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【高級腕時計】「正直、値上げは大歓迎」。時計オーナーがほくそ笑む理由とは?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月27日 10時40分

【高級腕時計】「正直、値上げは大歓迎」。時計オーナーがほくそ笑む理由とは?

2022年から相次ぐ高級腕時計の値上げは、2023年になってもとどまることを知らない。3月末に開催された、腕時計の世界的な祭典「Watches and Wonders Geneva 2023」では、日本で人気の高いモデルの新作が発表されたものの、その値段は前作のおよそ倍となる150万円超。   新デザインは好評だが、主に価格面で賛否両論をよんでいる。いずれにしても一般的な収入の時計愛好家にとっては、まさに「冬の時代」は続く様相だ。   一方、あまり表立ってはいないが、相次ぐ価格改定に内心喜んでいるオーナーも少なくない。累計400万円程度の時計を所有している、Aさんもその一人だ。「価格改定で『所有欲』がたまっているのは僕だけじゃないはず」。そう断言する、Aさんの内心を聞いた。

腕時計を値上げ前に買っていれば「良いことだらけ」

Aさんは、雲上級の5大ブランドの200万円クラスの時計を1本、100万円クラスのドレスウオッチを1本、代表的なクロノグラフウオッチを1本所有している。そのどれもが2021年以前に購入しているという。
 
「現在、すべてを新品で購入しようとすると、合わせて軽く100万円以上は値上げしていますよ。そのうち一部は、3~4割ほど値上げしてしまった時計もあります。はっきり言って今の状態で、たった3本のコレクションをゼロからそろえきれるかといえば、かなり難しいと思います」
 
ブランド、機種、デザインが何も変わらないのに「価格」だけ上がっていく。その新規購入のハードルが上がることに、なんとも言えない気持ちを抱いているのは、Aさんも多くの時計愛好家と同じだという。ただ、今のコレクションに対しては、その気持ちが180度変わるのだという。
 
「正直、私が持っている時計の価格が上がるとウキウキしちゃいますよ。だって、定価が上がると購入ハードルが上がるので、人から『うらやましい』と思われる可能性も上がるじゃないですか。それにただ早く買っただけなのに『賢い買い物をした』といった自尊心も少しだけ高まります(笑)」
 
一概には言えないが、定価が上がればブランドの価値も購入時と比べると相対的に向上する可能性がある。また、「値上げ前に買えてよかった」という安堵(あんど)感も少なくとも時計オーナーとしては、精神衛生上、悪くはないとAさんは語る。
 
「あとはリセールですね。価格が改定したからといってすぐに中古価格に反映されるわけではないですが、少なくとも上がる要素が増えるわけですから、時計オーナーにとってはマイナスではないですよね。僕は売るつもりは一切ないですけど、たまに相場を見て値上げの影響があるか確認しています」
 

維持費の増大も……。購入が難しくなるのはみんな同じ

いち早く高級腕時計に興味をもち、購入してオーナーになった人にとって値上げは必ずしも悪いわけではない。ただ、相次ぐ値上げの波にまったく影響されていないかというと、そのようなことはないという。
 
「メーカー修理価格、オーバーホールの価格もかなり高くなっているので、値上げ前に時計を購入していても厳しいですよ。文字通り『桁が変わった』ブランドも少なくないですし、修理となると20万円以上値上がりしたものもありますから。維持費を確保するだけでも一苦労です」
 

まとめ

高級腕時計のみならず、値上げ傾向が続く嗜好(しこう)品業界にとって、値上がり前に購入した人はある種の「優越感」を得られるのかもしれない。
 
ただ、維持費を確保しつつ値上げした時計を新たに購入するのは、ゼロから好きな時計を買う人よりも厳しい立場とも考えられる。ある意味、どっちもどっちかもしれないが、いずれにしても数十万円レベルの値上げに心動かされる人は少なくないのだろう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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