【後編】50代は年金を満額でもらえない? 理由と対策
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月26日 12時30分
50代の会社員の中にも、保険料の未納期間があるなどを理由に、年金を満額でもらえない可能性のある人がいます。その一方で、後払いや任意加入制度を利用すれば、受給額を増やせるチャンスもあり、老後資金の準備につながるかもしれません。 今回は50代の会社員に向けて、年金が満額でもらえない可能性があるケースを解説し、その対策を紹介します。これを参考に満額支給に近づけて、ゆとりある老後への準備を進めましょう。
50代は年金を満額でもらえないのか
50代の人の中には、年金を満額で受け取れない可能性がある人もいます。どのようなケースで満額受給できないのでしょうか。
国民年金保険料の未納があるなら注意
国民年金の未納があると、老齢基礎年金の受給額が減ります。未納分は受給資格期間に含まれず、また受給時の年金額計算割合にも入りません。この未計算にあたる期間が長いほど、年金受給額が減ってしまうのです。いかなる場合ときでも未納期間があると、年金受給の上でで不利です。
例えば全額免除であれば受給資格期間に含まれ、年金額計算も2分の1となります。半額免除の場合は国民年金保険料の半額を納めていれば、計算割合は4分の3として扱われます。つまり全額免除または半額免除でもない「未納」状態が最も問題がある状態といえます。
50代で未納期間が長いと、老齢基礎年金の満額受給は難しくなります。納付期限までに保険料納付をしなかった場合、さかのぼって納めることができるのは2年前までですが、未納分があれば今からでも納付し、最低限の受給額を確保してください。
保険料の免除期間が長いほど受給額が減る
保険料の免除期間は受給資格期間に含まれ、年金計算割合にも反映されますが、免除期間が長くなると受給額が減ってしまいます。例えば保険料免除の場合、全額納付の場合に対して、全額免除は2分の1、半額免除は4分の3、4分の3免除は8分の5など定められた割合で年金額が計算されます。
なお納付猶予は受給資格期間に含まれますが、保険料を納めていない状態なので、その期間は年金額に反映されません。
保険料免除や納付猶予は、10年以内であれば後から保険料を納める「追納」により、満額受給に近づけることができます。免除・猶予を受けたことがあり、少しでも受給額を増額させたい人は、追納を検討しましょう。
年金を満額でもらうための対策2つ
年金の未納や納付免除、猶予がある場合、満額でもらうための対策を2つ見ていきましょう。
納付していないぶんは後払いで対応
先に述べたとおり、未納分は2年前までさかのぼって納付ができ、免除・猶予の場合は10年以内であれば追納が可能です。
『任意加入制度』を利用する
年金額の増額を希望するなら、任意加入制度の利用も考えてください。60歳以上65歳未満が対象の任意加入制度は、60歳までに老齢基礎年金を受け取る資格を満たしていない人や、40年の納付済期間がない人が利用可能です。
老齢基礎年金を繰り上げ受給していない人、厚生年金や共済組合に加入していない人であるなら、60歳以降でも国民年金に加入できるのです。
申し込んだ月からの加入となり、さかのぼる形では加入できません。例えば62歳の誕生日に任意加入手続きをした場合、60~61歳の期間をさかのぼって加入扱いとすることはできません。この任意加入制度で年金を納めていけば、受給額を増やせます。
まとめ
50代は老後資金や年金への意識が高まり始める時期です。未納や免除・猶予などを理由に、老齢基礎年金を満額で受け取れない可能性に気づくかもしれません。
未納分は2年以内の納付、免除・猶予分は10年以内の追納と後から国民年金保険料を納付する、また60歳以降に加入できる任意加入制度を利用することで満額受給に近づけることができます。これまでの納付履歴を確認し、後からでも納められる保険料があればすぐに対策して、老後に備えましょう。
出典
盛岡市 免除・猶予・未納の違い
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 任意加入制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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