「年金で10万もらいたい!」年収はいくら必要?
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月26日 13時30分
![「年金で10万もらいたい!」年収はいくら必要?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_201261_0-small.jpg)
老後の生活に不安を感じる人にとって、年金を月10万円を手に入れることは大きな支えとなります。では、そのためにはどれくらいの収入が必要なのでしょうか。 本記事では年金を月10万円を手に入れるために必要なことを解説します。
年金で10万円もらうために必要な年収は?
毎月10万円の年金をもらうためには、20歳から60歳まで、およそ200万円の年収が必要となりますが、これは国民年金と厚生年金を合わせて10万円です。場合によっては、それ以上の年金を受給することも可能です。以下では、年金の種類について簡単に解説していきます。
国民年金
国民年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人が全員加入する年金です。この国民年金を一定期間以上納めた人が65歳から受け取れるのが老齢基礎年金です。原則として65歳から受け取ることができますが、60歳から65歳の間で繰り上げて受給する「繰り上げ受給」や、66歳から75歳まで繰り下げて受給をする「繰り下げ受給」があります。
20歳から60歳までの40年間すべての保険料を納めることで、老齢基礎年金を満額受け取ることができます。令和5年度4月からの満額は、79万5000円(67歳以下)・79万2600円(68歳以上)となっています。つまり、月に6万6250円(67歳以下)・6万6050円(68歳以上)を受給可能です。
厚生年金
厚生年金とは、会社に属して働く会社員たちが加入する年金です。厚生年金は、国民年金に上乗せされる形で受給できます。事業主が届け出し給料から天引きされるため、詳細まで内容を把握していなかったという人もいらっしゃるかもしれません。
かつては、公務員や私立学校の教職員が加入する共済年金という公的年金制度がありましたが、現在はこちらの厚生年金に一元化されています。
厚生年金に加入すると老齢厚生年金を受給することができます。なお年金を受け取るには受給資格が設けられており、保険納付済期間と保険料免除期間を合わせて10年以上となる必要があります。
老齢厚生年金の受給額は、以下の式を用いて求めます。
受給額=報酬比例年金額+経過的加算額+加給年金額
報酬比例年金額とは、保険料の等級のことで、給料に応じて1から32まで設けられています。この等級は、毎年4月から6月に支払われた給与の平均を用いて計算されます。
経過的加算額とは、特別支給の老齢厚生年金の定額部分を受けていた人が、老齢基礎年金をもらう際に加算される差額のことを指します。
加給年金額とは、年金を受ける際に、その年金で生活している65歳未満の配偶者や18歳未満の子どもの分として加算される年金です。
厚生年金の大部分は報酬比例年金金額が占めることとなっており、下記の計算式を用いて計算できます。
(1)平均標準報酬月額×(7.125/1000)×平成15年3月までの加入期間の月数
(2)平均標準報酬月額×(5.481/1000)×平成15年4月からの加入期間の月数
報酬比例年金額=(1)+(2)
この計算式を用いて、簡単に出した「40年間保険料を納付した場合」の年収ごとの受給額は以下のとおりです。
●年収300万円:約66万円(年額)
●年収500万円:約110万円(年額)
●年収525万円:約120万円(年額)
●年収700万円:約153万円(年額)
老齢厚生年金のみで10万円を達成する場合には、現役時代の年収が約525万円以上ある必要があります。
遺族年金
遺族年金とは、国民年金や厚生年金の被保険者がなくなった際、その人によって生計を維持されていた遺族が受けられる年金を指します。
亡くなった人が加入していた年金ごとに「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。
遺族基礎年金の額は以下のとおりです。
●子のある配偶者が受け取る場合:79万5000円+子の加算額(67歳以下)
79万2600円+子の加算額(68歳以上)
●子が受け取る場合:79万5000円/子の数
遺族厚生年金の額は以下のとおりです。
・死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例年金金額の4分の3
それぞれ、受給要件が設けられているため、受給の際には注意が必要です。
障害年金
障害年金は、病気やケガが原因で、仕事や生活に制限が生まれた場合に、現役世代の人も受給できる年金です。
こちらも、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に分かれており、初めて診察を受けた際に加入している保険によって受給する年金が異なります。
まとめ
国民年金と厚生年金を合わせて、月額10万円の年金を受給したい場合、年収200万円程度あれば可能です。厚生年金のみで月額10万円の年金を受給したい場合には、現役時代に平均525万円の年収が必要となります。上記の基本的な2つの年金以外にも、遺族年金や障害年金など、さまざまな種類の年金が用意されています。
出典
国民年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
国民年金機構 厚生年金保険の保険料
国民年金機構 遺族年金
国民年金機構 障害年金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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