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家計に余裕がない! でも子どもが望む教育を受けさせたい! 「高等教育の修学支援金制度」とは?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月28日 3時20分

家計に余裕がない! でも子どもが望む教育を受けさせたい! 「高等教育の修学支援金制度」とは?

「子どもが大学に通いたいと言っているが、家計に余裕がなく、とても通わせられない」と、子どもの進学を諦めていませんか?   経済状況にかかわらず、学ぶ意欲がある人が学ぶ機会を得られるようにするための国の支援策があります。そのうちの1つが「高等教育の修学支援金制度」です。制度の内容を確認してみましょう。

高等教育の修学支援金制度とは

高等教育の修学支援新制度とは、大学や専門学校といった高等教育機関で学ぶ学生を支援する制度で、一定の要件を満たすと、入学金・授業料の免除または減額と、給付型奨学金の支給という2つの支援を受けることができます。一般には「大学無償化」として知られる制度です。
 
<認定要件>
本制度の支援を受けるには、「収入」「資産」「学修意欲」の3つの要件を満たす必要があります。
 
収入については、住民税非課税世帯、およびそれに準ずる世帯が対象です。収入額によって3段階に区分され、支援の額が異なります。収入の判定基準額は家族構成によって変わります。
 
収入が少なくても、保有する資産が多ければ支援の対象にはなりません。両親が働いていて家計を維持している場合は2000万円未満、両親のどちらかが働いて家計を維持している場合や、ひとり親家庭の場合は1250万円未満であることが要件です。
 
なお、対象となる資産とは、現金や預貯金、有価証券(株や債券、投資信託など)であり、不動産は対象外です。支援を受けるためには、家計の経済状況だけではなく、本人の学修意欲も審査されます。
 
高校生が大学進学に当たり支援を受けたい場合、高校2年次までの評定平均値が3.5以上であることが求められます。3.5未満の場合はレポートや面談によって学ぶ意欲を確認され、対象となるかどうかが決まります。
 
また、支援を受けて進学した後は、しっかりと授業へ出席し、勉学に励まなければなりません。成績が悪かったり、授業への出席率が悪い場合には、支援を打ち切られたり、場合によっては返還を求められることもあります。
 
<支援の金額>
支援を受けられる金額は、世帯の収入、進学先の学校の種類(大学、短期大学、高等専門学校、専門学校)、自宅から通うか自宅外かなどによって異なります。
 
参考までに、住民税非課税の世帯の学生が自宅外から私立大学に通う場合は、授業料が年額70万円、入学金が26万円減免され、給付型奨学金を年額約91万円受け取ることができます。
 
【図表1】


 
なお、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、住民税非課税世帯の学生の3分の2または3分の1の支援額です。
 

高等教育の修学支援金制度の対象であっても学費の準備は必要

高等教育の修学支援金制度は「大学無償化」と呼ばれてはいるものの、これまでみたように、学校の区分や世帯収入などによって支援の上限金額が決まっています。
 
学校によっては支援だけでは不足する場合もあります。また、減免される入学金、授業料以外の教科書代や実習費、学校の設備費などは通常どおり支払わなければなりません。
 
それらの点を踏まえて、高等教育の修学支援金制度の利用を考えていても、ある程度の学費の準備はしておく必要があります。どうしても資金が不足する場合には、奨学金や、国や金融機関の教育ローンなどを検討しましょう。
 

まとめ

子どもの進学にはお金がかかりますが、高等教育の修学支援金制度により、経済的な負担はかなり抑えることができます。
 
また、このほかにも自治体や企業、大学による奨学金制度など、さまざまな支援策があり、進学の可能性は広がっています。経済的な理由で進学を諦めてしまう前に、学校や自治体に相談してみましょう。
 
執筆者:宮野真弓
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

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