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子どもの希望は「私立高校」。家計が厳しくても「高校無償化制度」を利用すれば通える? 年収などの要件を確認

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月26日 10時30分

子どもの希望は「私立高校」。家計が厳しくても「高校無償化制度」を利用すれば通える? 年収などの要件を確認

子どもの「私立高校に行きたい」という希望をかなえてあげたいとは思うものの、私立高校の入学金や学費を出せるのか不安を抱いている人も多いのではないでしょうか?   世帯年収が一定額未満の場合、高校無償化制度を利用することで、授業料などを支援してもらえます。本記事では、高校進学を妥協しないために活用できる高校無償化制度について解説します。

高校無償化制度とは

高校無償化制度は、文部科学省が行っている「高等学校等就学支援金制度」のことであり、2010年4月1日から始まりました。
 
高等学校等就学支援金は、日本国内に住所がある人で判定基準を満たしていれば、図表1の支給上限額を、返還不要の授業料支援金として受け取ることができます。
 
図表1
 

支給上限年額
公立高校 11万8800円
国公立の高等専門学校 23万4600円
私立高校(通信制) 29万7000円
私立高校(全日制) 39万6000円

 
文部科学省 高校生の学びを支援します。 高等学校等就学支援金を基に筆者作成
 
なお公立高校の年額11万8800円以外の金額は、支給上限額となるため、判定基準によっては下回ることもあります。
 

判定基準

高等学校等就学支援金は、世帯収入で決まります。判定に当たって「市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除額」で計算し、政令指定都市の場合、市町村民税の調整控除額に3/4をかけて算出します。
 
対象となるためには、計算結果が30万4200円未満である必要があり、その場合は年額11万8800円の支援です。年収にすると、約950万円未満となります。
 
また、計算結果が15万4500円未満であれば、最大年額39万6000円の支援となり、年収に換算すると約640万円です。
 
どちらも両親のうち一方が働いており、高校生2人の子どもがいる場合での計算です。家族構成などで年収の目安は異なるため、計算式を使ってあらかじめ計算しておくことをおすすめします。
 

高校無償化の対象はすべてではない

高校無償化制度は、高校に通う際にかかる費用すべてが無償ではありません。授業料のみとなります。しかし、実際には入学金や教材費、制服の費用、修学旅行の積み立てなどの費用もあります。
 
2021年度の高校(公立・私立)でかかった主な年間費用は、図表2のとおりです。
 
図表2
 

公立 私立
入学金 7211円 4万3570円
修学旅行費 1万5647円 1万6613円
教科書費・教科書以外の図書費 3万1249円 3万8461円
通学費 5万2283円 8万1093円
制服 2万6110円 3万6086円

 
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査を基に筆者作成
 
なお、図表2は高校に通う際にかかる費用の一部となります。高校無償化制度を利用することで、授業料の負担はなくなるものの、その他の費用は負担しなければならないため注意が必要です。
 

子どもが私立高校に行きたい場合

文部科学省が出している「令和3年度子供の学習費調査」によると、学校教育費にかかる年間費用が、公立高校で30万9261円、私立高校で75万362円です。仮に授業料全額が無償化されると、公立高校が25万7141円、私立高校が46万1919円となります。
 
もし、高校無償化制度を利用しても私立高校に通うことが難しい場合、奨学金の利用も視野に入れてみましょう。奨学金は原則として返済が必要となるものの、収入や子どもの学力によっては給付型の奨学金もあります。
 
行きたい高校への進学を諦めないために、高校無償化制度や奨学金制度などのさまざまな方法を検討することをおすすめします。
 

出典

文部科学省 高校生の学びを支援します。 高等学校等就学支援金

文部科学省 令和3年度 子供の学習費調査 1 学校種別の学習費

文部科学省 みんなに知ってほしい 高校生への2つの支援

 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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