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【失業保険が増額!】会社都合の退職と判断される残業時間のラインを解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月28日 9時30分

【失業保険が増額!】会社都合の退職と判断される残業時間のラインを解説

長時間雇用、いわゆる残業によって体調不良や悪化、メンタルの低下が危惧される昨今。残業による悪影響はこれらに留まらず、自分の時間を確保できない、家族との時間を確保できないなどさまざまな部分にまで悪影響が広がっています。   本記事ではどれくらいの残業時間だと"会社都合の退職"と判断されるのか、そのラインについてご紹介します。合わせて、失業保険が増額になる対象も解説するので、残業について悩む方や退職を検討される方は参考資料のひとつとして本記事をお役立てください。

会社都合退職に該当する残業時間とは?

厚生労働省公式ホームページでは『残業時間の上限は原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。』としています。厳密には以下のような取り決めになっています。
 
時間外労働(休日労働は含まず)の上限は、原則として、月45時間・年360時間となり、臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできなくなります。
 
臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、
 

●時間外労働:年720時間以内
●時間外労働+休日労働 :月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内

 
とする必要があります。
 
原則である月45時間を超えることができるのは、年6ヶ月までです。法違反の有無は「所定外労働時間」ではなく、「法定外労働時間」の超過時間で判断されます。
 
⼤企業への施⾏は2019年4月ですが、中⼩企業への適⽤は1年猶予され2020年4月となります
 
大企業では2019年4月より、中小企業では2020年4月より開始した時間外労働の上限規制で、残業による体調不良やメンタルの低下、家族との時間の現象を危惧したなかで取り決められた制度のことです。
 
労働者に時間外・休日出勤させる場合は、事業場の過半数の労働者で組織する「労働組合」と「36協定」を締結する必要があります。36協定は労働基準監督署にも届け出なければならないことから、日本国内の残業に対する捉え方は従来よりも重くなり、より厳しく対処する方向に変化したと考えられます。
 

残業時間による退職で”会社都合”と判断されるには

残業時間による退職で会社都合と判断されるには、以下2つのポイントに留意する必要があります。
 

●自己都合と判断される可能性のある理由に注意する
●会社都合の退職とするためには詳細な資料を用意する必要がある

 

自己都合と判断される可能性のある理由に注意する

どれだけ残業が続き心身共に疲弊してしまっても、上述した時間に満たない場合は自己都合と判断されます。例えば、月45時間に満たない残業が挙げられます。
 
残業を理由に会社都合で退職するためには月45時間の残業を3ヶ月連続した場合、1ヶ月で100時間残業した場合、または2~6ヶ月平均でみたときに80時間を超える残業、および休日労働が必要です。
 
日常的に残業が続いても残業時間によっては自己都合と判断されるケースがあります。普段から残業時間を記載し、会社都合に該当するかを確認するのが望ましいでしょう。
 

会社都合の退職とするためには詳細な資料を用意する必要がある

厚生労働省で定められた残業時間や休日出勤である場合は会社都合での退職対象となります。会社都合による退職を検討する際は、詳細な資料を用意した上で、上司または会社に相談・提出する必要があります。
 
決定的な証拠としては出勤簿やタイムカードが該当します。これらと自身で控えた残業や休日出勤の時間が一致していれば、会社都合の退職と判断されるでしょう。
 
細かく記載していなかったり、出勤簿やタイムカードと控えていた時間が異なったりする場合は自己都合と判断される可能性があります。残業を会社都合による退職とする際は、必ず双方の時間が一致しているかを確認するよう留意しましょう。
 

残業時間によっては失業手当の増加対象となる

残業時間や休日出勤の時間によっては、失業手当(失業保険)の増加対象となる場合があります。失業手当の賃金日額は離職日直前の6ヶ月間の平均賃金から算出します。平均賃金は基本給、年齢給、役職手当があり、基本時給に1.25倍をかけた残業代が追加となります。
 
たとえば、基本給が20万円、年齢給が10万円、月に45時間残業した方の場合です。月で30万円、所定労働時間が160時間のときは、基本時給が以下のようになります。
 

30万円÷160時間=1875円

 
基本時給1,875円に残業手当としての1.25%、そして残業時間が45時間であることから以下のような式になります。
 

1,875円×1.25%=2343.75
2344円×45時間=10万5480円

 
105,480円となり、1ヶ月の給与が405,480円に増えることになります。
 
すでに退職が決まっている場合、失業手当の賃金日額を上げて給付額を増やすことも可能です。残業時間を考慮し、会社都合による退職を検討する際は、失業手当の賃金日額も視野に入れるとよいでしょう。
 

まとめ

残業時間による会社都合の退職においては、政府で定められた時間を満たしているか、そしてそれらを証明できる資料を用意する必要があります。
 
残業を理由に退職するときは、本記事でご紹介した時間外労働の規定や必要書類を押さえ、適切な方法に沿って会社都合による退職を申し出ましょう。
 

出典

厚生労働省 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

厚生労働省 時間外労働の上限規制

厚生労働省 一日の残業時間は労働基準法ではどれぐらいですか。

厚生労働省 時間外労働の限度に関する基準

内閣官房 失業者の退職手当の支給要件及び支給額算定基準

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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