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タンス預金も相続税がかかる? いくらから課税されるの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月26日 1時40分

タンス預金も相続税がかかる? いくらから課税されるの?

近年、日本の預金金利はほぼゼロの状況が続いており、自宅に現金を保管する「タンス預金」をしている人もいるでしょう。   日本銀行の「資金循環統計」によりますと、2022年3月末時点で家計が保有する金融資産のうち、現金は約105兆円となっており、多くのお金がタンス預金として存在していることが分かります。   タンス預金に利息はつかないものの、相続した場合は相続税の対象となります。本記事では、タンス預金と相続税の関係について紹介します。

タンス預金は相続税の対象になる

相続税とは、遺産(被相続人の財産)を相続や遺贈で取得した場合にかかる税金です。
 
この場合の財産とは、現金、預貯金、株式などの有価証券、土地や家屋などの不動産、生命保険金、金や宝石、著作権といった権利など、金銭に見積もることができる経済価値のあるものすべてが対象です。また、ローンなどの負債もマイナスの財産として対象となります。
 
被相続人の財産にタンス預金があれば、現金として相続税の対象に含めなければなりません。
 

相続税がかかるのは基礎控除額を超えるとき

相続税が課税されるかは、次の手順で遺産の総額や相続人の数を基に確認しましょう。
 
まず、相続税の対象となる遺産の総額を計算します。遺産には前述のとおり、被相続人が保有していた現預金や不動産などだけでなく、生命保険金や死亡退職金なども含まれ、被相続人が負っていた債務などは、マイナスの財産として遺産に含まれます。また、一定の条件を満たす葬式費用を遺産の総額から差し引くことができます。
 
次に、相続税の基礎控除額を以下の式で計算します。
 
基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人の数)
 
被相続人に養子がいる場合、法定相続人に含められる養子の数について実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までです。
 
最後に、葬式費用を考慮した遺産の総額が、上記で計算した基礎控除額を超えていれば、超えた分について原則として相続税が課税されます。
 
タンス預金そのものの金額に対して相続税がかかるわけではないものの、タンス預金も遺産額に含まれるので、金額によっては相続税への影響も大きくなるでしょう
 
なお、相続税では生命保険金を受け取った場合に一定額までが非課税となるほか、被相続人の事業用や居住用に用いられていた宅地等を相続した場合に、一定割合を宅地等の評価額から減額できる特例などがあります。詳細については、最寄りの税務署や税理士に確認してください。
 

タンス預金も遺産に含めることを忘れずに


タンス預金は紙幣や貨幣なので名前が書かれることもなく、保管場所も本人や家族しか知らない場合が多いですが、遺産の総額にはタンス預金も忘れずに含め、そのうえで相続税の申告が必要かどうか判断しましょう。
 
税務署が相続税の税務調査に当たる際は、被相続人だけでなく、相続人の預金口座などを確認してお金の流れを調べるため、調査によってタンス預金が指摘されることもあります。
 
例えば、過去に被相続人の口座から多額の出金があったものの使われた形跡がない、逆に、相続の発生後に相続人の口座に多額の入金があったものの、該当する収入が見当たらないといった場合は、タンス預金の可能性について疑われることもあるでしょう。
 
タンス預金は、手元に現金があるのでいつでも使える点がメリットですが、盗難や災害による損失などのリスクもあります。相続税の対象になることを意識したうえで、現金で手元に置いておくのは普段使う金額にとどめておくのがいいでしょう。
 

出典

日本銀行 資金循環
国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
国税庁 財産を相続したとき
 
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

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