つみたてNISAの中のインデックスファンドとアクティブファンド、何が違うの?
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月23日 8時20分
すでに公表されていますが、従来のNISAは2024年から「新生NISA」となります。従来のNISAと変更になる主な点は、非課税保有期間の無期限化、年間投資上限額の引き上げ(「つみたてNISA」は40万円から「つみたて投資枠」として120万円に、「一般NISA」は120万円から「成長投資枠」として240万円に)、つみたてNISAと一般NISAは選択性であったものが併用可能になるなどです。 この中でつみたてNISAは、投資信託で運用しますが、その方法には大きく「インデックスファンド」へ投資する方法と「アクティブファンド」へ投資する2つの方法があります。今回は、このファンドの違いについて解説します。
インデックスファンドとは?
インデックスファンドは、株や債券などの市場全体の動きを表す指数(インデックス)と同じような値動きを目指す投資信託です。
ちなみに投資信託とは、投資家から集めた資金を、運用の専門家が株式や債券などに投資、運用し、その運用の成果が投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっている金融商品です。
このインデックスファンドの例としては、TOPIX(東証株価指数)に連動する投資信託が挙げられます。これは、日本の株式市場全体の動きをみる代表的な株価指数で、原則、東京証券取引所プライム市場の全銘柄が対象となります。
そのため、この指数に連動した投資信託で運用すれば、主にプライム市場全体に投資したことと同じような成果を得ることができます。
また、米国のS&P500をベンチマーク(その投資信託が運用する際に目標とする基準)として連動した運用を目指している投資信託を購入すれば、この指数は米国株式市場時価総額全体の約80%を占めているので、米国市場の大部分に投資したものと同じような成果を得ることができます。
アクティブファンドとは?
インデックスファンドが指数に連動することを目指すのに対し、アクティブファンドは、指数がベンチマークとして設定されていればそれを上回る運用を目指し、ベンチマークが設定されていない投資信託であれば、指数に捕らわれずに収益の獲得を目指す投資信託といえます。
TOPIXをベンチマークとしているアクティブ運用の投資信託であれば、TOPIX以上の利益を得ることを目指して投資を行います。同様に、米国のS&P500をベンチマークとしたアクティブ運用の投資信託であれば、S&P500を上回る成果を目標としています。
インデックスファンドとアクティブファンドの違い
インデックスファンドとアクティブファンドの違いをまとめると図表1のようになります。
運用方針だけをみると、アクティブファンドのほうが、インデックスファンドよりも高い利益を上げられそうですが、手数料を考慮する必要があります。
投資信託の手数料には、購入時にかかる「販売手数料」とファンドを運用しているときにかかる「信託報酬」、そして解約するときの「信託財産留保額」の3つがあります。
最も重視する必要があるのが、「信託報酬」です。これはほかの2つの手数料とは違って、投資信託を保有している間は、ずっと運用資産残高から控除されている、というのがその理由です。
インデックスファンドの銘柄は、指数と同様の銘柄を構成するため、それほど手間がかからないので「信託報酬」は比較的安くすむ傾向にあります。
一方、アクティブファンドは、ファンドマネジャーと呼ばれる運用のプロが、市場や企業を独自の観点で調査・分析して投資、運用するので「信託報酬」は比較的高くなります。また、ファンドマネジャーのスキルによって、成果が大きく変わってくるので要注意です。
したがって、ファンドを選択する場合には、運用方針だけでなく、「信託報酬」やそのファンドの運用実績なども考慮する必要があります。
出典
金融庁 新しいNISA
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
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