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目指せ、年収アップ! 働きながらキャリアアップする方法とは?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月27日 9時20分

目指せ、年収アップ! 働きながらキャリアアップする方法とは?

働いていると、日々の業務や生活に忙しく、また勉強にかける時間もお金ももったいないと、キャリアアップをする機会がなかなか作れずにいる方もいらっしゃるでしょう。   実は、非正規雇用などの人を対象に、正規雇用化や処遇改善などを行った事業主が受け取れる助成金があることをご存じでしょうか。本記事で、説明していきます。

キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金とは、非正規雇用労働者(有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者等の正社員・正職員以外の者)が、社内でキャリアアップをできることを促進するために、正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主に対して助成する制度です。
 
雇用保険適用事業者が、一人ひとりのキャリアアップ計画書を作成して、受給資格の認定を労働局長から受け、賃金や労働条件等の改善前と改善後の根拠が明らかになる書類を整備し、計画期間内にキャリアアップを行った場合に受給できます。
 
ただし、要件を満たしていている事業主でも、労働保険料を納付しなかった年度がある、過去1年間に労働関係法令の違反がある場合は受給できません。
 
ほかにも、性風俗関連営業や接待を伴う飲食店営業または営業の一部を受託する営業を行っている、暴力団と関わりがある、暴力主義的破壊活動を行った(行うおそれがある)団体に属しているなど、一つでも該当する場合は受給できません。
 

正社員化支援

非正規雇用労働者の賃金は、正規雇用労働者より低賃金であるため(出典:厚生労働省 「非正規雇用」の現状と課題より)、現在の生活費だけでなく将来の年金額が正規雇用労働者より低くなります。
 
支援の内容は、大きく分けると「正社員化支援」と「処遇改善支援」の2つに分けられます。
 
正社員化支援には、非正規雇用労働者を正社員化した場合に助成を受けられる「正社員化コース」、障害のある非正規雇用労働者の場合は「障害者正社員化コース」があります。正社員化することで、収入が増加・安定し、社会保険への加入もできます。
 
「社員化コース」の1人当たりの支給額は、有期雇用労働者から正社員の場合57万円(※大企業の場合42万7500円、以下※で表示)、無期雇用からの場合はその半額です。ただし、正社員化後6ヶ月の賃金が、正社員化前6ヶ月より3%以上の増額していることが必要です。申請の上限は、1年度に1事業所当たり20名までです。
 
さらに、派遣先で正社員として直接雇用する場合、ひとり親の場合、人材開発支援助成金の訓練修了後に正社員化した場合、勤務地限定・職務限定・短時間正社員制度新たに規定し、その雇用区分に転換等した場合に加算金があります。
 

処遇改善支援

正社員化まではできなくても、賃金を上げる、社会保険に加入できるようにするなどの処遇改善をした場合にも助成を受けられます。
 
「賃金規定等改定コース」は、有期雇用労働者等の基本給を決める賃金規定を、3%以上5%未満の増額の場合は5万円(大企業3万3000円)、5%以上の場合6万5000円(大企業4万3000円)と3%以上増額改定して、その規定を適用した場合に助成されます。1年度1事業所100人までは、複数回申請が可能です。
 
また、上記の1人当たりの金額に加え、1事業所当たり20万円(大企業15万円)を1回だけ受給できます。
 
「賃金規定等共通化コース」は、同一労働同一賃金により、有期雇用等と正規雇用との共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに規定・適用した場合に、一事業所当たり60万円(大企業45万円)が助成されます。
   
非正規労働者の場合、退職金はもちろん、賞与すらなく、生涯収入に大きな差が生じます。そこで、「賞与・退職金制度導入コース」では、就業規則や労働協約の規定により、すべての有期労働者に賞与・退職制度を新たに設けて、支給・積立を開始した場合に助成されます。
 
賞与または退職金制度のどちらか一方を導入すると40万円(大企業30万円)、両方導入の場合は56万8000円(大企業42万6000円)の助成額です。
 
非正規雇用労働者の労働時間を延長して、社会保険の加入をした場合に受給できる「短時間労働者労働時間延長コース」には、労働時間を3時間以上延長して新たに社会保険に適用した場合に、23万7000円(大企業17万8000円)が受けられます。
 
3時間未満の場合でも、手取りが減少しないように労働時間を延長と基本給を昇給し、新たに社会保険に適用した場合、1時間以上2時間未満5万8000円(大企業4万3000円)、2時間以上3時間未満11万7000円(大企業8万8000円)が助成されます。
 

人材開発支援助成金もプラス

正社員と同じ待遇を受ける場合、正社員と同等のスキルが必要になります。
 
先述した正社員化コースの加算金に、「人材開発支援助成金の訓練修了後に正社員化した場合」とありますが、人材開発支援助成金は事業主等が雇用する労働者に対して、職務に必要な専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練を計画に沿って実施した場合に、受講料などの訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成するものです。
 
人材開発支援助成金の人材育成支援コースには、有期労働者等の正社員転換を目的とした有期実習型訓練、雇用形態を問わず受けられる人材育成訓練・認定実習併用職業訓練があります。
 
人材開発支援助成金の訓練を修了後に正規雇用労働者に転換等した場合は、有期雇用労働者は助成金額9万5000円(自発的・定額制訓練の場合11万円)、無期雇用労働者は4万7500円(自発的・定額制訓練の場合5万5000円)が加算されます。ただし、訓練中に正社員化した場合は助成金の対象外となりますので、ご注意ください。
 

まとめ

本記事では、キャリアアップ助成金と人材開発支援助成金について説明しました。非正規雇用労働者は、正規雇用労働者に比べて賃金が低く、国がこのような制度で正社員化を後押ししています。
 
制度の詳細、書類や期限等、キャリアアップ助成金、人材開発助成金については、労働局またはハローワークへお問い合わせください。
 

出典

厚生労働省 「非正規雇用」の現状と課題
厚生労働省 キャリアアップ助成金のご案内(令和5年度版)
厚生労働省 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者
 

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