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「高額療養費制度」と「医療保険」のバランスを知って万が一の病気やケガに備えよう!

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月20日 11時0分

「高額療養費制度」と「医療保険」のバランスを知って万が一の病気やケガに備えよう!

万が一の場合の病気や不慮の事故で、治療費や入院費が必要になったときの備えには、貯蓄だけではなく、健康保険・民間の医療保険などがあります。しかし、病気やけがをしたときに使える貯蓄がある場合、毎月支払っている保険料は、払いすぎてはいないでしょうか?   健康保険に加入している場合、1ヶ月あたりの医療費の自己負担額が上限を超えたとき、その超過分が払い戻される制度を受けることができます。そこで、今回は高額療養費制度について、詳しく解説します。   「毎月の保険料を見直したい」「医療費に関わる制度について、詳しく知っておきたい」   このような方は、ぜひ参考にしてください。

医療保険と高額療養費制度について

日本では、公的な医療保険である健康保険に加入していると、原則3割負担で済みますが、大きな病気やけがをした場合には、数十万円の医療費がかかることもあるでしょう。
 
そのため、医療機関や薬局の窓口で支払う、1ヶ月あたりの医療費の自己負担額が上限を超えた場合、その超えた金額が返ってくる「高額療養費制度」があります。その上限額は、年齢や所得などの支払い能力に応じて定められていて、会社員ならば、1ヶ月あたりの医療費は8万円程度です。
 
以下のような計算式があり、項目ごとに自己負担の上限額が計算されます。


 
※厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」を参考に筆者作成
 
2人以上の家族に、同時に治療が必要になった場合、同じ健康保険に加入していれば、手続きをすると、世帯単位で上限額を超えているかが計算されます。健康保険の種類は健康保険証に記載されているので、確認しておきましょう。
 

保険料を払いすぎていない?

万が一、病気やけがをしたときに生活が困らないように、民間の医療保険に加入されている方は多いでしょう。しかし、健康保険に加入している方には、高額療養費制度を利用できることを考えると、現在加入している民間保険はどこまで必要なのでしょうか。
 
高額療養費制度について、より詳しく理解し、医療保険について見直してみましょう。
 

通院治療にかかる費用は?

退院後も、社会生活を営みながら通院治療を続けることは多く、平成24年から、通院治療も高額療養費制度の対象になりました。
 
入院治療から外来治療に切り替わった月は、入院治療と外来治療の費用がそれぞれ上限額を超えているかどうかが、計算で判断されます。「認定証」の交付を事前に申請していれば、1ヶ月の上限額を超える費用を、窓口で支払う必要もありません。
 
認定証の交付手続きは、保険証に記載されている健康保険組合・全国健康保険協会(協会けんぽ)、または市町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度)で行うことができます。
 

高額療養費制度の対象外の費用は?

ただし、治療しなくても必要な「食事代」や「住居費」、個人の希望による「差額ベッド代」や「先進医療」などの費用は、高額療養費制度の対象外です。これらは元来、公的医療保険の適応外になるため、高額医療費保険制度の対象からもはずれます。
 
平均的な1日あたりの差額ベッド代は以下を参照してください(2020年7月1日現在)。

部屋の種類 差額ベッド代
1人部屋 8221円
2人部屋 3122円
3人部屋 2851円
4人部屋 2641円

※厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第488回)議事次第」(2021年)を参考に筆者作成
 
個室使用料は、1人部屋に1ヶ月入院しても25万円ほどで、貯蓄でも対応できる範囲内です。
 
先進医療を希望される方は、貯蓄でまかなうことは難しい可能性があるので、民間の医療保険で備えておくと安心でしょう。
 

万が一の病気やけがの備えとは

病気やケガに対して備えるなら、いざ病気やけがをしたときに、先進医療や個室利用などを望むかどうか? について考えておくといいでしょう。その上で、現在加入している医療保険を活用できるように、保障内容を把握しておくことが大切です。
 
漠然とした不安から、万が一の場合の病気やけがに備えて、いくつもの民間の医療保険に加入する方も多いですが、年齢を重ねるたびに保険料は高くなります。そのため、ライフステージや価値観の変化に合わせて、加入している医療保険を見直すことも必要でしょう。
 
この記事が、病気やケガをしたときの対応や、医療保険について考える機会になれば幸いです。
 

出典

厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第488回)議事次第(2021年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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