【定年後に確定申告が必要?】65歳以上で確定申告が必要な人の条件を紹介
ファイナンシャルフィールド / 2023年4月28日 6時0分
「確定申告が必要なのは働いているときだけ」と思っていませんか? 定年を迎え、収入が国民年金のみだとしても、条件に当てはまれば確定申告が必要となります。確定申告をすることで、源泉徴収された税金や予定納税額がある場合には、過不足の精算ができます。 今回は、65歳以上で確定申告が必要となる条件をケース別に解説していきます。
年金収入のみのケース
収入が年金のみの場合でも、次に挙げた2つのうち、一方にでも当てはまれば、確定申告が必要です。
●公的年金収入が400万円以上ある
●公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える
公的年金収入が「400万円」以上ある
公的年金等の収入金額が400万円以上の人は、確定申告が必要です。公的年金等とは、国民年金をはじめ、厚生年金保険や国家公務員共済組合の年金、確定給付企業年金などを指します。
公的年金等を受け取るときには所得税が源泉徴収されますが、年末調整が行われないため、確定申告をすることで1年間の税金を精算します。
公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える
公的年金以外でも、個人年金や生命保険の満期返戻金などの所得金額が20万円以上の場合には、確定申告が必要となります。個人年金とは、生命保険や共済などの契約に基づいて支給されるものです。
気をつけなければならない点は、収入金額ではなく、所得金額であることです。所得金額とは、収入金額から掛け金を引いたものになります。
年金をもらいながら働いているケース
65歳以上で働いている人も、条件によっては確定申告が必要です。4つの条件のうち、1つでも当てはまれば確定申告が必要となります。
●給与所得が2000万円を超える
●1ヶ所から給与の支払いを受けていて、給与所得や退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える
●2ヶ所から給与の支払いを受けていて、全部が源泉徴収の対象となる場合、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得や退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える
●所得金額調整控除の申請を行う
給与所得が2000万円を超える
1つ目は、給与の収入金額が2000万円を超える場合です。2000万円を超えると、年末調整が行われないため、確定申告をしなければなりません。
給与所得や退職所得以外の所得金額が20万円を超える
2つ目は、給与所得や退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合です。給与所得や退職所得以外の所得とは、生命保険や共済から支給される個人年金や生命保険の満期返戻金があります。他にも、不動産所得や株式の配当所得、事業を行っていれば事業所得などが所得に含まれます。
2ヶ所から給与の支払いを受けているとき
3つ目は、仕事を掛け持ちしていて、全部が源泉徴収の対象となる場合で、かつ、所得金額の合計が20万円を超えるときです。給与を2ヶ所からもらっている場合には、1ヶ所でしか年末調整ができないため、確定申告が必要となります。
次の図1の条件を両方満たす場合には、申告の必要はありません。
図表1
国税庁 No. 1900 給与所得で確定申告が必要な人を基に作成
雑損控除とは、災害や盗難、横領によって、資産の損害を受けた場合に受けることができる所得控除です。
所得金額調整控除の申請を行う
4つ目が、所得金額調整控除を申請する場合です。給与所得と年金所得の両方をもらっている場合、給与所得から控除できます。
控除額の計算式は次のとおりです。
給与所得後の給与等の金額+公的年金等にかかる雑所得の金額ー10万円=控除額
給与の金額、雑所得の金額ともに、10万超の場合は、10万円として計算します。
例えば、給与所得が50万円、公的年金等にかかる雑所得が150万円のケース。
10万円+10万円ー10万円=10万円
10万円が所得金額調整控除額となります。
所得税の還付を受けるとき
所得税の還付を受けたい場合も、確定申告が必要です。還付が受けられる条件は、次の5つのケースが挙げられます。
●マイホームを住宅ローンで取得したとき
●一定額以上の医療費を支払ったとき
●社会保険料、生命保険料を支払ったとき
●災難や盗難にあったとき
●ふるさと納税をしたときや認定NPO法人に寄付したとき
上記に挙げたケースは、年末調整で控除ができないため、確定申告が必要となります。一定の要件を満たした場合に、控除を受けられるため、ご自身が当てはまるかどうかわからないときは、税務署で聞いてみましょう。
まとめ
今回は、65歳以上でも確定申告が必要になる条件を見てきました。年金収入のみの場合でも、一定の条件に該当すれば確定申告が必要となります。
確定申告は、1年間の所得を確定し、所得税額を正確に計算する手続きです。場合によっては、還付金が受けられる可能性もあります。控除の種類は多いため、自身が当てはまるものがないか確認するようにしましょう。
出典
政府広報オンライン ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度
国税庁 高齢者と税(年金と税)
国税庁 No.1904 給与所得者と電子申告
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 No.1411 所得金額調整控除
国税庁 No.1210 マイホームの取得等と所得税の税額控除
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1140 生命保険料控除
国税庁 No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
国税庁 No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
4年前にマイホームを購入しましたが「住宅ローン控除」の申請を忘れていた…!今からでも申告すれば還付されますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月22日 1時50分
-
専業主婦の妻の養老保険が10年経過し満期を迎えたのですが、満期保険金は課税対象なのでしょうか? また、夫である私は「配偶者控除」を受けられるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月13日 22時20分
-
提出を忘れると2000万円の退職金が408万円減る…荻原博子が伝授「年末調整では取り戻せない税金の種類」
プレジデントオンライン / 2024年11月1日 10時15分
-
【年末調整】iDeCoは所得控除を受けられる?いくら戻って来る?
MONEYPLUS / 2024年10月29日 11時30分
-
申請を忘れると18万円の損…FPが注意喚起「年末調整」で絶対に見落としてはいけない"記入欄"と添付書類
プレジデントオンライン / 2024年10月29日 7時15分
ランキング
-
1関西財界訪中団、邦人の安全確保に懸念 短期ビザ免除再開に期待も 投資意欲は持続
産経ニュース / 2024年11月25日 18時19分
-
2「トイレ流せない…」水道代にも値上げの波 千葉で水道代を2割“値上げ”方針 住民からは悲鳴も【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月25日 21時9分
-
3トヨタ、北京の営業拠点閉鎖 中国合弁、天津に集約へ
共同通信 / 2024年11月25日 20時22分
-
4災害に備えて家に食料を蓄えていますが、出先の対策が全くできていません…。普段から何を持ち歩けばよいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月24日 3時50分
-
5〈サイゼリヤのメニューに異変?〉「値上げして良いからメニューを充実させて」との不満投稿に広報の回答は?
集英社オンライン / 2024年11月25日 17時44分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください