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「私立高校無償化」の対象になるのは「年収590万円」未満? 年収の目安を確認

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月23日 10時20分

「私立高校無償化」の対象になるのは「年収590万円」未満? 年収の目安を確認

私立高校無償化により、家庭の経済状況にかかわらず、進学先として私立高校を選びやすくなりました。とはいえ、すべての高校生を対象とする制度ではないので注意しましょう。世帯の年収によっては適用されないため、事前に要件の確認が必要です。   そこで今回は、私立高校無償化がどのようなものか説明し、それを踏まえて要件となる年収のラインを紹介します。

高等学校等就学支援金の制度

私立高校無償化とは通称で、正確には「高等学校等就学支援金」という制度を指しています。高等学校等就学支援金は2010年から存在しており、授業料相当の金額を支給することで実質的に無償とするものです。教育ローンや一般的な奨学金とは異なり、卒業後の返済は不要となっています。ただし、2020年3月以前はあくまでも公立高校への進学を想定していました。私立高校にまで拡充されたのは同年4月の改正時であり、これにより要件や支給額も見直されたのです。経済的な事情で希望の進路をあきらめずに済むように、国の施策として支援が従来よりも手厚くなりました。また、子育ての支出軽減による少子化対策の意味合いもあります。
 

要件となっている年収の目安

高等学校等就学支援金の支給には、世帯の年収を目安とする要件が設けられています。私立高校に関しては590万円未満と設定されており、公立高校の950万円未満という要件より基準は厳しいです。文部科学省による説明では上記の金額がよくあげられますが、これは夫婦の一方が働いて高校生と中学生を養う4人家族のモデルケースとなっています。実際の要件は、家族構成などによって異なるので注意しましょう。例えば、子どもの構成が同じでも、夫婦が共働きの場合は660万円未満です。また、夫婦の一方が働くという点は同じでも、高校生2人を養っているなら640万円未満になります。
 
なお、同居している祖父母に収入がある場合、要件の判定で世帯の年収に加えるのか迷う場合もあるでしょう。親権を持つ保護者として両親がいるなら、基本的に祖父母の収入は含まれません。
 

実際は所得を使って判定

高等学校等就学支援金の要件は年収で説明されることが多いです。しかし、これは理解しやすくするための措置であり、本来は所得を用いて計算されます。判定に必要なのは、保護者等の課税標準額(課税所得額)の6%から市町村民税の調整控除額を引いた金額です。この金額が15万4500円未満のとき、年収に置き換えると590万円未満という目安になります。また、所得は収入から経費などを差し引いた金額である点に注意が必要です。よって、実際の年収が要件の目安から離れていても、対象となる場合があります。例えば、自営業で経費が多いなら、年収が590万円以上でも所得は低くなり、上記の判定用の金額は15万4500円未満になる可能性もあるのです。
 

制度を使えるのか事前に確かめよう!

私立高校無償化は、子どもの可能性を広げてくれる制度です。家計に余裕がない世帯でも、進学先の候補を公立高校に絞らなくてよくなりました。一方、家計に余裕がある世帯では、この恩恵を受けられないかもしれません。つまり、制度の利用を想定して入学した結果、無償にならなくて困ることもありえます。このリスクをなくすためにも、要件となる金額を把握した上で制度を利用できるのか、確認しておきましょう。
 

出典

文部科学省 高等学校等就学支援金制度
文部科学省 高等学校等就学支援金制度 年収目安
文部科学省 私立高校授業料実質無償化がスタート!
文部科学省 高校生の学びを支えます 高等学校等就学支援金
文部科学省 みんなに知ってほしい、高校生へのふたつの支援
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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