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定年後に「4000万円」の住宅購入は危険!? 購入の条件や住宅ローンのポイントを解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月28日 10時20分

定年後に「4000万円」の住宅購入は危険!? 購入の条件や住宅ローンのポイントを解説

定年後の生活を考えたとき、自分の暮らしに合った家の購入を検討する人もいるのではないでしょうか。しかし、定年後に家を購入するにはいくつかの注意点があります。   本記事では、定年後に家を購入するときの注意点や、定年後に家を買ってもいい人の特徴を解説します。

70歳まではローン組める

定年後に家を購入する場合、70歳未満であれば住宅ローンが組めるのが一般的です。主要な銀行は住宅ローンの年齢制限として、借入時は70歳以下、返済完了時には80歳以下であることを求めています。
 
ただし、銀行や金融機関によっては、より柔軟な条件でローンを提供している場合もあるので、複数の銀行を比較検討することが重要です。また、年金収入や定年後の収入状況、健康状態なども考慮されるため、70歳未満であっても審査に通らない可能性があることも念頭に置いておきましょう。
 

定年後にローンを組む際の注意点

定年後にローンを組む際に注意すべきことは、次の2つです。
 

返済期間が短い

一般的に住宅ローンを組む際は、返済完了時に80歳以下であるという条件が設けられています。そのため、定年後にローンを組んだ場合は、当然返済期間は短くなります。
 
例えば、65歳でローンを組んだ場合は15年以内に返済しなければなりません。返済期間35年で住宅ローンを組む人が多い中、15年で完済するとなると、毎月の返済負担額もその分大きくなるでしょう。
 

退職金を頭金に入れ過ぎない

住宅ローンの頭金に、退職金を多く入れるのも注意が必要です。退職金は老後生活において重要な資金源です。老後は年金収入と、これまでの貯蓄、退職金を取り崩して生活する人もいるでしょう。
 
もし、退職金を頭金として入れ過ぎてしまうと、老後資金が枯渇してしまうリスクがあります。適切なバランスを考慮して、退職金の使い方を慎重に判断しましょう。
 

定年後に家を買えるのはどんな人?

定年後にローンを組む際の注意点を解説しましたが、どのような人であれば老後に家を購入できるのでしょうか。ここからは、定年後に家を買ってもいい人の条件について解説します。
 

老後資金にプラスして余剰資金がある人

前述のとおり、老後は年金収入とこれまでの貯蓄、退職金を取り崩して生活する人が一般的ですが、住宅ローンを組む際に金融機関側から頭金を要求されることがあります。
 
このときに、老後資金を頭金に充てざるを得ない場合、将来的に生活費が不足するリスクが高まることが多いため要注意です。一方で、老後資金に加えて余剰資金がある人は、定年後に頭金を入れて住宅ローンを組んでもリスクは少ないでしょう。
 

老後生活に支障がでないローンを組める人

定年後に家を購入する場合、ローンの返済が老後の生活費に大きな影響を与えないように計画を立てることが重要です。
 
老齢厚生年金の2023年度の受給額の平均は、月額22万4482円(夫婦2人分)です。年金月額22万4482円にプラスして、貯蓄や退職金を取り崩して生活していく人は少なくありません。この年金収入と取り崩した退職金等で、生活に支障がでないローンを組めるのであれば、家を購入してもいいかもしれません。
 
例として、年金収入と取り崩した資金を合わせた30万円で老後生活を考えている人のケースを見てみましょう。

【Aさん夫婦】

年齢:65歳
老後資金:30万円(月額)
住宅価格:4000万円
返済期間:15年
金利:0.8%
毎月の返済額:約23万6000円

Aさんの場合は、住宅ローンの返済を差し引いた時点で残りは6万4000円です。つまり、1ヶ月を生活費6万4000円でやりくりしなければならなくなります。
 
一方、Aさんが2000万円の家を購入した場合は、毎月のローン返済額は約11万8000円で済みます。返済額を差し引いても残り18万2000円で1ヶ月生活できるので、やりくりしやすいといえるでしょう。
 
このように、老後にローンの返済負担を抑えられる住宅ローンを組むことが、老後の生活に支障が出ないための重要なポイントとなるでしょう。
 

毎月の返済額と生活費のバランスを考慮して購入しよう

定年後に家を購入する際には、返済負担が抑えられるローンを組むことが重要です。定年後にローンを組む場合は、返済期間が短くなることや、退職金を頭金に入れ過ぎない点に注意しましょう。
 
老後資金にプラスして余剰資金がある人や、老後生活に支障が出ないローンを組める人であれば、定年後に家を購入することができるかもしれません。ただし、老後の生活費を十分に考慮した上で、返済負担が高すぎない金額の住宅ローンを組むことが重要です。
 
年金収入や退職金を含めた老後資金をベースに、毎月の返済額と生活費を計算してバランスのとれたローンを組んでください。
 

出典

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
 
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種

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