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受給まであと5年、60歳からでもできる年金受給額を増やすコツ【年金が最大84%増額】

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月21日 8時40分

受給まであと5年、60歳からでもできる年金受給額を増やすコツ【年金が最大84%増額】

老後の生活を支えるため、少しでも増やしたい年金。年金の受給年齢は一般的に65歳からですが、受給時期を後ろ倒しにすると、最大84%まで増額が可能です。   本記事では、60歳からでも年金受給額を増額できる方法を紹介します。併用できる方法もあるため、うまく活用し老後の安心を守りましょう。

「繰下げ受給」で最大84%増額

年金を最大84%増額できる方法が、繰下げ受給です。繰下げ受給は老齢基礎(厚生)年金の受給時期を、66歳以降に後ろ倒しにします。
 
繰下げは1ヶ月単位で設定でき、加算額は繰り下げた月数につき0.7%です。年齢による増額率の一覧は、図表1をご覧ください。
 
【図表1】
 

請求時の
年齢
増額率
(誕生月時点)
66歳 8.4%
67歳 16.8%
68歳 25.2%
69歳 33.6%
70歳 42.0%
71歳 50.4%
72歳 58.8%
73歳 67.2%
74歳 75.6%
75歳 84.0%

 
日本年金機構・年金の繰下げ受給を基に作成
 
年金を最大84%増額受給できるのは、75歳以降です。後ほど解説する付加年金を利用していた場合は、さらに同率で増額できます。
 
ただし以下に該当する人は、繰り下げの上限年齢が70歳までとなり、最大42%の増額率となります。
 

●昭和27年4月1日以前の生まれ
●平成29年3月31日以前生まれのうち、老齢基礎(厚生)年金の受給権利保持者

 
繰下げ受給は最大84%、1ヶ月だけでも0.7%増額できます。ご自身の体調などを考慮し、検討してみてください。
 

納付が足りなかった分を補う任意加入

国民年金は40年間納付すると、満額を受け取れます。任意加入は、経済的に納付が困難だった時期があるなどで納付済み期間が40年に満たなかった場合、60歳を過ぎても国民年金保険料を納付できる制度です。
 
以下のすべての条件を満たす人が任意加入できる可能です。
 

●日本国内に住所をもつ60歳以上65歳未満
●老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない
●60歳未満までの保険料納付月数が480月(40年)未満
●厚生年金保険、共済組合等に加入していない
●日本国籍がない人では、在留資格が医療滞在や観光を目的とするロングステイなどの特定活動以外で滞在している

 
さらに年金の受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の方、65歳未満の海外居住の日本人も加入できます。
 
任意加入の手続きは、60歳誕生日の前日から可能です。満額に近い受給額をもらいたい方は納付済み期間を確認し、足りない場合は任意加入を検討しましょう。
 

2年で元がとれる付加年金

付加年金とは、払うべき国民年金保険料に毎月400円を上乗せ納付することで、受給額を増やす方法です。
 
付加年金の詳細は、図表2のとおりです。
 
【図表2】
 

対象者 ・自営業者や学生などの第1号被保険者
・任意加入被保険者
※国民年金基金の加入者は対象外
納付額 国民年金保険料+月額400円
納付期限 翌月末日(休日・祝日は翌営業日)
※期限が過ぎても2年間は納付可能
受給額 老齢基礎年金+200円×付加年金納付月数
申し込み先 市区町村窓口、年金事務所

 
日本年金機構・付加年金を基に作成
 
付加年金は毎月400円納付した分が200円で返ってくるため、元が取れるのは受給開始2年後です。繰下げ受給する場合は、付加年金額も月数につき0.7%増額します。
 
付加年金は、任意加入被保険者でも利用可能です。2年で元が取れる付加年金は、一度に納付する額も大きくないため、検討してみてもよいでしょう。
 

納付額が割引される前納

前納は予定受給額の増額はできませんが、支払うべき年金額が割引されるお得な方法です。納付額の割引を受けるためには、国民年金保険料を前もって納付します。
 
令和5年度の割引額は、図表3のとおりです。
 
【図表3】
 

前納期間 口座振替での割引率 現金・クレジットカードでの割引率
6ヶ月 1130円 810円
1年 4150円 3520円
2年 1万6100円 1万4830円

 
国民年金機構・国民年金保険料の前納を基に作成
 
前納期間は6ヶ月、1年、2年の3パターンから選べます。最もお得に年金を納められるのが、2年分を口座振替する方法です。まとめて払える金銭面の余裕がある場合、お得に割引される前納はおすすめです。
 

60歳からでも年金額を増やせる

年金の受給額は、60歳からでも4つの方法で最大84%まで増やせます。今回ご紹介した繰下げ支給、任意加入、付加年金、前納をうまく活用し、老後の生活を安心なものにしましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給

日本年金機構 任意加入制度

日本年金機構 付加保険料の納付

国民年金機構 国民年金保険料の前納

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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