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【2023年度の年金】すべて67歳以下と68歳以上に分かれる?(3)

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月24日 10時10分

【2023年度の年金】すべて67歳以下と68歳以上に分かれる?(3)

障害等級1級・2級・3級の障害がある場合を対象とした障害厚生年金。報酬比例で計算されることになっていますが、これが一定の最低保障額で支給される場合があります。その最低保障額についても、2023年度の額は2022年度の額より上がりますが、67歳以下(新規裁定者)と68歳以上(既裁定者)で異なるのでしょうか。

障害厚生年金の計算方法

障害厚生年金は障害等級1~3級に該当した場合を対象とし、過去の厚生年金加入記録で計算された報酬比例制の年金となります(図表1)。
 


 
障害等級1級の場合は、報酬比例の年金として計算された額の1.25倍で計算されることになり、また、1級・2級の場合は配偶者加給年金が加算されることがあります。
 
2023年度の年金について、配偶者加給年金は第1回の記事(1)で取り上げたとおり新規裁定者の額のみでしたが、報酬比例となる障害厚生年金自体は新規裁定者と既裁定者で異なっています。
 

障害厚生年金の最低保障額

障害等級3級の場合は、障害厚生年金のみの受給となるため障害基礎年金が支給されず、配偶者加給年金についても加算されません。その結果、2階建てで障害年金が受けられず、このままでは年金額が少なくなってしまうため、3級の障害厚生年金には障害基礎年金(2級)の額の4分の3の最低保障額があります。
 
2022年度は77万7800円が障害基礎年金だったため、その4分の3である58万3400円(※100円未満四捨五入)が最低保障額でした。
 
しかし、2023年度は障害基礎年金(2級)の額が新規裁定者79万5000円と既裁定者79万2600円で分かれているため、その4分の3である最低保障額についても新規裁定者と既裁定者で分かれます。新規裁定者の最低保障額は59万6300円、既裁定者の最低保障額は59万4500円となります(それぞれ100円未満四捨五入)。
 

既裁定者の最低保障額対象者は少ない

ただし現実的には、既裁定者の最低保障額を受ける人は少ないでしょう。というのは、3級の障害厚生年金を受けてきた人も65歳を迎えると、老齢年金(老齢基礎年金や老齢厚生年金)を受給する権利が発生しますが、当該3級の障害厚生年金と老齢年金は併せて受給できないからです。
 
つまり、老齢年金(老齢基礎年金+老齢厚生年金)か障害年金(3級の障害厚生年金)、どちらか選択となります(図表2)。
 


 
老齢年金は基礎年金と厚生年金の2階建てであることから、3級の障害厚生年金より受給額が多くなり、その結果、65歳以降は老齢年金を選択し、障害厚生年金が支給停止となる場合が多いでしょう。
 
そうなると、68歳以上の既裁定者で最低保障額の対象者は少ないと考えられます。最低保障額の対象となる人のほとんどが新規裁定者の59万6300円で受給する人となるでしょう。
 

出典

日本年金機構 障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
 

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