2023年は国民年金額が1.9~2.2%増と3年ぶりの増額! 月額でどのくらい増えるの?
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月29日 6時0分
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2023年4月から国民年金の支給額が1.9~2.4%増額します。しかし、実際に受け取れる年金額がどのくらい増えるのか把握していない人も多いのではないでしょうか。 本記事では、2023年の国民年金支給額について、どのくらい増えるのか、なぜ支給額が増えるのかを解説します。そのほかにも、2023年の国民年金保険料や割引が適用される前納についてまとめているので、参考にしてください。
2023年度の国民年金支給額はどのくらい増える?
2023年の国民年金支給額は、67歳以下の人(昭和31年4月2日よりも後に生まれた人)は原則2.2%、68歳以上の人(昭和31年4月1日よりも前に生まれた人)は原則1.9%に引き上げられます。国民年金を満額納付した場合の年金額は図表1のとおりです。
図表1
2023年の国民年金支給額(月額) | |
---|---|
67歳以下の人(昭和31年4月2日よりも後に生まれた人) | 6万6250円 |
68歳以上の人(昭和31年4月1日よりも前に生まれた人) | 6万6050円 |
日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」より引用
2022年の国民年金支給額は、月額6万4816円です。2022年と比べて2023年に増える国民年金支給額は、67歳以下の人で月額1434円、68歳以上の人で月額1234円ほど増えることになります。
また、2023年4月以降に支給される年金が増額の対象ですが、4月分の年金と5月分の年金を合算した額が6月に振り込まれます。そのため、定期支給月である6月15日から増額された年金の受け取りが可能です。
年金の支給額は物価変動率と手取り賃金変動率の推移で決まる
年金支給額は、物価変動率と名目手取り賃金変動率によって改訂されると法律で定められています。
・67歳以下の人の年金支給額:賃金変動率が物価変動率を上回る場合は名目手取り賃金変動率を用いて改定
・68歳以上の人の年金支給額:賃金変動率が物価変動率を上回る場合は物価変動率を用いて改定
物価や賃金の上昇に応じて、年金支給額も上がる仕組みであると認識しておくとよいでしょう。
厚生年金の支給額は2022年度から月4889円増える
国民年金は、20歳から60歳に到達するまでの40年間にわたって保険料を納付していれば、受け取れる年金額は全員一律です。それに対し、厚生年金は平均標準報酬(賞与含む月額換算)によって支給額が決まります。
2023年の年金支給額の増額によって、厚生年金がどのくらい増えるのかは一概にいえません。
ただし、日本年金機構の公式ページでは、平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円で40年間就業した場合、夫婦2人が受け取れる標準的な年金支給額は月額22万4482円である旨を伝えています。2022年の年金支給額は月額21万9593円なので、4889円増える計算です。
2023年の国民年金保険料は月額1万6520円
2023年の国民年金保険料は、月額1万6520円です。納付期限は納付対象月の翌月末日(土曜日、日曜日、祝日、12月31日、1月2日および1月3日は金融機関等の翌営業日)なので、忘れずに納付を行いましょう。
また、国民年金第1号被保険者や任意加入被保険者は、国民年金保険料に加えて月額400円の付加保険料を上乗せして納付すれば、将来的に受け取れる年金を「200円×付加保険料を納めた月数分」だけ増やせます。
例えば、20~60歳までの40年間、付加保険料を納めた場合、老齢基礎年金に上乗せされる年金額は年額9万6000円(200円×480月)です。
国民年金保険料の前納で割引が適用
国民年金保険料は月額払いも可能ですが、一定期間の保険料をまとめて前納すれば割引の適用対象です。前納の方法と2023年に割引される金額は図表2のとおりで、口座振替による2年前納なら1万6100円の割引を受けられます。
図表2
前納の方法 | 前納の種類 | 前納額 | 割引額 |
---|---|---|---|
クレジットカード納付書 | 2年 | 38万7170円 | 1万4830円 |
1年 | 19万4720円 | 3520円 | |
6ヶ月 | 9万8310円 | 810円 | |
口座振替 | 2年 | 38万5900円 | 1万6100円 |
1年 | 19万4090円 | 4150円 | |
6ヶ月 | 9万7990円 | 1130円 |
日本年金機構「国民年金保険料の前納」より引用
年金額が上がっても物価も上がる! 年金だけに頼らない老後資金計画を立てよう
国民年金の支給額が3年ぶりに1.9~2.2%増額します。しかし、物価上昇による生活費の増加などを考慮したら月額1234円または1434円の増額は決して十分とはいえない額です。
老後資金を国民年金だけに頼らず、厚生年金の被保険者になる、付加保険料を納付する、国民年金保険料を前納して節約する、計画的に貯蓄をしておくなど、年金額を増やすための取り組みをしておくとよいでしょう。
出典
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 付加保険料の納付
日本年金機構 国民年金保険料の前納
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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