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入社して3年間は「昇給なし」と言われました。これは違法でしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年4月29日 10時30分

入社して3年間は「昇給なし」と言われました。これは違法でしょうか?

「入社から3年間は昇給がない」という会社も存在します。昇給はモチベーションが上がるだけでなく、日々の生活のためにも必要と言える制度です。このような定期昇給がないという会社は法律的に問題ないのでしょうか? また、定期昇給と似ている制度でベースアップがありますが、違いはあるのでしょうか?   本記事では、定期昇給とベースアップの違いについて紹介すると共に、昇給がない会社が違法なのか、解説します。

定期昇給とベースアップの違い

定期昇給とベースアップは基本給が上がるという点が共通していますが、基本給の上がり方に違いがあります。それぞれの違いを見ていきましょう。
 

定期昇給

定期昇給はあらかじめ定められている労働協約や就業規則などを基に、決められた時期に基本給が上がることを指します。
年齢や勤続年数に応じて昇給するので、従業員ごとに昇給の上がり方が異なるのが特徴です。能力や業績の評価によって毎年査定される場合も含まれます。
 

ベースアップ

ベースアップは定期昇給に関係なく、従業員全体で昇給することを指します。いわゆるベアです。
ベースアップは定期昇給と異なり、一律で昇給するものなので会社側の負担が大きくなるという特徴があります。そのため、会社側としてはベースアップをなるべく避ける傾向にありますが、春闘などを理由にベースアップを決定する企業も増えているようです。
 

入社から定期昇給がないことは違法?

定期昇給が入社からないことは法律的に問題ないのでしょうか? 労働基準法第89条では、賃金の計算方法や昇給についての就業規則を定めるように書かれていますが、定期昇給に関する規定はありません。そのため、入社から定期昇給がないことは法律的には問題がないことになります。
厚生労働省の「令和4年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」によると、一般職について定期昇給がある企業は78%なっています。そのため、約22%の企業は定期昇給を採用していないことになります。
 

昇給がない理由

入社してから昇給がない理由としては、「就業規則に定期昇給が規定されていない」、「昇給の基準を満たしていない」、「手当など他の制度に反映している」ということがあげられます。
まず、就業規則に定期昇給が規定されていない場合は、定期昇給されることはありません。実際に2022年の調査では、約22%の企業で定期昇給を採用していませんでした。今後、就業規則が変更されない限り、昇給は見込めないでしょう。
 
定期昇給を採用している企業であったとしても、従業員が昇給の基準を満たしていない場合は基本給が上がらない可能性があります。この場合は会社側に昇給がない理由を聞いてみましょう。
基本給に反映せず、手当など他の制度に評価を反映している場合もあります。この場合についても会社側に確認するようにしましょう。
 

給与のことで疑問に思ったことは会社側に確認するようにしましょう

本記事では、定期昇給とベースアップの違いについて、さらには昇給がない会社が違法なのか、解説しました。
入社してから定期昇給がなくても就業規則などで定められている場合は、法律違反ではありません。まずは、就業規則を確認することをおすすめします。
 
また、定期昇給を採用している企業で昇給がなかった場合も、会社側に昇給がない理由を確認するようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況
e-Gov法令検索 労働基準法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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