。しかし、お金を出して保障を買っているわけですから、しっかりと念頭に置いておきましょう。
 
また、死亡・高度障害保険金だけでなく、「疾病団信」という、がん、脳卒中、心筋梗塞、あるいは八大疾病など、特定の病気と診断されたときに給付金を受け取れるタイプに加入されている方は、こちらにも留意が必要です。どんな疾病や状態になったら保障されるのか、よく確認しておきましょう。
 
これからローンを組む方は、加入の要不要も考える必要があります。団体信用生命保険は民間受託ローンの融資条件として加入が必須となっていますが、「疾病団信」の付加は任意だからです。
 

まとめ

金利上昇と聞いて不安になっても、慌てて繰り上げ返済に走るのは得策といえない場合があります。ローンを組んだからにはゆっくり返していけばよい、という心構えで、まずは手元の貯蓄を増やしていきましょう。
 

出典

年金積立金管理運用独立行政法人 2022年度の運用状況 2001年度以降の累積収益

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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