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【年収の壁】会社から「シフト増やして」と言われました。「年収130万円」を超えるとなにか問題はありますか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月27日 2時30分

【年収の壁】会社から「シフト増やして」と言われました。「年収130万円」を超えるとなにか問題はありますか?

業界によっては人員不足が大問題となっている現代です。会社から「シフト増やして」と言われたことはないでしょうか? もっと働きたい人にとっては好都合の話ですが、扶養内で働く人にとっては二つ返事で引き受けられる問題ではありません。   また、扶養内を続けたい場合には引き受けてはいけません。なぜでしょうか。その理由を解説します。

年収の壁とは

まず、年収の壁について簡単に解説します。2023年4月時点において、年収の壁は図表1の5つとなっています。
 
図表1

年収の壁 概要
年収103万円 ・所得税が発生する
・配偶者が配偶者控除を受けられなくなる(代わりに配偶者特別控除があるため、特に影響なし)
年収106万円 ・従業員数100人超の会社で働いている人は社会保険に加入する(社会保険の扶養を外れる)
年収130万円 ・社会保険に加入する(社会保険の扶養を外れる)
年収150万円 ・配偶者特別控除が満額ではなくなる
年収201万円 ・配偶者特別控除が受けられなくなる

国税庁 家族と税
全国健康保険協会 被扶養者とは?
厚生労働省 従業員数500人以下の事業主のみなさまを基に筆者作成
 
年収の壁は5つありますが、扶養内で働いている人の多くは、負担の大きい社会保険を考慮して「106万円・130万円」を選んでいるのではないでしょうか。
 

シフトを増やしたら手取り額は減る?

会社の「シフト増やして」に応じると、勤務時間が増えるので年収も増えます。シフトを増やさない状態でも扶養内ぎりぎりの人は、高確率で年収の壁を超えてしまうでしょう。
 
特に社会保険の年収の壁である年収106万円または130万円を超えてしまうと、社会保険料が年間で15万円から20万円ほど発生するため、手取り額が激減してしまう点に要注意です。「シフトを増やして働いたのに、手もとに残るお金は反対に減ってしまった」という事態になってしまいます。
 

時給アップでも同じこと

年収の壁は年収で判断されるため、定期昇給などで時給が上がった場合に前年と同じ時間だけ働くと、扶養を超えてしまう可能性があります。
 
例えば、2022年は時給1280円で1000時間働き年収128万円だった人が、2023年の時給は1310円になったとします。前年と同じく1000時間働いた場合の年収は131万円となり、年収130万円の壁を超えてしまうのです。昇給しても扶養内で働きたい場合には、勤務時間を減らす必要があります。
 
最近は、物価上昇に応じるための賃上げが行われています。その上で勤務時間を減らす行為は本末転倒な気はしますが、扶養の問題からはそうせざるを得ません。
 

「シフト増やして」は断ってよい

シフトの変更は会社と働く人の合意があって成り立ちます。雇用契約上の所定労働日数を超えて、無理やり働かせるのは違法です。もし会社に強制された場合は、労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。
 

まとめ

年収の壁に注意しながら働いている人は、シフトを増やすと扶養に影響する可能性が高いです。「働いている会社からのお願いは断りづらい」という場合もあるかと思いますが、扶養内で働いている事情をしっかり説明して理解してもらいましょう。強制的にシフトが変更された場合には、専門家への相談を検討しましょう。
 

出典

国税庁 家族と税
全国健康保険協会 被扶養者とは?
厚生労働省 従業員数500人以下の事業主のみなさま
全国健康保険協会 令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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