【引っ越し代が経費に?】会社員の特定支出控除について種類と内容を解説!
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月24日 3時0分
会社員に節税は無関係と思っている方はいらっしゃいませんか? フリーランスは必要経費が節税対策できることは有名ですが、実は会社員にも「必要経費」と認められるものが存在します。 本記事では、会社員ができる節税対策の一つである、特定支出控除について説明します。条件が合えば交通費や引っ越し代が経費として認められるかもしれませんので、参考にしてください。
「特定支出控除」とは?
「特定支出控除」とは、業務のために使用した費用の一部が控除される制度です。具体的な条件は、給与所得控除額の2分の1を超えた額が控除の対象になります。
具体例として年収600万円に人がいたとします。年収600万円の人の所得控除額は、600万円×20%+44万円=164万円になります。164万円の2分の1は82万円になるため、82万円を超えた分が控除の対象になります。
特定の支出とは?
以下で、特定支出控除の対象となる支出を紹介していきます。
通勤費
一般の通勤者が、通常必要であると認められる通勤の支出は、控除の対象になります。バスや電車などの公共交通機関だけでなく、ガソリン代や高速道路料金も対象です。注意点として、通勤手当として支給されている場合は控除の対象外になります。
転居費
転勤を伴う転居に関して、通常必要であると認められた支出になります。転居のための交通費、家具家電などの生活日用品の運搬にかかった費用が控除の対象になります。さらに、転居に伴う宿泊費も控除の対象になります。
研修費
職務の遂行に関して、必要な技術や知識を習得することを目的の研修にかかった費用のことです。本人が費用を支払った場合は、全額対象になります。研修に参加するために支払った交通費も控除の対象になります。
資格取得費
業務で必要な資格を取得するために、かかった費用のことです。学校などに通っていた場合は、学費を資格取得費とすることができます。
学費を一括で払っていれば全額対象となりますが、分割で払っていて年を変わってしまった場合は、それぞれの年に対応する金額がそれぞれの年の控除対象になります。平成25年度以降では、弁護士、公認会計士、税理士なども資格取得費に含まれました。
帰宅旅費
自宅と勤務地が離れている人が、帰省する際にかかった費用のことです。帰宅旅費は、自身の勤務地と生計を一とする配偶者等の居住場所間で発生する支出のため、勤務地が変わった場合は元の勤務地ではなく、新たな勤務地と配偶者の居住場所間の旅費が対象になります。
図書費
業務のために使用する、書籍の購入費のことです。対象は書籍だけでなく、新聞や雑誌、職務の参考とするための写真集や地図なども対象になります。電子書籍も対象になりますが、電子書籍を購入するためのパソコンやタブレットは対象外になるため注意しましょう。
衣類費
勤務地において、着用することが必要とされる衣服を購入した際の費用のことです。特に制服の指定がなく、勤務地で私服を着用している場合は、私服の購入費用は控除の対象になりません。
交際費等
得意先、仕入れ先、職務上関係ある人との接待、供応、贈答などの行為に使用した費用です。注意点として、図書費、衣類費、交際費等は3つの費用の合計額が65万円を超える場合は、65万円までの支出が対象となります。
控除を受けるには確定申告が必要
特定支出控除を受けるには、確定申告が必要になります。申告書を作成するためには以下のものが必要になります。
●源泉徴収票
●給与所得者の特定支出に関する明細書
●特定支出に関する証明書
●領収書
源泉徴収票と特定支出に関する証明書は、会社との協力が必要なため、早めに準備しておく必要があります。
まとめ
本記事では、特定支出控除についての種類や内容について説明しました。今までは会社員だから経費として認められないと思っていたことも、申請してみたら経費認定されて手元に一部戻ってくる可能性があるため、一度特定支出控除の対象になるか確認してみてはいかがでしょうか。
出典
国税庁 No1415 給与所得者の特定支出控除
国税庁 No1410 給与所得控除
国税庁 平成28年分以後の所得税に適用される給与所得者の特定支出の控除の特例の概要等について(情報) 別冊2 第一解説編
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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